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議会下院でトランプ大統領の弾劾に向けた調査を進める民主党は5日、EU=ヨーロッパ連合を担当するアメリカのソンドランド大使の非公開の証言記録を公開しました。

それによると、ソンドランド大使は、先月行われた聞き取りの中で、「トランプ大統領ウクライナへの軍事支援の見返りに、バイデン氏の息子が役員を務める企業の汚職捜査を要求したという事実は知らない」と証言していました。

ところが今月4日になって追加で提出された供述書では、「他の政府高官の供述を聞くにつれ、ウクライナ側と9月に交わした会話の内容を思い出した」として証言を一転させ、ウクライナのゼレンスキー大統領の側近に対し、バイデン氏の息子にまつわる汚職捜査について声明を発表しないかぎり、軍事支援は難しいと伝えていたことを認めました。

ソンドランド氏は、トランプ大統領の有力な支援者ですが、政府高官が議会で次々とトランプ大統領に不利な証言をする中、偽証罪に問われる可能性をおそれ、証言を覆したものとみられ、野党・民主党は、大統領の弾劾に向けて追及を強める構えです。

アメリカでは5日、南部ケンタッキー州ミシシッピ州で知事選挙が行われ、このうちトランプ大統領が2016年の大統領選挙でクリントン候補に30ポイントの差をつけて勝利したケンタッキー州は、共和党の現職と民主党の新人の間で僅差の接戦となり、アメリカの主要メディアが優勢を伝えていた民主党のベシア氏が勝利を宣言しました。

一方、前回大統領選挙でトランプ大統領がおよそ18ポイント差で勝利したミシシッピ州では、共和党の新人、リーブズ氏が5ポイント余りの差で勝利しました。

トランプ大統領は知事選挙の応援のために先週から今週にかけ2つの州を相次いで遊説し、特に石炭産業が盛んなケンタッキー州では温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの離脱を正式に通告したことを成果として強調するなどして支持を呼びかけていました。

来年11月の大統領選挙で再選を目指すトランプ大統領としては、保守地盤での敗北は懸念材料となりそうです。