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滋賀県彦根市西山美香さん(40)は平成15年に看護助手として勤務していた東近江市の湖東記念病院で72歳の男性患者が死亡したことをめぐり、人工呼吸器を外して殺害したとして懲役12年の刑で服役したあとになって再審が認められ、先月から大津地方裁判所でやり直しの裁判が行われていました。

判決の言い渡しは午前10時半から始まり、大西直樹裁判長は冒頭で「西山さん」と名前で呼びかけたあと無罪を言い渡しました。

このあと裁判長は争点となった患者の死因について不整脈やたんがつまって死亡した可能性があるとしたうえで、「そもそも事件性を認める証拠がなかった」と判断しました。

またもとの裁判で有罪の根拠となった捜査段階での自白について、「警察の見立てに合うように変遷していて信用できない。取り調べを担当した警察官には自白を誘導する意図があったと推認される」と指摘し、信用性や任意性はないとして証拠から排除しました。

西山さんは午前10時すぎに弁護団とともに大津地方裁判所に着きました。裁判所前には多くの支援者が集まり、西山さんは「真っ白な無罪判決を」と書かれた横断幕を手に法廷に向かいました。報道陣からの問いかけに西山さんは「どんな判決をもらえるのかドキドキしています」と話していました。

そして、判決が言い渡された直後の午前10時半すぎ、裁判所から出てきた弁護士2人が「再審無罪」と書かれた紙を掲げると、集まった支援者からは拍手とともに歓声が上がりました。

津地方裁判所では、判決を見届けようと多くの人が集まり、午前9時半前から抽せんのため整理券が配られました。傍聴席は新型コロナウイルスの感染防止対策として15席に減らされましたが、これに対し傍聴を希望した人は326人にのぼり、倍率はおよそ22倍になりました。

大阪 岸和田市から来たという支援者の70代の女性は「これまでずっと応援してきた西山さんを最後まで見届けたいと思って並びました。司法にはさまざまな課題があると思いますがこれを機に改善されていけばいいです」と話していました。

また、神戸市から来たという支援者の70代の男性は「人生の大切な時間を奪われて長いこと苦しんできた西山さんの無罪判決をぜひこの目で見届けたいと思ってきました。この判決は、全国にいるえん罪の被害者が勇気をもらうものになる」と話していました。

平成15年5月、滋賀県東近江市にある湖東記念病院で72歳の男性患者が死亡しているのが見つかりました。「患者の人工呼吸器のチューブが外れていた」という証言があったことから、警察は業務上過失致死の疑いで捜査を始めました。

その1年余りあと、病院の看護助手だった西山美香さんが殺人の疑いで警察に逮捕されました。「人工呼吸器のチューブを外した」と自白したことがきっかけでした。

裁判で西山さんは「精神状態が不安定でうその自白をした」として無罪を主張しました。しかし、1審の大津地方裁判所は「捜査段階の供述は詳細かつ具体的で信用性が極めて高い」として懲役12年の判決を言い渡し、平成19年5月、最高裁で確定しました。

西山さんは和歌山刑務所に服役していた平成22年9月、1度目の再審請求を行い、最高裁まで争いましたが、認められませんでした。

平成24年9月、西山さんは2度目の再審請求を行い、大阪高裁で争っていた平成29年8月、刑期を終え、刑務所を出ました。

出所から4か月後、大阪高裁は再審を認める決定を出しました。医師による鑑定書などの新たな証拠から患者の死因が人工呼吸器が外れて酸素の供給が途絶えたためとは断定できず、不整脈による病死だった可能性があるとして、事件性そのものが疑われるという判断を示し、去年3月には最高裁も再審を認めました。

再審は2月に始まり、弁護側が新たな証拠による患者の病死と警察によるうその自白の誘導を主張したのに対し、検察側は、有罪の立証を断念して求刑も行わず、西山さんに無罪が言い渡されることが確実となりました。

現在、西山さんは工場で働きながら服役中の生活を支えてくれた高齢の両親と一緒に暮らしています。

事件発生から17年。長い年月を経て西山さんは訴え続けてきた無罪判決にたどりつきました。

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で平成15年、男性患者=当時(72)=の人工呼吸器を外し殺害したとして殺人罪で懲役12年が確定、服役した元看護助手の西山美香さん(40)の再審公判で31日、大津地裁が無罪判決を言い渡したことを受け、滋賀県警の担当者は報道各社の取材に「真摯(しんし)に受け止め、今後の捜査に生かしてまいりたい」と述べた。

 担当者は判決について「評価する立場にはない」としつつ、「問題点のある違法な捜査だったとは思えない」との見解を示した。

 報道陣からは「今でも西山さんを犯人だと思っているのか」「冤罪(えんざい)ではないという認識か」などの質問も相次いだが、「コメントは差し控える」とした。

 また、大津地検の山上真由美次席検事は産経新聞の取材に「結果として西山さんが長年にわたって服役された後、再審で無罪判決に至ったことについては遺憾」などと話した。

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