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アメリカのトランプ政権が国際法に違反して建設されたユダヤ人入植地のほとんどをイスラエルの領土とするなど、イスラエル寄りの姿勢を鮮明にした独自の中東和平案を発表したことを受けて、アラブ連盟は1日、エジプトの首都カイロで緊急の外相会議を開きました。

会議には、パレスチナ暫定自治政府アッバス議長も出席し和平案を改めて断固拒否したうえで、イスラエルアメリカに対し「治安協力を含めあらゆる関係を絶つことになるだろう」と述べ、治安情報の提供などの協力を打ち切ると警告しました。

このあと和平案への対応が協議され、アラブ連盟パレスチナの人々の最低限の権利も満たしていない」として和平案を拒否し、その推進には協力しないとする決議を全会一致で採択しました。

アラブ連盟としてパレスチナへの連帯で結束を保った形ですが、和平案の発表を受けてアメリカとの関係が深い湾岸諸国やエジプトが前向きに評価する声明を発表するなど各国の立場には温度差があり、決議にはパレスチナへの具体的な支援策などは盛り込まれませんでした。

イラクでは去年10月以降、失業や汚職の問題などを背景に政治の刷新を求める大規模な反政府デモが続き、これまでにおよそ500人が死亡していて、アブドルマハディ首相が辞任するなど混乱が広がっています。

こうした中、サレハ大統領は1日、国内で多数派を占めるイスラムシーア派で、かつて通信相を務めたムハンマド・アラウィ氏を新たな首相に指名しました。

指名を受けてアラウィ氏は、デモの参加者が求める変革を支持する考えを強調したうえで、今後の組閣に向けて各政治勢力に協力を求めました。

イラクでは長期化するデモに加え、アメリカが首都バグダッドでイランの司令官を殺害するなど双方の対立の舞台となり、アメリカ軍の撤退を求める声も高まっています。

また、国内の政治勢力の間では、民族や宗派間の利害も絡みアメリカやイランとの距離感をめぐる対立も抱える中、アラウィ氏が早期に新たな政権を発足させ混乱の収束につなげられるかは不透明な情勢です。

派遣されるのは海上自衛隊護衛艦「たかなみ」で、2日午前、横須賀基地で、安倍総理大臣も出席して出発式が行われました。

この中で、派遣部隊の指揮官を務める稲葉洋介1等海佐が中東地域への出発を報告しました。

護衛艦は隊員が乗り込んだあと、午前10時半すぎ、家族らが見送る中、出港しました。

護衛艦にはヘリコプター2機を搭載し、部隊は隊員およそ200人で編成され、イランとアラビア半島の間にあるオマーン湾などで、日本に関係する船の安全を確保するために必要な情報収集にあたります。

今回の中東地域への派遣では、P3C哨戒機の部隊が先月からソマリア沖のアデン湾で、海賊対策の活動と並行して情報収集の任務にあたっています。

今回は、防衛省設置法の「調査・研究」に基づいて1年単位の長期間にわたり、海外に自衛隊が派遣される初めてのケースで、日本に関係する船が襲撃されるなど、不測の事態が発生した場合には、海上警備行動を発令して、対応するということです。

「たかなみ」は、今月下旬に現場海域に到着して、任務を始める予定です。

出発式で安倍総理大臣は派遣される隊員に訓示し「諸官がこれから赴く北アラビア海オマーン湾は年間数千隻の日本関係船舶が航行し、わが国で消費する原油の約9割が通過する。日本国民の生活を支える、大動脈、命綱といえる海域だ。日本関係船舶の安全を確保することは、政府の重要な責務であり、そのために必要な情報収集を担う諸官の任務は、国民の生活に直結する極めて大きな意義を有する」と述べました。

そのうえで「わが国は米国と同盟関係にあり、同時に、イランを含む中東各国と長年良好な関係を築いてきている。イランのロウハニ大統領に自衛隊派遣について直接説明し、わが国の意図について理解を得た。今後も、こうした日本ならではの外交努力を尽くす」と述べ、引き続き、中東の緊張緩和に向けた外交努力に取り組む考えを示しました。

派遣部隊の指揮官を務める稲葉洋介1等海佐は2日、出港を前に、記者団に対し「しっかり準備をしてきたので、今回の任務に万全の態勢で臨めると思っている。日本船舶の安全確保のために情報収集活動をしっかりやっていきたい」と述べました。

そのうえで、不測の事態への対応については「事態や対象船舶によって対応できる内容が異なるが、それについてはしっかり教育訓練をしてきた。教育訓練を踏まえ必要な対応はやりたい」と述べました。

今回は「調査・研究」に基づく派遣で、不測の事態が発生した場合には海上警備行動を発令して対応することになっていますが、保護するのが日本船籍の船か、襲撃を行っている相手が誰かによって武器の使用などの対応が異なり、状況によっては難しい判断を迫られることになります。

◎保護対象が日本船籍
防衛省によりますと、このうち日本船籍の船に対する襲撃の場合、まず、相手の船に対し、無線や拡声機を使ってさまざまな言語で呼びかけて所属や目的を確認し、行為がやまない場合には停船などを要求し、それに従わない場合には武器の使用を警告します。

それでも従わない場合、必要と認められる範囲内で警告射撃などの武器の使用を行うことができます。

◎保護対象が日本船籍以外
一方、外国船籍の船に対する襲撃の場合、日本人が乗っている船や日本の会社が運航する船など日本が関係する船であったとしても、武器の使用は難しいということです。

防衛省は「船の保護は船籍を登録している国が行う」という国際法上の原則があるためだと説明していて、外国船籍の日本関係船舶の場合は、相手の船に近づいて襲撃をやめるよう呼びかけるなど強制力を伴わない範囲で、できるかぎりの対応をとるとしています。

◎国などによる襲撃の場合
また、襲撃を行っている相手が国や国に準ずる組織だった場合、武器を使用することは海上警備行動の権限を超えるとしています。

去年6月に、ホルムズ海峡付近でタンカーが攻撃を受けた事件では、イランやイランの「革命防衛隊」の関与をアメリカなどが指摘していますが、こうした場合には武器を使用することは困難だとしています。

自衛隊の中東地域への派遣について、去年まで海上自衛隊自衛艦隊司令官を務めた元海将の山下万喜さんに聞きました。

「調査・研究」に基づく派遣については、「海上自衛隊では日頃、わが国周辺の日本海東シナ海で何が起こっているか情報収集しながら緊迫した環境のなかで警戒監視を続けていて、今回の活動は、その延長線上にあると認識している」としています。

そのうえで、「行動をどこまでやっていいのかという行動基準に従って、何をしたらいいのかをずっと怠らずに検討し、必要なら訓練をすることが、極めて重要な注意点だ。現場部隊が何かを判断しなければいけないところで迷わないようにしていくことがこれから重要だ」と指摘しています。

また、海上自衛隊の任務が増えていることについて、「1隻増やして派遣するということはどこかにインパクトがあると言わざるをえない。任務そのものも余裕がなくなってきているのではないかと思う。任務が増加しているなかで、いかに隊員の練度を保ちながら安全を確保するか、そのバランスが大事で安全をおろそかにするような状態になってはいけない」と指摘しています。

海上自衛隊では、中国の海洋進出や北朝鮮弾道ミサイルへの対応などを背景に任務が増えています。

海上自衛隊の艦艇は、日本周辺の海域でふだんから警戒監視を行っていて東シナ海では、中国海軍の尖閣諸島周辺での活動など海洋進出の活発化を背景に、継続的な警戒にあたっています。

また、3年前から国連の安保理決議に反して北朝鮮の船舶と外国の船舶が洋上で物資を積み替えるいわゆる「瀬取り」の警戒のため監視にあたっています。

さらに、防衛省関係者によりますと、北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射を受け、去年11月以降、イージス艦を日本周辺の海域に展開させて警戒にあたっています。

これに加えて、今回、新たに中東地域に護衛艦1隻が派遣されるのに伴い、次の派遣に備えて別の護衛艦も準備の態勢をとる必要があるということで、艦艇の運用がさらにひっ迫すると指摘されています。

海上自衛隊トップの山村浩海上幕僚長は、先月の記者会見で、「新たに1隻、海外に派遣することで装備のふり回しは厳しくなる。国内で通常行っている業務を削ることも検討している」と述べています。

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