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シリア北西部のイドリブ県では、アサド政権の軍が後ろ盾となっているロシアの支援を受けながら、反政府勢力への攻勢を強めていて、軍は、29日、県の第2の町、マーラト・ヌーマンを制圧したと発表しました。

マーラト・ヌーマンは、首都ダマスカスと北部のアレッポを結ぶ交通の要衝で、2012年から反政府勢力の支配地域となっていましたが、アサド政権軍が奪還したことで、反政府勢力に対する包囲網を大きく狭めることになります。

一方、アサド政権側の空爆などで市民の犠牲が後を絶たないうえ、国連によりますと、先月からの攻撃によって住民およそ35万人が家を追われるなど人道的な危機が深まっています。

この地域をめぐっては、今月中旬に反政府勢力を支持する隣国のトルコとロシアの合意に基づいて、いったんは戦闘が停止されましたが、僅か3日で停戦が破られ戦闘が再燃しています。

避難する人々の多くはトルコとの国境に向けて逃れ、アサド政権に対するトルコの強い反発を招いていて、事態のさらなる悪化が懸念されます。

トルコの政府系通信社のアナトリア通信によりますと、トルコのエルドアン大統領は29日、シリア北西部でアサド政権の軍が攻勢を強めていることについて、「われわれの我慢も限界に来ている。攻撃をやめないのなら必要な措置をとる」と述べ、アサド政権や後ろ盾となっているロシアを強くけん制しました。

アメリカのトランプ政権は28日、イスラエルパレスチナの長年の紛争を解決するためとして独自の中東和平案を発表しましたが、国際法に違反して建設されたユダヤ人入植地のほとんどをイスラエルの領土とするなど、イスラエル寄りの姿勢を鮮明にした内容になっています。
これを受けて、パレスチナ側は、和平案を断固拒否するとして抗議デモを呼びかけ、29日、パレスチナ暫定自治区の主要都市、ラマラやヘブロンなど少なくとも6か所で抗議デモが行われました。

このうち、ベツレヘムではおよそ200人がパレスチナの将来の首都はエルサレムだけだ」と書かれた横断幕を掲げてデモ行進し、周囲で警戒にあたるイスラエル軍に向けて投石を繰り返し、イスラエル軍が多数の催涙弾を発射して鎮圧にあたりました。

一連の衝突では、イスラエル軍が実弾を発砲するなどして、3人がけがをしました。

パレスチナ側は31日の金曜礼拝に合わせて、大規模な抗議デモを行うものとみられ、トランプ政権による中東和平案の発表をきっかけに、双方の衝突が拡大することが懸念されます。

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