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フランス国防省によりますと、大西洋を航行中のフランス軍空母「シャルル・ドゴール」で、乗組員およそ40人が新型コロナウイルスに感染したとみられる症状を訴えているということです。感染が疑われる乗組員は船内で隔離され、経過観察が行われていますが、今のところ症状は重くないということです。

国防省は、専門の医療チームを派遣して乗組員の診察にあたるとともに、感染が広がらないよう消毒など必要な措置をとるとしています。

国防省によりますと、空母は、ことし1月にフランス南部の母港トゥーロンを出港し、シリアやイラクで行っている対テロ作戦や、大西洋でのアメリカ軍などとの演習に参加していました。

地元メディアは、軍の関係者の話として、空母は先月15日に大西洋に面したフランス西部の軍港に寄港して以来、港には立ち寄っておらず、乗組員がどのように感染したか、現時点ではわかっていないと伝えています。

新型コロナウイルスをめぐっては、アメリカ海軍の原子力空母でも集団感染が起きています。

フランス大統領府は8日、先月17日から全土で行われている外出制限について、今月15日までとしていた期限を延長することを明らかにしました。

マクロン大統領が来週月曜日に演説を行って正式に発表するということです。いつまで延長するかについては今のところ明らかにしていません。

フランスでは8日、新型コロナウイルスで亡くなった人が新たに500人以上増えて1万869人となり、ここ数日で死者が急増しています。さらに集中治療室で治療を受けている重症患者は7148人に上っていて8日記者会見した保健省のサロモン保健総局長は「記録的な数字だ」と述べ、対応する病院が極めて厳しい状況にあるという認識を示しました。

そのうえで外出制限を守ることが最も有効な武器だと改めて強調し、不要不急の外出を避けるよう呼びかけています。

フランス政府は外出制限の開始から3週間以上がたっても感染拡大に歯止めがかからないことから制限を継続することが欠かせないと判断したものとみられます。

新型コロナウイルスの感染状況について8日、記者会見したWHOヨーロッパ地域事務局のトップ、クルーゲ事務局長は、ヨーロッパで亡くなった人のうち3分の2が男性だったと明らかにしました。男性のほうが女性よりも致死率が高い理由は明らかになっていません。

クルーゲ事務局長は、ヨーロッパはいまだに感染の広がりが深刻だという見方を示したうえで、「今はまだ、感染拡大を防止するための対策を緩める時ではない」と述べ、引き続き、外出制限の措置などによって感染拡大を防ぐ努力をしていくべきだという考えを示しました。

EU域内では、新型コロナウイルスの感染を抑え込むため、各国が外出禁止などの措置をとっていて、経済への影響が深刻化しています。

この対策を打ち出すため、EUは7日、ユーロ圏財務相会議を開き、資金繰りが厳しい加盟国に融資するEUの既存の枠組みや、ユーロ圏の各国が共同で発行して資金を調達する「ユーロ共同債」の発行などについて協議しました。

会議では、加盟国が債務を抱えることに慎重なオランダなどの北ヨーロッパ諸国と、強力な支援策を求めてきたイタリアやスペインなど南ヨーロッパ諸国の意見が対立し、各国は16時間にわたって妥協点を探りましたが、融資の条件などをめぐって最後まで折り合えませんでした。

会議のあと、スペインの閣僚は「これはEUの今後が問われている問題だ」と述べ、緊急時にも結束できない現状に強い不満を表明しました。

EUは、これまで連帯して新型コロナウイルスに対応していくことを強調してきましたが、各国間の亀裂が改めて浮き彫りとなっています。

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