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トランプ大統領は21日、ツイッターへの投稿で「国内の石油と天然ガスの業界を決して失望させない。重要な会社と雇用が将来にわたって守られるよう、エネルギー長官と財務長官に資金支援の計画をつくるよう指示した」と述べ、公的支援を検討する方針を明らかにしました。

アメリカのエネルギー関連企業は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で原油価格が急落して採算が取れなくなり、経営環境が急速に悪化しています。

このため今後の投資額を大幅に減らすなど対応を進めていますが、世界的な需要の減少で当面原油価格が持ち直すことは期待できない状況です。

トランプ大統領としてはアメリカを代表する産業で大量の失業者を生むような事態は避けたい考えですが、アメリカ国内での積極的な生産が世界的な原油あまりの一因となっただけに、企業に対する過度な支援はサウジアラビアやロシアなどほかの産油国の反発を招くおそれもあります。

原油価格の低迷は、アメリカのエネルギー産業を直撃しています。

南部テキサス州を中心にしたアメリカのシェールオイル業界は、1バレル=50ドル前後が採算ラインとも言われているため、各企業の経営は一気に悪化しています。

今月1日には、シェールオイルの開発や生産を手がける企業、「ホワイティング・ペトロリアム」が経営破綻に追い込まれていて、このままではこうした破綻が相次ぐという指摘もあります。

また、原油価格の低迷は、エネルギー関連の株価の下落などを招き、金融市場の動揺にもつながっています。

こうした中、アメリカを代表する産業で大量の失業者を生むような事態を避けたいトランプ大統領は21日、「国内の石油と天然ガスの業界を決して失望させない。重要な会社と雇用が将来にわたって守られるよう、エネルギー長官と財務長官に、資金支援の計画をつくるよう指示した」ツイッターに投稿し、公的支援を検討する方針を明らかにしました。

ワシントンに本部があるIMF国際通貨基金のトップ、ゲオルギエワ専務理事はNHKのインタビューで、原油市場の見通しについて「新型コロナウイルスによる世界経済の縮小を考えると、今後も原油価格は低い水準が見込まれるが、1バレル=35ドル前後には戻ると予想している。パンデミックを克服して経済の回復への道筋をつけることが何より望ましい」と述べました。

国際的な原油価格はニューヨーク市場で20日先物価格が事実上買い手がつかないマイナス圏となったほか、21日にはロンドン市場でもおよそ18年5か月ぶりの安値にまで下落しました。

こうした事態を受けて、来月から大規模な減産を実施する予定のOPECや非加盟の産油国のうちアルジェリアなどが21日に非公式にテレビ会議を開き、対応策を協議しました。

しかし、ロイター通信は鍵を握るサウジアラビアやロシアは参加しなかったと伝えていて、今回の会議では減産の開始を早めるといった打開策は打ち出されませんでした。

一方、IEA=国際エネルギー機関のビロル事務局長は21日、原油市場の安定化に向けてOPECなどに対し、減産の速やかな実施のほか、供給過剰を解消するため減産規模の拡大を改めて促しました。

記録的な原油安の長期化はサウジアラビアなど産油国の財政に深刻な打撃となるだけに、今後の対応に注目が集まっています。

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