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 9月8日、秋田市の県立武道館で催された「全国豊かな海づくり大会」の式典。例年同様、舞台上に両陛下が正面を向いて座り、その背後の高い位置に、日の丸、県旗、大会旗が掲げられるレイアウトだった。

 「国歌斉唱。ご起立願います」とのアナウンスが流れ、会場の参加者が一斉に立ち上がった。異変はこの時起きた。立ち上がった両陛下が示し合わせたように2人でくるりと後ろを向いて背中を見せたのだ。陛下が皇后さまに目配せをしたようにも見えた。

 後日宮内庁幹部に取材すると「陛下の行動のご真意は分からない。国民を大切に思い、共に歩むという点では、上皇ご夫妻と変わらないだろう」との立場。四大行幸啓とされる新陛下の地方訪問のうち、残る「全国植樹祭」「国民体育大会」「国民文化祭」は全て終了したが、いずれも日の丸が両陛下の前方にあったため、振り返るという動作はなかった。次にこの現象が起きるのは来年の「海づくり大会」まで待たなくてはならないのかもしれない。

 両陛下らの訪問先の都道府県が作成する「行幸啓誌」という写真集のようなものが宮内庁図書室に並んでいる。片っ端から開いて調べたところ、やはり上皇ご夫妻はこの式典ではいつも正面を向いていた。その姿は「日の丸を背負って君が代を受け止めている」ように見える。

 国歌である君が代の「君」とは、大日本帝国憲法下では天皇そのものを指し、歌詞は全体として天皇の御代をたたえるものとされた。戦後は国民主権の立場から、君が代に反対する声も強まったが、歌詞は古今和歌集に由来し、「君」は恋人などの大切な人を指すとの解釈もある。

 だが、1999年の国旗国歌法制定の際、政府は「『君』は日本国および日本国民統合の象徴である天皇」「歌詞は(天皇を象徴とする)わが国の末永い繁栄と平和を祈念したもの」との見解を示している。上皇夫妻が正面を向いていたのは、政府見解に従い、「君」である自分への歌を「受け止める」姿勢だったのかもしれない。

 この前例を覆した両陛下の行動をどう見るか。「君が代に背を向ける」格好になったことを重視し、「国と天皇との関係性を規定しかねない画期的変化」と語るのは、名古屋大大学院の河西秀哉准教授(日本近現代史)だ。「君が代は国民を戦争に動員するものとして歌われた歴史がある。歴史を研究する現天皇は、そうした負の側面を十分に理解しているのではないか。天皇になっても自分が君が代を受けるのではなく、国民と同じ視線と立場で共に国に敬意を表したと解釈できる」

 両陛下や宮内庁次長、侍従長女官長を含めた全員が同じ方向を見る姿は、あたかもサッカーやラグビーの「日本代表」たちが、胸に手を当てて君が代を聴くのと同じ光景のようだった。

 皇太子夫妻時代の両陛下についても調べてみると、今回と同じように後ろを振り返っている写真があった。だが、「君」ではない皇太子が参加者と同じように日の丸に目を向けるのは当たり前とも言える。

 国民の広範な議論のきっかけとなりうる重要なテーマなのに、なぜかメディアはこの出来事をほとんど報道していない。唯一、共同通信が10月10日に「特集」のような形で報じただけで、世間に広く知られているとは言いがたい。

 識者らの見方はさまざまだ。神道学者の高森明勅氏は「天皇は決して国民と同等ではないし、そうであってはいけない」との立場だが、今回の件は「国旗は国の最上位の公共性を表示するもの。陛下は公共性の究極の体現者として、それに敬意を表された」と評価する。

 「涙が出るような素晴らしい話だ」と感激するのは、安倍政権のブレーンともされる八木秀次麗澤大学教授(憲法学)。「連続性のある共同体としての日本国そのものを見上げるということであり、今現在はたまたま自分が国を預かっているという認識の表れだ。民の上にある立場でありながら、同時に『国民の父母』として国民に仕えようという意思も感じられる」と見る。

 一方、「国との向き合い方」という観点から懸念を示す識者もいる。放送大の原武史教授(政治思想史)は「どこまで意図的な行動か分からない」とした上で「天皇が率先して国旗国歌への向き合い方を見せることで、結果的に日の丸は必ず仰ぎ見るものだとの規範を示してしまうことにならないか」と語る。「国民の国への過剰な帰属意識を誘う危険もある」

 安倍政権を支える日本最大の右派組織とされ、地方行幸啓で沿道の人々に日の丸の小旗を配る活動もしている日本会議はどう見ているのか。取材を申し込んだが、1カ月後、「統一見解をまとめる予定はない」とのメールが届いただけだった。

 教育現場での日の丸と君が代の強制に反対する訴訟に加わっている大阪弁護士会の池田直樹弁護士は「日の丸を仰ぐと言っても、右派の求める戦前回帰的天皇像ではなく、自分はニュートラルで無色な天皇であるとのイメージ戦略を持っているように見える。そこが右派には気に入らない部分もあるのではないか」と話す。

 ただ、「天皇は公人中の公人」とした上で、「本人の意向だけで日の丸を見上げたのだとしても、自分の行動が社会に影響を与えてしまうことを考えれば、右派を利することにもなりかねないそうした行動は自重すべきだ」と危機感も示している。

秋篠宮ご夫妻の次女の佳子さまは、29日、25歳の誕生日を迎えられました。

佳子さまは、この春、国際基督教大学を卒業し、皇位継承に伴う一連の儀式に臨んだほか、さまざまな活動に取り組まれてきました。

ことし6月には秋篠宮妃の紀子さまが毎年臨まれてきた、優れた児童書に贈られる賞の贈呈式に初めて出席されました。

佳子さまは、すべての受賞作を読み時間をかけて推こうしたおことばを述べられました。

9月には初めての外国公式訪問として、日本との外交関係樹立150周年を迎えるオーストリアハンガリーを訪ねられました。

訪問前には専門家から話を聞き、本を読んで、訪れる国々の歴史や文化への理解を深められたということです。

宮内庁は、今後の佳子さまの務めについて「これまで同様、ひとつひとつの行事について、主催者からの願い出に基づきお出ましいただくか決めていくことになる」としています。

佳子さまは、29日午前、天皇皇后両陛下と上皇ご夫妻のお住まいを訪ねて誕生日のあいさつをされることになっています。

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