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ロシアのプーチン大統領が示した憲法の改正案について、議会の上下両院は11日、最終的な審議を行い、可決しました。

改正案では、大統領の任期について、「2期を超えて就任できない」とされているものの、現職の大統領などの任期は計上されないとされ、プーチン氏の大統領選挙への立候補の可能性を残す内容となっています。

このほか、改正案では、「祖国を防衛した人たちの記憶を尊ぶ」と記され、第2次世界大戦に戦勝した歴史を守る必要性や、同性による婚姻を認めないことなど、プーチン大統領愛国主義や保守的な考えが色濃く反映されています。

一方、改正案では、「領土の割譲は認められない」とする条文が盛り込まれましたが、国境線を画定するなどの行為は禁止項目から除外されていて、日本との平和条約交渉などに影響を与えない姿勢を示したものとみられます。

ソビエト崩壊後の新生ロシアで1993年に憲法が制定されて以降、最も大きい改正で、今後、プーチン大統領による署名などを経て、来月22日に行われる見通しの国民による投票で改正の是非が問われます。

首都モスクワでは、11日、議会下院の前で、野党の支持者が、憲法改正に反対する抗議活動を行いました。

抗議活動を行ったのは改革派の野党「ヤブロコ」の党員や支持者で、集会を規制する法律に触れないよう、ひとりずつ、黙ってプラカードを掲げ、憲法改正に反対の意思を示しました。

参加した20代の男性は、物心がついたころからずっとプーチン体制が続いていると批判したうえで、「これ以上独裁が続くことに断固反対する。国を永遠に統治するため、プーチン氏の任期をさらに延長することなど絶対に許せない」と話していました。

ロシアの憲法改正案には、領土をめぐる新たな条文も盛り込まれました。

このなかでは「領土の割譲やこうした行為を呼びかけることを認めない」とされた一方で、「国境線の画定や再画定」については除外されるとしています。

この領土割譲を禁止する内容は、先月、憲法改正に関する会合で委員の1人が提案したものですが、プーチン大統領は、外務省が行う国境線の画定交渉は妨げない方針を示していました。

この背景について、ロシア政府の高官はNHKに対して、日本と平和条約交渉を進めていることもあったと認めています。

また、改正案では国家が直接管理する「連邦領」を設置することができるとされています。

連邦領はこれまでの憲法に規定のあった共和国や州などとは別に国家が直轄する領土で改正案に初めて規定が盛り込まれました。

連邦領の具体的な統治などは、別途、法律で規定されることになっていますが、ロシア政府の高官はNHKに対して、安全保障や環境保全などの観点から特別な管理が求められる領土が「連邦領」の対象だとしています。

そのうえで、NATO北大西洋条約機構の加盟国に囲まれている飛び地のカリーニングラードや、バイカル湖を含む地域、それに北方領土なども含まれる可能性を指摘しました。

議会で可決されたロシアの憲法の改正案のうち、
▽大統領の任期を定めた条文では「同じ人物が2期を超えて務めることはできない」としているものの憲法が改正された時点で就任している人物については過去または現在の任期を考慮せず、大統領職に就任する可能性を排除しない」として、すでに通算4期にわたって大統領を務めているプーチン氏が将来、大統領選挙に立候補する可能性を残す内容となっています。

▽さらに退任後の大統領「不可侵の権利を有する」として、プーチン氏が生涯にわたって不逮捕特権を持つことが明記されています。

▽大統領の人事権については「大統領は、首相候補者を議会下院に提案し、下院の『承認』を得て任命する」とされ、大統領が首相を任命する際の下院の役割は、これまでの『同意』から『承認』へと変わり、下院の権限が相対的に強まるものとみられます。

▽また、これまで大統領の諮問機関だった「国家評議会」の役割について初めて憲法で規定し、「内政・外交の主要な方針や国家の社会経済発展の優先的な方針を決定する」と大きな権限を与えました。

憲法国際法の関係については、憲法裁判所の役割を示した条文が大きく修正され、「ロシアの憲法に合致しない国際条約は効力を発揮せず、適用されない。また憲法裁判所が認めた法令や個別の規定を異なる解釈で適用してはならない」として、条約の解釈をめぐって他国と対立した時、ロシアの憲法の規定や憲法裁判所の解釈を優先することが記されました。

さらに「国際機関の決定が、その解釈においてロシアの憲法と矛盾する場合、憲法裁判所が決定の履行が可能か否かの解決にあたる」として、国外の裁判や国際的な仲裁裁判で、ロシアに不利な判決が下された場合必ずしも従わない姿勢を示しています。

▽このほか、旧ソビエトウクライナやバルト3国などで暮らすいわゆるロシア系住民を「同胞」と規定したうえで「国外に住む同胞の権利を実現し、利益を保護するため支援を行う」と明記し、ロシア系住民の保護を名目に、周辺国への圧力を強めるねらいがうかがえます。

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