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内戦が続くシリアでは今月3日、反政府勢力の最後の拠点である北西部イドリブ県を攻撃していたアサド政権の軍が、反政府勢力を支援する隣国トルコの駐留部隊に対し砲撃を行い、トルコ軍の兵士ら8人が死亡しました。

トルコ軍は直ちに反撃し、アサド政権側の合わせて76人を死傷させたとしています。

トルコのエルドアン大統領は、アサド政権の後ろ盾になっているロシアのプーチン大統領と対応を協議したうえで、5日演説し、「今月中にアサド政権の軍が退却しなければトルコ軍が独自に押し返すとプーチン大統領に伝えた」と述べ、トルコ軍が排除に乗り出す構えを見せました。

トルコはこれまで、ロシアの立場を尊重してアサド政権の軍との衝突を回避してきましたが、アサド政権側が停戦を無視してイドリブ県の反政府勢力の攻略を進め、数十万人もの避難民がトルコ国境に押し寄せていることにいらだちを強めています。

エルドアン大統領は、アサド政権に対し、イドリブ県の南端まで退却するよう要求していますが、アサド政権の軍はすでに県の中央部に達していて、今後緊張がさらに高まりそうです。

シリアのアサド政権は、5日、国営通信を通じて、「トルコのエルドアン大統領がシリアでの行為についてうそをつき続けていることを強く非難する」とする声明を出し、トルコによるシリア北部への軍の展開はアサド政権側の合意がないままに行われているとして、強い不快感を示しました。

そのうえで、エルドアンが行っているのはテロリストの集団を守ることだ。こうした敵対的な政策は、トルコへのわずかな信頼を失わせ、悲惨な失敗を招く」として、シリア国内で活動するトルコ軍をけん制しています。

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