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安倍総理大臣は4日、訪問先のタイで韓国のムン・ジェイン文在寅)大統領とおよそ10分間、通訳のみを交えて、ことばを交わしました。

両首脳が着席してことばを交わしたのは、去年9月の首脳会談以来およそ1年ぶりです。

この中で、安倍総理大臣は、日韓関係悪化のきっかけとなった「徴用」をめぐる問題について、「日韓請求権協定に関する原則を変えることはない」などと伝えたうえで、日韓関係の重要性も指摘しました。

これに対し、ムン大統領は「世界経済や北朝鮮の問題でも一層の協力が必要と考える」と応じ、両首脳は対話を継続していくことで一致しました。

これを受けて、今後は年末に中国での開催で調整が進められている日中韓3か国の首脳会議に向け、当局間による対話が続けられる見通しで、韓国側は会議にあわせた日韓首脳会談の実現を模索するものとみられます。

日韓両国の間では軍事情報包括保護協定=GSOMIAの失効が今月23日に迫っていて、日本政府は、韓国側が延長を決断するなど、姿勢に変化が生じないか注視していくことにしています。

タイの首都バンコク近郊で開かれていたASEAN東南アジア諸国連合の一連の首脳会議にアメリカの代表として出席していたオブライエン大統領補佐官は4日、NHKなど一部メディアと会見し、日本と韓国の対立が深まっている事態について「両国ともアメリカの重要な同盟国だ」と強調しました。

そのうえでオブライエン補佐官は今回、安倍総理大臣とムン・ジェイン大統領それぞれと会談し、日韓関係は、アメリカにとっても重要だと伝えたことを明らかにするとともに「私は日韓両国が問題の解決方法を見いだすことができると楽観的に考えている」と述べて、日韓関係の改善に期待を示しました。

安倍総理大臣と韓国のムン・ジェイン大統領は4日、訪問先のタイで、国際会議の前に、およそ10分間、通訳のみを交えてことばを交わしました。

ムン大統領は帰国の途につくのを前に5日、みずからのフェイスブックに投稿し、安倍総理大臣と対話のはじまりになり得る、意味のある会合を行った」と評価し、日本との関係の改善に期待を示しました。

また、韓国メディアも今回のやり取りを大きく取り上げていて、連合ニュースは「なかなか対話の糸口を見いだせなかった両首脳が、これをきっかけに関係を改善するための勢いをつけられるのかに関心が集まっている」と伝えています。

韓国としては、年末に中国での開催で、調整が進められている、日中韓3か国の首脳会議にあわせて日本との首脳会談を模索していくものとみられます。

ただ、太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題や今月23日に効力を失う軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」など日韓の間の懸案で、日本側が納得する打開策を見いだせるかどうかは不透明です。

日本を訪れている韓国国会のムン・ヒサン議長は5日午後6時半から早稲田大学で講演しました。

このなかでムン議長は太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題で、韓国の最高裁判所が日本企業に賠償を命じ、日韓関係が悪化していることに触れ、事態を打開するために法案を作り韓国の国会に提出する考えを明らかにしました。

具体的には韓国側で新たな基金を作り、原告側に「慰謝料」を支払うとしています。

また、基金の財源については日韓両国の企業と個人から自主的な寄付を募るとしています。

ムン議長は「両国の和解と協力の糸口がつかめることを期待する」と述べました。

ただ法案を提出する時期は明言せず、韓国側で同意が得られて実現するかどうかは不透明です。

日本政府は「徴用」をめぐる問題は請求権協定で解決済みとの立場で、国際法違反の状態を是正するよう韓国側に繰り返し求めています。

ムン議長は慰安婦問題をめぐってことし2月、当時天皇上皇さまが「謝罪すれば解決する」などと発言し、その後、謝罪しています。

ムン議長は5日午後、自民党本部で二階幹事長と会談しました。

同席した亀井静香衆議院議員によりますと、会談で二階幹事長は「徴用」をめぐる問題などを念頭に、「悪化した日韓関係を改善させるには、まず韓国側で問題を解決してほしい」と述べ、対応を求めたということです。

これに対し、ムン議長は「韓国側としてもきちんと対応し、両国の関係を改善させるため力を尽くしたい」と応じたということです。

韓国の情報機関、国家情報院は4日、国会の情報委員会に対して最新の北朝鮮情勢を非公開で報告し、その後、出席した議員が報道陣の取材に応じました。

それによりますと、国家情報院は、具体的な根拠を示さなかったものの、北朝鮮は、早ければ今月中旬、遅くとも来月初めまでに、米朝の実務者協議に応じるという見通しを示したということです。

ただ、北朝鮮は先月、スウェーデンで行われた米朝実務者協議について「決裂した」と述べ、協議を再び行うかどうかはアメリカ側の出方次第だと強調していて、先行きは不透明です。

このほか、国家情報院は、キム・ジョンイル金正日)総書記の異母兄弟にあたり、およそ30年にわたりヨーロッパ各国の大使を務めたキム・ピョンイル氏が、本国に帰任すると説明したということで動向が注目されています。

韓国大統領府は、ムン・ジェイン文在寅)大統領が4日午後、訪問先のタイでアメリカのオブライエン大統領補佐官と30分余りにわたって会談し、北朝鮮への対応をめぐって意見を交わしたことを明らかにしました。

この中でムン大統領は、米韓両首脳の緊密な協力が両国の同盟の発展と、朝鮮半島の平和プロセスのけん引に重要な役割を果たしてきたとして今後も意思疎通をはかり、北朝鮮に対し忍耐を持って関わり続ける重要性を強調したということです。

また、ムン大統領はこれに先立ってASEAN加盟国と日本やアメリカ、中国などの首脳とともに東アジアサミットに出席し、朝鮮半島情勢について「非核化と平和構築の過程で重要な峠が残っている。米朝間の実務者協議や首脳会談を通じて、今までの努力が実を結ぶことを期待している」と述べました。

そのうえで、「朝鮮半島の非核化と恒久的な平和は、国際社会の支持と協力なしには成し遂げられない。北が正しい措置をとるなら、国際社会もそれにみあった行動をとらなければならない」と呼びかけました。

韓国の情報機関、国家情報院は4日行った国会への報告で、キム委員長のおじでチェコ大使を務めるキム・ピョンイル氏が、オーストリア大使である義理の兄とともに近く交代し、帰国するという見通しを示しました。

現在60代半ばとされるキム・ピョンイル氏は、キム委員長の父、キム・ジョンイル金正日)総書記の母親違いの弟で、キム総書記が権力を握ったあと1979年に当時のユーゴスラビアに赴任して以降、ヨーロッパ各国の大使を歴任し、事実上、本国から遠ざけられてきました。

キム・ジョンウン体制になってからは、6年前に粛清されたキム委員長のおじのチャン・ソンテク氏を後ろ盾とした、キム委員長の母親違いの兄のキム・ジョンナム金正男)氏がおととしマレーシアで殺害されています。

このため韓国では、キム委員長に代わって指導者に担ぎ上げられる可能性がある直系の人物を排除するねらいがあるとする見方が出るなど、その背景に関心が集まっています。

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