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河野外務大臣は、訪問先のタイのバンコクで、日本時間の1日午後、イギリスのジョンソン新首相のもと、先月、就任したラーブ外相と会談しました。

この中で河野大臣は、「イギリスのEU離脱がEUとの合意に基づき、秩序だった形で実現され、イギリスが日系企業にとって魅力的な投資先であり続けることを強く期待する」と述べ、日系企業や世界経済への悪影響を最小限にするため、「合意なき離脱」を回避するよう求めました。

これに対し、ラーブ外相は、「秩序だった離脱の実現に向け、ジョンソン首相はヨーロッパ各国を訪問する。日系企業の懸念解消には最大限、取り組みたい」と応じました。

そのうえで、両外相はEU離脱後の両国の経済関係について協議し、TPP=環太平洋パートナーシップ協定へのイギリスの加入の可能性について、両国で前向きに検討していくことで一致しました。

イングランド銀行は1日、金融政策を決める会合の結果を発表し、ことし10月末に予定されているイギリスのEU離脱が経済に与える影響を見極めたいとして、政策金利を現在の0.75%のまま据え置きました。

そのうえで、今後の金融政策について、EU離脱が合意に沿う形でスムーズに進んだ場合は緩やかな利上げが適切との考えを示しました。

一方で、「EU離脱への対応は自動的に決まるものでなく、どちらの方向にも進む可能性がある」として、状況によっては利上げも利下げもあり得る、という認識を示しました。

世界の中央銀行の間では経済減速への懸念を背景に、アメリカのFRB連邦準備制度理事会がおよそ10年半ぶりの利下げに踏み切ったほか、ヨーロッパ中央銀行が先週、マイナス金利の引き下げなどを示唆し、金融緩和にかじを切る動きが広がっています。

ただ、記者会見でカーニー総裁は「イギリスの今後の経済がどうなるかはEU離脱の状況に左右される。合意なき離脱となる可能性は以前より高まっていて、先行きは一段と不透明になっている」と述べていて、今後の金融政策を柔軟に選択できる道を残す形となりました。

イギリスはことし10月末にEUからの離脱を予定していますが、離脱に伴う条件を定めたEUとの協定について議会承認が得られておらず、このまま離脱すると暮らしや経済に大きな打撃になると懸念されています。

この「合意なき離脱」に備える費用として、イギリス政府は、新たに21億ポンド(日本円で約2800億円)を追加で予算に計上すると発表しました。

予算は混乱が予想される通関業務や国境管理の強化、医薬品の確保、それに国民への対策の周知などに充てられるとしています。

先週、就任したジョンソン首相は「合意なき離脱」も辞さない姿勢を強調していて、ジャビド財務相は「この対策費は合意があってもなくても、イギリスのEU離脱を10月に実現するために必要な費用だ」とコメントし、理解を求めています。

ただ、最大野党、労働党からは「合意なき離脱に突き進むジョンソン首相のために使われるもので、おそるべき税金のむだづかいだ」という批判が出ています。

イギリス下院の補欠選挙は1日投票が行われ、EUと合意のないまま離脱することに反対する野党・自由民主党の候補が、与党・保守党の候補を破って勝利しました。

議会下院では、保守党は北アイルランド地域政党からの閣外協力をえることで、かろうじて過半数を維持していますが、今回の敗北によって、野党勢力を1議席上回るだけという厳しい状況に追い込まれました。

就任直後から、ことし10月末に「合意なき離脱」も辞さない強硬な姿勢を強調するジョンソン首相にとって、大きな痛手となりそうです。

ただ、保守党や強硬に離脱を主張して支持を拡大させている「離脱党」を合わせた離脱派の得票数は、残留派の候補の得票数ときっ抗していて、EUからの離脱をめぐって国内を分断する状況が続いていることがうかがえます。

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