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アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは15日、ボーイング社が去年10月と、ことし3月に墜落事故を起こした737MAXについて、生産停止か、さらなる減産を検討していると伝えました。

737MAXをめぐっては今月11日、FAA=アメリカ連邦航空局のトップが「運航の再開時期は決まっていない」と議会下院で証言し、ボーイング社が目指していた来年早々からの運航再開は難しい情勢となっていました。

ウォール・ストリート・ジャーナルは「15日の時点で、まだ結論は出ていない」としていますが、減産はよりコストがかかるためボーイング社の経営陣の中では「生産停止が可能性の高い選択肢だ」とする見方が強まっているとも伝えています。

ボーイング社は、早ければ16日にも方針を発表する見通しだということです。

すでにボーイングは737MAXの減産を進め、業績の悪化が続いていますが、ウォール・ストリート・ジャーナルは、仮に生産停止や、さらなる減産を決めた場合は、アメリカの景気にも影響を与える可能性があると指摘していて、ボーイング社の判断が注目されています。

国土交通省によりますと、国内の航空会社は現在737MAXシリーズは運航していませんが、全日空グループが2021年度から最大で30機を順次、国内線に導入する計画を発表しています。

また、スカイマークも現在の737型機の後継機として、737MAXの購入を検討していることを明らかにしています。

737MAXシリーズの生産が停止した場合には、これらの会社でも機材の見直しなど計画に大きな影響が出る可能性があります。

737MAXをめぐっては、去年10月とことし3月にインドネシアエチオピアで相次いで墜落し、各国が運航を禁止するなどの対応が続いています。

事故の原因について、インドネシアの運輸当局は、ことし10月、調査報告書を公表していて、それによりますと、機体の姿勢を自動で制御する「MCAS」と呼ばれるシステムの設計に問題があったとしています。

ボーイングによりますと、737MAXは、従来機に比べてエンジンが大型化し、取り付け位置がわずかに前方に移動したため、従来機より機首が上がりやすい設計になっています。

このため、「MCAS」は離陸時などに機首が上がりすぎた場合にパイロットが操作しなくても自動で機首を下げ、飛行を安定させる目的で搭載されました。

しかし、報告書ではこのシステムは、機体の傾きを計測する機能を1つのセンサーだけに頼る設計になっていて、センサーに不具合が生じた場合は誤ったデータに基づいて機首を下げる設計上の問題があったと指摘しています。

そのうえで、このシステムに誤作動が起きた場合のシステムを停止する対処方法がマニュアルに記載されておらず、パイロットに十分に周知されていなかったなどとしています。

事故後、ボーイングは、2つのセンサーが計測したデータがほぼ一致した場合に作動するように改修したほか、パイロットや整備士向けのマニュアルの改訂を進めていました。

737MAXは、アメリカの航空機メーカー、ボーイングが力を入れる小型旅客機、ボーイング737シリーズの最新の航空機です。737MAXは、7から10までの4つの機種があるシリーズで、ことし2月末の時点で、5012機を受注し、376機を納入していますが、4600機以上の注文が残っています。

シリーズのうち、2度の事故を起こした737MAX8は、全長が39.5メートルあります。従来の737型機よりエンジンが大型化し、主翼の先端も空気抵抗を減らすため2つに分かれた独特の形をしていて、航続距離は従来機より最大800キロ余り伸び、燃費も14%向上しています。

LCC=格安航空会社が急激に増える中、近距離や中距離を採算よく運航できる機体は高く評価され、おととし、世界で初めてマレーシアの航空会社で運航が開始され、去年1年間では、ボーイングの旅客機の受注数で最も売れた機体でした。