米 南北戦争の南軍司令官の銅像撤去へ デモ受け州知事が表明 #nhk_news https://t.co/AYgsJ3lGFa
— NHKニュース (@nhk_news) 2020年6月5日
バージニア州のノーサム知事は、4日記者会見し、州都リッチモンドに設置されている、南北戦争の南軍の司令官だったリー将軍の銅像を近く撤去することを明らかにしました。
その理由について、ノーサム知事は、黒人男性が白人警官に押さえつけられて死亡した事件に抗議する大規模なデモが続いていることに言及し、「今こそ、分断の象徴を取り除き、差別の苦痛から癒やされる時だ」と述べ、奴隷制の存続を主張した南軍を率いた将軍の銅像は差別の象徴であるとの考えを示しました。
アメリカでは、南部を中心に南北戦争の南軍に関する銅像やモニュメントが設置されていますが、近年、黒人団体から撤去を求める動きが出ています。
3年前にはバージニア州のシャーロッツビルにあるリー将軍の銅像の撤去計画をめぐって反対する白人至上主義などのグループとそれに抗議するグループが衝突し、死傷者も出て大きな問題となりました。
今回の民主党のノーサム知事の決断に対し、共和党の一部からは「アメリカの歴史を示す建造物の撤去は行き過ぎだ」と反発の声が出ているほか、撤去に反対する署名活動もすでに始まっていて、地元のメディアは、さらなる分断を招くおそれもあるとの見方を伝えています。
米司法長官 抗議デモの暴徒化「過激グループが扇動」 #nhk_news https://t.co/ryYcydsezP
— NHKニュース (@nhk_news) 2020年6月5日
バー司法長官は4日、FBI=連邦捜査局のレイ長官らとともに記者会見を行いました。
この中でバー長官は、抗議デモが一部で暴徒化し略奪や破壊活動が行われたことについて、「いくつかのデモではアンティファや似たような過激なグループがデモを乗っ取り、暴力行為を扇動していた。その証拠がある。外国の勢力も入り込んでいる」と述べ、反ファシズムを掲げる「アンティファ」の関与を示す証拠があると説明しましたが、具体的な内容は示しませんでした。
また、FBIのレイ長官は「アンティファや、類似するイデオロギーに動機づけられた暴力的な無政府主義の過激派について捜査中だ」と述べました。
アンチ・ファシズムを意味する「アンティファ」は、白人至上主義やファシズムへの対抗を掲げる個人やグループの集まりで、アメリカではトランプ大統領の就任後、白人至上主義団体が勢いを増すのに対抗する形で、活動を活発化させています。
敵対する勢力への暴力も辞さない姿勢で知られ、たびたび白人至上主義者らと衝突してきました。トランプ大統領は、アンティファをテロ組織に指定する考えを示していますが、明確な組織としての実態が見えないこともあり、実際に指定できるかは不透明です。
また、アンティファが扇動した暴動があったと見られる一方で、ツイッターで白人至上主義者がアンティファを名乗り、暴力行為をあおったとして、アカウントが停止される事態も起きていて、一連の暴動にどこまでアンティファが関わっているのかははっきりしていません。
トランプ大統領としては、ならず者の集団として具体的に「アンティファ」という名前を挙げ、混乱の原因だと強調することで、治安維持のために軍の派遣も辞さない姿勢を示したことを正当化するとともに、人種差別に端を発したデモの批判の矛先がトランプ政権、そして自身に向かうのをそらすねらいもあるとみられます。
フェイスブック 政府支配下と判断したメディアの投稿にラベル #nhk_news https://t.co/VxeM7HjIQt
— NHKニュース (@nhk_news) 2020年6月5日
世界最大の交流サイトを運営するアメリカのフェイスブックは、政府の支配下にあると判断したメディアの投稿に注意を促すラベルの表示を始めると発表しました。
ことし11月のアメリカ大統領選挙を前に、外国からの干渉を防ぐ対策を徹底するねらいがあるとみられます。
フェイスブックは4日、声明を出し、政府の支配下にあると判断したメディアの投稿や広告に注意を促すラベルの表示を始めると発表しました。
内容が政府の影響を受けている可能性があると利用者に知らせるためだとしていて、アメリカでは来週から投稿に対してラベルを表示するということです。
ラベルを表示するかどうかはメディアの収入源などから判断し、異議も受け付けるということです。
アメリカメディアは、ラベルを表示する対象には、中国国営の新華社通信や、ロシアやイランのメディアなどが含まれると伝えています。
また、アメリカ国内では夏からこうしたメディアによる広告を停止するとしていて、ことし11月のアメリカ大統領選挙を前に、外国からの干渉を防ぐ対策を徹底するねらいがあるとみられます。
フェイスブックは、前回のアメリカ大統領選挙で、ロシアがソーシャルメディアを通じて選挙に干渉したとされる問題で批判を受けていて、再発防止が課題になっています。
抗議デモに強硬姿勢のトランプ大統領 与党議員からも批判の声 #nhk_news https://t.co/d8sCWk6Buc
— NHKニュース (@nhk_news) 2020年6月5日
トランプ大統領は世論調査で、秋の大統領選挙で戦う民主党のバイデン氏に差を広げられていて、選挙戦略の見直しを迫られることになりそうです。
抗議デモが全米に広がり、一部でデモが過激化したことを受けて、トランプ大統領は「法と秩序」が必要だとして、連邦軍の派遣も排除しない考えを示すなど、強硬な姿勢を崩していません。
これに対し、かつてトランプ政権を支えたマティス前国防長官は3日、雑誌への寄稿で「トランプ大統領はアメリカを分断しようとしている」などと異例の批判をしました。
また、4日、与党・共和党のマカウスキー上院議員はアメリカのメディアに対し、「マティス氏の言葉は真実かつ正直、そして必要なものだった」としたうえで、秋の大統領選挙でトランプ大統領を支持するかどうか決めかねているという考えを示しました。
これに対し、トランプ大統領は4日夜、ツイッターに、マカウスキー上院議員の地元のアラスカ州での次の選挙について、「良い候補であろうが、悪い候補であろうがかまわない。私は対立候補を支持する」などと投稿し、マカウスキー議員を支持しない考えを示して強く反発しました。
トランプ大統領は4日、公の場には姿を見せませんでしたが、アメリカのメディアは、ホワイトハウスで陣営の幹部を集めた会議を開いたと伝えています。
政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた各種世論調査の平均値では、大統領選挙でトランプ大統領に投票すると答えた人が42.1%、民主党のバイデン前副大統領が49.3%で、最近はその差が広がる傾向にあり、接戦州の多くでもバイデン氏がトランプ氏をリードしています。
新型コロナウイルスに加えて、今回の抗議デモへの対応をめぐっても批判が高まる中、トランプ大統領としては5か月後に迫った大統領選挙に向けて戦略の見直しを迫られることになりそうです。