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トルコは、テロ組織とみなすクルド人勢力を国境地帯から排除するとして今月9日からシリア北部に越境して軍事作戦を続けていて、国際社会から懸念の声があがっています。

こうした中、アメリカのペンス副大統領とポンペイ国務長官がトルコの首都アンカラを訪れ、17日、エルドアン大統領と4時間以上にわたって会談しました。

会談のあと、記者会見したペンス副大統領は、トルコが今後120時間、5日間にわたって作戦を停止することで合意したと明らかにしました。

この間に、シリア領内の国境沿いからクルド人勢力を撤退させるとしています。

アメリカは、過激派組織IS=イスラミック・ステートの掃討作戦でクルド人勢力を支援したことから協力関係にあり、ペンス副大統領はクルド人勢力からは撤退の確約を何度も得ている」と述べました。

そのうえで、撤退が完了すれば停戦が実施されるとしています。

現地の情報を集めているシリア人権監視団によりますと、シリア北部ではこれまでに72人の市民が戦闘に巻き込まれて死亡、25万人が家を追われる人道危機となっています。

今回の合意を受けてクルド人勢力が撤退に応じ、停戦が実施されて事態の収束につながるか、注目されます。

トルコがシリア北部での軍事作戦を停止することでアメリカとトルコが合意したことについて、トランプ大統領は訪問先のテキサス州で記者団に対し「すばらしい結果だ。トルコに感謝する。文明にとって偉大な日となった」と述べ、合意の意義を強調しました。

そのうえで、国境地帯から30キロの幅にわたって、トルコが敵視するクルド人勢力が撤退することについて「これまでの政権が10年かかっても達成できなかったことだ」と述べ、みずからの成果だと主張しました。

また、軍事作戦を受けてアメリカがトルコに科した経済制裁について軍事作戦が完全に終了次第、速やかに解除する方針を示しました。

トランプ大統領としては、トルコの軍事作戦をめぐり、シリア北部からアメリカ軍の部隊を撤退させたことが作戦を黙認したとして国内外から批判を受けるなか、停戦はみずからの成果だと強調することで、批判をかわすねらいがあるとみられます。

アメリカのトランプ大統領ツイッター「トルコからすばらしいニュースがある。エルドアン大統領ありがとう。何百万人もの命が救われる」と投稿したのに対し、トルコのエルドアン大統領は「人類の敵であるテロリズムを打倒すれば、さらに多くの命が救われる。この共同作業がわれわれの地域の平和と安定を促進すると確信している」と英語で返信し、合意に沿ってアメリカがクルド人勢力の撤退を実現するよう求めました。

トルコとアメリカの合意では、トルコが軍事作戦を一時停止する間に、クルド人勢力が国境沿いから撤退するとしています。

これについてクルド人勢力は17日、「一部の地域で停戦に合意し、今夜10時から履行した。われわれは停戦プロセスへの責任を果たす。同時に、トルコも合意を順守するよう求める」とした声明を発表し、合意を受け入れることを明らかにしました。

一方、過激派組織ISの掃討作戦にあたってきたクルド人勢力の司令官は地元メディアの取材に対して「トルコがこの地域から撤退した場合にのみ停戦を受け入れる」と述べるなどトルコ軍が撤退しないかぎり停戦には応じられないとしていて、合意に対する不満も示されています。

トルコ側は、今回の合意にシリア北部からの撤退は含まれていないとしていて、合意に沿ってクルド人勢力が国境地帯から撤退し、最終的な停戦に結び付くかは不透明な情勢です。






トランプ大統領テキサス州のダラスで17日に開いた大規模な集会で、「われわれの兵士を帰国させるべきだ」と強調し、会場は大きな拍手や歓声で包まれました。

集会に参加した地元の30歳の男性は「シリアからの撤退はすばらしい決定だと思います。アメリカはほかの人たちの戦いに飛び込み、巻き込まれてきました。シリアで起きていることは彼らの問題であって、われわれの問題ではありません」と話していました。

40歳の女性は「シリアにいる人たちはアメリカ軍がいなくなって喜んでいると思います。これで問題を自分たちで対処できるからです」と話していました。

また、26歳の男性は「決定にはよい面も悪い面もあり、一概には言えませんが、トランプ大統領が言うように終わりのない戦争を続けるわけにはいきません。兵士たちはアメリカに帰ってくるべきです」と話していました。

シリア北部からのアメリカ軍部隊の撤退については、与党の議員や軍事の専門家からも批判や懸念の声が上がっていますが、来年の大統領選挙で再選を目指すトランプ大統領には、熱烈な支持層にアピールするねらいがあるとみられます。

 テキサス州で開かれた支持者集会でトランプ氏は「私は慣習にとらわれない。彼らはしばらく戦う必要があると言ったんだ」と述べ、「一つの場所に子どもが2人いるようなもので、好きなように戦わせて、それから引き離せばいい」「すでに何日間か、非常に激しく戦っている」と語った。

トルコのエルドアン大統領は、17日、首都アンカラアメリカのペンス副大統領と会談し、シリア北部のクルド人勢力に国境沿いから撤退する時間を与えるためとしてトルコの軍事作戦を5日間、停止することで合意しました。

しかしシリア北部の国境沿いの町、ラス・アルアインでは、合意から一夜明けた18日も戦闘が続き、現地からの映像では、砲撃音や銃声が響き、煙があがっているのも確認できます。

これについてトルコ軍もクルド人勢力も今のところ何も発表していませんが、現地の情報を集めているシリア人権監視団は、けが人が出ているとしています。

アメリカとトルコの合意についてクルド人勢力は受け入れるとする声明を出していますが、現地の司令官はトルコ軍が撤退しないかぎり停戦に応じない考えを示し、撤退も明言していません。

トルコは自国の安全のため、あくまでも隣接するシリア北部の国境地帯から、クルド人勢力を排除するとしていて、合意が維持されるかやクルド人勢力が期間内に撤退するかは不透明な状況です。

中東のホルムズ海峡の安全確保をめぐり、政府は、18日午後1時半すぎから、安倍総理大臣をはじめ、菅官房長官、茂木外務大臣、河野防衛大臣らが出席して、NSC=国家安全保障会議の4大臣会合を開きました。

このあと、菅官房長官は記者会見で、「中東地域の平和と安定は、わが国と国際社会の平和と繁栄に極めて重要だ。緊張緩和と情勢の安定化に向けて、安倍総理大臣が6月にイランを訪問するなど、外交的取り組みをしっかり進めてきた」と述べました。そのうえで、「NSCなどでの議論を踏まえ、わが国として中東地域における平和と安定、わが国に関係する船舶の安全の確保のために、独自の取り組みを行っていくこととした」と述べ、アメリカが結成を目指す有志連合には参加せず、日本独自の取り組みとして、自衛隊の中東地域への派遣を検討する方針を明らかにしました。

そして、中東の緊張緩和と情勢の安定化に向け、さらなる外交努力を行うことや、関係業界との綿密な情報共有をはじめとする 航行安全対策を徹底すること、さらに情報収集態勢強化のための自衛隊の活用に関する具体的な検討を開始することを基本方針とし、アメリカとも引き続き、緊密に連携していく考えを示しました。

また、派遣は、防衛省設置法に定められた「調査・研究」の一環として行うとしたうえで、アフリカのアデン湾での海賊対策にあたっている部隊の活用も含め、海上自衛隊の艦船や哨戒機の派遣の可能性を検討し、活動範囲については、オマーン湾と、アラビア海の北部、イエメン沖を中心に検討するとしています。

官房長官は、派遣の時期はまだ明確に決めていないとしたうえで、「現時点において、直ちにわが国に関係する船舶の防護を実施する状況にはないものの、今月11日のイランのタンカー爆発事案などに見られるような昨今の情勢に鑑み、わが国として情報収集の取り組みをさらに強化する必要があると判断した」と述べました。
また菅官房長官は、アメリカの有志連合に加わらないという判断は、伝統的に友好関係があるイランへの配慮かと問われたのに対し、「総合的な判断だ」と述べました。

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