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茂木外務大臣ポンペイ国務長官との会談は、日本時間の午前5時前からおよそ1時間20分行われました。

会談で茂木大臣は、安倍総理大臣の中東歴訪も踏まえ最新の中東情勢について意見を交わし、アメリカとイランが対立する中、緊張緩和に向けてすべての関係国が外交努力を尽くす必要があるとして、アメリカにも自制的な対応を働きかけたものとみられます。

また両氏は、ことしが日米安全保障条約の改定から60年の節目であることを踏まえ、日米同盟のさらなる強化をめぐっても意見を交わしたものとみられます。

イランは核合意から一方的に離脱したアメリカへの対抗措置として、合意の義務の履行を段階的に停止し、今月5日には核合意で定められた制限に従わずウランの濃縮活動を強化すると発表しました。

これを受けてフランス、ドイツ、イギリスの3か国の外相は14日、共同声明を発表し、「われわれに残された選択肢はない」として核合意で定められた紛争解決の手続きをとると発表しました。

紛争解決の手続きでは各国による合同委員会を立ち上げ協議を通じて核合意の違反について解決を目指し、解決できなかった場合は国連の安全保障理事会でイランへの制裁を再開するかを決めることになります。

声明で3か国は「われわれの希望はイランに核合意を完全に順守させることだ」と強調し、あくまで目的は核合意の維持だとしています。

これに対してイランは核合意で約束された経済的な利益が得られておらず、ヨーロッパの3か国こそ合意を守っていないと反発するものとみられます。

ヨーロッパはアメリカの離脱後もイランに一定の理解を示してきましたが、手続きの開始によってイランはいっそう厳しい立場に置かれることになります。

イランの核合意では、違反があった場合にそれを解決するための仕組み「紛争解決メカニズム」が盛り込まれています。

この仕組みではまず、合意の当事国であるイランとフランス、ドイツ、イギリス、ロシア、中国のいずれかが「合意違反がある」と認めた場合、すべての当事国が参加する合同委員会を立ち上げて解決を目指すことが決められています。

これで解決しない場合には、外相レベルなどによる協議を続けます。

これらの段階をへても当事国のいずれかが「重大な合意不履行が解消されない」と考えた場合、この国はみずから核合意の履行を停止することができるほか、国連の安全保障理事会に通告することができます。

安保理通告を受けてから30日以内に、イランへの制裁の解除を続けるかどうか採決します。

もしも採決の結果、制裁解除の継続が承認されない場合、または安保理が何らかの別の決定を行わない場合には、核合意が結ばれる前に国連がイランに科していた制裁がすべて再開されることになります。

イラン外務省のムサビ報道官は声明を発表し、この中で「制度を悪用するならば、各国はそれがもたらす結果を覚悟しなければならない」として、ヨーロッパ各国を批判するとともに手続きをとることが重大な結果を招くとして、警告しました。

一方、声明では「イランはこの国際的な合意を守るための善意や建設的な努力とは向き合うつもりだ」として核合意を崩壊させたくない考えも強調しています。

イランは、アメリカが核合意から離脱し制裁を発動させたことで合意で約束された経済的な利益が得られていないとして、ウラン濃縮活動を強化するなど段階的に制限を破る対抗措置をとり、さらなる措置としてIAEA国際原子力機関の査察を一部制限することなども検討してきました。

ヨーロッパ側が制裁の全面的な再開につながりかねない手続きをとったことで、イランとしては反発をいっそう強めることが予想されます。

フランス、ドイツ、イギリスの3か国の声明に先立ち、イギリスのジョンソン首相は14日公共放送BBCのインタビューに答えました。

この中で、「現在の核合意を無効にするなら、代替策が必要だ。『トランプ合意』に取り替えよう」と述べ、核合意から離脱したアメリカを交えた合意が必要だという考えを示しました。

アメリカのトランプ大統領は、前のオバマ政権下で締結された核合意に変わる、新たな合意を目指すべきだとしています。

これについてBBCは、「核合意は、アメリカが加われるような内容にすべきだと考えていることを示した発言だ」と伝えています。

一方、イギリスのラーブ外相は議会で紛争解決の手続きについて説明し、「イランに核合意を完全に順守させる」と述べて、あくまでイランの核開発に歯止めをかけることが目的だとしています。

イラク国防省によりますと14日、首都バグダッドの北のタージにあるアメリカ軍の部隊が駐留する基地に複数のロケット弾による攻撃がありました。

イラク国防省はこの攻撃によるけが人はいないと発表していますが、地元のメディアは一部のロケット弾が基地の外に着弾し、市民3人がけがをしたと伝えています。

イラクでは、アメリカによるイランの革命防衛隊、ソレイマニ司令官の殺害を受けてイランとつながりのある武装組織が報復を警告していて、今月8日のイランによる報復攻撃のあともアメリカ軍が駐留する基地などへの攻撃が相次いでいます。

今回の攻撃もイランの司令官殺害への報復とみられ、イラクを舞台にアメリカとイランの緊張が再び高まりかねない状況が続いています。

アメリカを訪れている河野防衛大臣エスパー国防長官と会談し、中東地域に自衛隊を派遣すると説明したのに対し、エスパー長官は感謝の意を示し、両氏は緊密な連携を確認しました。

会談はワシントン近郊の国防総省およそ1時間にわたって行われました。

この中で河野防衛大臣は緊張が続く中東地域の情勢について緊迫の度合いが高まることを憂慮していると伝えたのに対し、エスパー国防長官も事態の沈静化に努めたいと応じました。そのうえで河野大臣は緊張緩和と情勢の安定化のために粘り強く外交努力を続けるとともに、自衛隊護衛艦と哨戒機の派遣を命令したと説明しました。

これに対して、エスパー長官は感謝の意を示し、両氏は情報共有などを通じて緊密に連携していくことを確認しました。

また北朝鮮弾道ミサイルの発射について、両氏は地域の安全保障にとって重大な脅威だとしたうえで、あらゆる射程の弾道ミサイルの完全で不可逆的な廃棄に向け、国連安保理決議を完全に履行しなければならないという認識で一致しました。

また両氏は海洋進出を強める中国を念頭に、沖縄県尖閣諸島アメリカによる防衛義務を定めた日米安全保障条約の適用範囲だと確認しました。

一方、河野大臣は沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設について計画を見直した結果、沖縄県知事による設計変更の承認を得られた後に、さらに地盤改良や埋め立てなどにおよそ9年3か月かかると説明し、エスパー長官も辺野古への移設が唯一の解決策だとして理解を示しました。

両氏はこのあと行った記者会見で来年3月に関連する特別協定が期限を迎える在日アメリカ軍の駐留経費の日本側負担について話題に上らなかったことを明らかにしました。

このあと河野防衛大臣ホワイトハウスで安全保障政策を担当するオブライエン大統領補佐官とも会談し、中東や北朝鮮情勢をめぐって意見を交わしました。

会談のあと、河野防衛大臣は、アメリカのエスパー国防長官とそろって記者会見しました。

はじめに、河野大臣は、「ことしは、日米安全保障条約の署名60周年にあたる。この節目の年のはじめに日本の防衛大臣としてワシントンを訪れ、エスパー長官と日米同盟の強化について議論できたことを喜ばしく思う」と述べました。

そのうえで、河野大臣は自衛隊の中東派遣について、「日本が輸入している、ほぼ90%の原油が中東から来ていて、日本国民にとっても、航行の安全を確保することは国益につながる。憲法上の制約があるので、アメリカ軍などによる有志連合に参加することはないが、緊密に同盟国アメリカと連絡をとっていきたい」と述べました。

また、北朝鮮情勢について、「アメリカのイニシアチブ=主導を支持し、最大限の圧力をかけ続けたうえで、キム・ジョンウン金正恩)委員長を対話の席に連れ戻したい。願わくは、北朝鮮の国民のために正しい行動をしてもらいたい」と述べました。

さらに河野大臣は、在日アメリカ軍の駐留経費をめぐって、「まだ交渉を始める時期ではないし、きょうの会談でも話はなかった。在日米軍は日本を守っているだけでなく、インド太平洋地域における、非常に重要なアメリカの拠点でもあると思うので、そうしたことが十分に検討されていくことになるだろう」と述べました。

恒常的なFCLP=空母艦載機着陸訓練の施設整備について、河野大臣は「候補地となっている馬毛島について、日本政府による土地の取得に関する最近の進展を歓迎するとともに、引き続き日米で緊密に協力していくことで一致した」と述べました。

アメリカのエスパー国防長官は記者会見で、「アデン湾とオマーン湾、そしてアラビア海自衛隊を派遣した日本の決定を歓迎する。航行と経済活動の自由を守るため、日米で引き続き情報を共有するとともに、中東地域で緊密に連携したい」と述べ、日本政府の対応を歓迎しました。

また、エスパー長官は北朝鮮情勢について「北朝鮮の動向を日本、韓国とともに注視している。3か国で非常に緊密な連携を続けることで、北朝鮮側に外交的な解決が最善の道でありキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が何をしようとも、今夜にでも戦う準備ができているというメッセージを送り続けることが重要だ」と述べ、日米韓3か国の連携の重要性を強調しました。

茂木外務大臣は、日本時間の15日未明、訪問先のアメリカのサンフランシスコ郊外で、日米韓3か国の外相会合に出席しました。

会合では、北朝鮮の完全な非核化に向けて米朝協議の継続を支持するとともに、国連安保理決議に基づく制裁の緩和は時期尚早であり、決議を確実に履行していく重要性で一致し、今後も日米韓3か国が緊密に連携していくことを確認しました。

このあと茂木大臣は、ポンペイ国務長官と個別に会談しました。

この中で、アメリカとイランの対立が続く中東情勢について「緊迫の度を高めていることを深く憂慮している。すべての関係者に緊張緩和のための外交努力を尽くすことを日本として求めており、アメリカの自制的な対応を評価している」と述べ、中東地域の緊張緩和と情勢の安定化に向けてアメリカ側にも自制的な対応が重要だという考えを示しました。

これに対し、ポンペイオ長官は「日本のこれまでの取り組みを評価している」と応じ、両氏は、事態の深刻化を回避し外交努力を尽くしていくことが重要だという認識で一致しました。

会談後、茂木大臣は「中東情勢について突っ込んだやり取りを行い、率直な意見交換ができた。粘り強い外交努力を継続したい」と述べました。

韓国のカン・ギョンファ外相は14日、アメリカのサンフランシスコ近郊で開かれた日米韓3か国の外相会合に合わせ、ポンペイ国務長官と個別に会談しました。

会談後、カン外相は記者団に対し、中東のホルムズ海峡などの安全を確保するためとしてアメリカが主導して活動している有志連合をめぐり、アメリカの構想と参加国について詳しく聞いた」と述べ、ポンペイオ長官から詳しい説明を受けたことを明らかにしました。

そのうえでカン外相は「韓国は原油の70%を中東地域に依存しており、大きな関心を持って寄与していくという立場を伝えた」とする一方、「部隊の派遣は、政府レベルの議論が続くだろう」として、韓国の部隊を派遣するかどうかについては慎重な姿勢を示しました。

韓国では、アメリカとの同盟関係を考慮し、部隊を中東地域に派遣すべきだという意見がある一方で、イランとの関係に配慮し、派遣に反対する声もあがっていて、部隊派遣の是非は、政治的な争点となっています。

ロシアのラブロフ外相は14日に行った記者会見で、アメリカがイランのソレイマニ司令官を殺害したことをきっかけに両国の対立が先鋭化していることを受けて、フランスや日本の首脳が情勢の安定化に向けて動き出していると指摘しました。

そのうえで「われわれも支援の用意がある」と述べ、今後ロシアとしても積極的な役割を果たす考えを強調しました。

今回の両国の対立についてロシアの新聞などは、中東でのアメリカの影響力の低下につながっただけでなくイランにとっても打撃となったと伝え、結果としてロシアに有利に働いたという見方が広がっています。

こうした中プーチン大統領が今月7日にシリアのアサド大統領、翌日にはトルコのエルドアン大統領と会談したのに続き、11日にはドイツのメルケル首相と中東情勢をめぐって協議するなどすでに活発な外交を展開しています。

ロシアとしてはこの機をとらえて中東での影響力を拡大させるため中東情勢への関わりをいっそう強めるとみられます。

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