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イラクでは先月、アメリカ軍が、攻撃を受けて死傷者が出たことへの報復措置としてイランが支援するイスラムシーア派武装組織の拠点を空爆し、20人以上が死亡しました。

こうした中、攻撃を受けた武装組織を支持する民兵らが先月31日から首都バグダッドにあるアメリカ大使館の前で抗議デモを行い、大使館の受付の窓ガラスが割られるなどしたため、アメリカ軍の部隊が大使館に派遣されました。

アメリカのトランプ大統領イラク政府の暫定首相と電話で会談し、デモ隊から大使館を保護するよう求めたものの、イラク側は有効な手を打つことができず、1日になって民兵グループの指導層がデモ隊に引き揚げるよう呼びかけたことでデモは収束しました。

デモについてトランプ大統領ツイッターに「イランが仕組んだものだ」と投稿して非難していて、大使館に被害が出る異例の事態に発展したことでアメリカとイラン、それにイラクとの関係はことしも緊張をはらんだものとなりそうです。

イランの最高指導者のハメネイ師は1日、先月アメリカ軍がイランが支援する武装組織の拠点を空爆したことについてアメリカの悪事を強く非難する。イラク全土に広がる反米感情アメリカの犯罪行為に対する当然の結果だ」と述べて強く批判しました。

そのうえで、トランプ大統領イラクアメリカ大使館のデモを「イランが仕組んだ」と非難していることについて、ハメネイ師は「イランとは関係がない。イランがどこかの国と戦うと決めたならば、公然と戦う」と述べ、イランの関与を否定しました。

イスラエルの検察当局は去年11月、ネタニヤフ首相が地元の通信業者に便宜を図る見返りに、傘下のネットメディアに政権に好意的な報道をするよう要求していたとして首相を収賄や背任などの罪で起訴すると決定しました。

これに対しネタニヤフ首相は1日、記者会見を開き、「捜査はでっち上げだ。今後も国を率いていくため必要な措置を取る」と述べ、国会議員に認められた特権的な制度に基づき、議会に起訴を取り消すよう申し立てたことを発表しました。

今後、ネタニヤフ首相が起訴されるかどうかは議会の判断に委ねられることになりますが、その議会はことしの3月にこの1年間で3度となる異例の総選挙が行われる予定で、審議は選挙後に始まります。

このため、次の選挙でネタニヤフ首相率いる連立与党が過半数議席を獲得すれば10年に及ぶ政権の存続に加え、起訴の決定が取り消されることになるため、重要な争点として浮上することになりそうです。

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