https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

内田新社長は、2日、横浜市の本社でNHKの単独インタビューに応じました。

この中で、ゴーン元会長の事件に加え、あしもとの業績が低迷していることを踏まえ、「日産は非常に厳しい環境に置かれており、覚悟を持って社長としての使命を果たすことがいちばん重要だ」と決意を述べました。

また、この1年、ルノーが日産に対して経営統合を求めるなど、対立が続いたことについては、経営統合をめぐる議論ありきではないとしました。

そのうえで、「各社の売り上げや利益に短期的にアライアンスがきちんと貢献できるのかを議論することが重要だ。おのおのの会社を尊重するのがアライアンスの精神で、この考え方から一切ぶれるつもりはない」と述べ、各社の業績にとって短期的に利益になるような連携の強化に取り組む考えを示しました。

内田社長は大手商社時代にフィリピンに駐在したほか、日産でも韓国や中国でビジネスにあたるなど豊富な国際経験を持っていて、フィリピンでは現地の人たちと向き合うため、タガログ語も学んだと言います。

内田社長は「日産の強みは多様な文化を持った従業員がいることだ。お互いを尊重し、透明性を持って課題を共有することで信頼につながっていく。ごく当たり前のことだがなかなか難しく、これを進めていけば、会社は強くなる」と述べ、コミュニケーションを重視して会社のかじ取りを担っていく考えを強調しました。

内田新社長との主なやり取りです。

Q:社長に選ばれてまずはどう思いましたか?

A:正直、光栄だという反面、日産は非常に厳しい環境にあり、社長になるというのは覚悟を決めていろいろと取り組むことだと思っています。日産のいま直面している課題をひとつひとつ新しい経営体制の中で論議を尽くして会社を引っ張っていくつもりです。

Q:ご家族は?

A:家族も応援してくれていますよ。

Q:海外経験が長いそうですが、どちらで生活したのですか?

A:幼少時代、エジプト・カイロにいました。中学高校時代は、マレーシアに5年。前職の総合商社で、フィリピンに5年5か月。日産に入社してから韓国に1年半。ついこの間まで中国に1年半いました。

Q:タガログ語が堪能だと聞きました。

A:当時、商社の合弁会社にいて、現地の方々が何を話しているのか、少しでも分かりたいと思ってタガログ語を勉強したのですが、実際、話していたのはほとんどは英語でした。タガログ語を知っているという姿勢を見せることで、現地の人と対話ができる、そういった経験をしました。

Q:日産もグローバルで展開していますね。

A:私が大事にしていることばが3つあります。「お互いを尊重する」、「透明性をもって、いろいろな課題を共有する」、これができると「信頼関係が生まれる」と信じています。ルノー・日産の購買部門を担当したときも、中国の合弁会社でも同じ精神でやってきました。

Q:「尊重」を大事にされるその思いとは何ですか?

A:多様な文化をもった従業員がいるのが日産の強い部分。互いに文化や事業が違う中、互いの立場になって聞き入れる文化を、私は「お互いに尊重する」と表現しています。「尊重する」という前提があり、透明性をもって課題を共有する、これができると信頼につながっていく。ごく当たり前だが、なかなか難しいものです。

Q:記者会見の中で「できないことをできるという文化」ということばが印象に残りました。“ゴーンさん時代”にそういう文化を肌身で感じていたのですか?

A:“ゴーンさん時代”というのが適切かわかりません。日産は、高い目標を常に追いながら、それが成功体験になって高い成長を遂げた。ただ、さらに高い目標、高い目標を求める環境になってきたのは事実で、過程の中でできないことをできるというふうに進めてしまった面もあるのではないか。社長として会社の経営を行う上では高い目標は必要だが、チャレンジできるものを共有できれば、それに向かって全社一丸で進めると思っています。そういった形で目標設定できる社風に変えていきたいと思っています。

Q:具体的にはどう進めますか?

A:事業改革の中で北米事業の見直しと投資の効率化を進めています。販売の質を高めることに大きくかじをきって、お客様を最優先にして、進めていくことが重要だと思っています。

Q:ルノーとの提携関係はどうなっていきますか?

A:アライアンスは日産の資産で、競争力の観点からもアライアンスの活動を進めています。今、アライアンスの議論で重要なのは、非常に厳しい状況である日産、それにルノーや三菱の状況に対し、おのおのの会社の売り上げや利益につなげるため、短期的に貢献できるかです。

Q:ルノーとの経営統合ありきではないという意味ですか?

A:それは形の問題であって、今、われわれが直面している問題は、それよりもまずは各社に対してどういう貢献ができるのか。今まで貢献したきたものをさらにどの分野を強くして進めるのかにフォーカスするということに尽きます。

Q:会見で「10年先は読めない」と発言されました。

A:短期・中長期的で見たときに、自動車業界は大きく変わっています。そのなかで日産の今の強い技術をどういった形で将来の自動車業界や社会に貢献できるできるのか、きちっと社内で論議し始めています。日産は将来どこを向いているのかをお話できる場を改めて作りたいと考えています。

Q:経営者としてのモットーや軸はありますか?

A:先ほどの3つのことばです。これを進めることで社内が活発化します。日産は一人一人がものすごく能力が高いと信じています。私はそういった日産に憧れて入ってきました。したがってそれをさらに強くするには、社内でも3つのことばを今後いろんな機会を捉えて皆さんと共有していきたいと思います。

Q:会見では「ワンチーム」と言いましたが、その思いは?

A:お互いの信頼が築ければ一つのチームになる。社内では「ワンボイス」ということばも使っていますが、同じチームとして、同じ方向性、考え方を掲げてまい進していきたいと考えます。

Q:多様性のある人材の中、リーダーシップをどう発揮していきますか?

A:部下とのコミュニケーションをいかにできるのかということだと思います。経営層、中間管理職や従業員などと話ができる場をこれから設定していきたい。多様性を持って会社を運営しているのできちっと相手の顔が見えて論議ができるような場を作らないと「経営者はどこに向かっているんだ」となります。経営者の考え方をきちっと共有して理解してもらってその方向に向かうことが非常に重要だと思います。

d1021.hatenadiary.jp