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朝鮮戦争中に、北朝鮮側に捕虜として連行され、その後脱北した韓国人2人が、北朝鮮政府とキム・ジョンウン金正恩朝鮮労働党委員長に損害賠償を求めた裁判で、韓国の裁判所は7日、日本円で合わせて約370万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。韓国メディアは、韓国の裁判所が北朝鮮に対し、賠償を命じたのは初めてだと伝えています。

この裁判は、朝鮮戦争中に北朝鮮側に捕虜として連行され、その後、2000年と2001年にそれぞれ脱北した韓国人2人が、「北に抑留され、強制的に働かされた」として、4年前に北朝鮮政府とキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長に損害賠償を求める訴えを起こしていたものです。

1審のソウル中央地方裁判所は7日、「原告の請求をすべて認める」として、北朝鮮政府とキム委員長に対し、4100万ウォン(日本円で合わせて約370万円)の賠償を命じる判決を言い渡しました。

韓国メディアは、韓国の裁判所が北朝鮮に対し、賠償を命じたのは初めてだと伝えています。

北朝鮮側は裁判に応じておらず、判決後に記者会見した原告側は、判決はこのまま確定する見通しだとしたうえで、制裁のため北朝鮮側に送金できずにいる、韓国メディアが使用した北朝鮮の映像などの著作権料を差し押さえる方針を示しました。

韓国では先月にも、朝鮮戦争中に家族が北朝鮮側に連れ去られ、生き別れになったと主張する韓国人13人が、北朝鮮政府とキム委員長に損害賠償を求める訴えを起こしています。

北朝鮮国営の朝鮮中央テレビは8日正午からの放送で、キム・ジョンウン委員長が、祖父のキム・イルソン主席の命日となった8日に合わせて、遺体が安置されている宮殿を訪問したと伝えました。

公開された写真では、キム主席の死去から25年となる節目の年だった去年に比べると、同行した人の数は大幅に減っています。

キム委員長をめぐっては、ことし4月、北朝鮮で「民族最大の祝日」とされるキム主席の誕生日に合わせた宮殿への訪問が伝えられませんでした。

さらにその後、アメリカのCNNテレビがキム委員長が重篤になっている情報があると報道したことから健康不安説が一気に広がりました。

今回はキム委員長が、重要な節目に合わせて宮殿を訪問し、北朝鮮国民からいまも尊敬を集めているキム主席に敬意をあらわしたと伝えることで、3代にわたる世襲の正当性を改めて強調した形となりました。

アメリカ政府で北朝鮮問題を担当するビーガン国務副長官は、7日から3日間の日程で、およそ半年ぶりに韓国を訪問しています。

ビーガン副長官は8日午前、マスク姿で韓国外務省を訪れ、カン・ギョンファ外相との会談に臨みました。

冒頭、カン外相は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ビーガン副長官が入国の際、PCR検査に応じたことに謝意を示しました。

続いて会談は非公開で行われ、米韓両国に対して揺さぶりやけん制を強める北朝鮮への対応を中心に意見を交わしたとみられます。

さらにビーガン副長官は、チョ・セヨン(趙世暎)第1外務次官と戦略対話を行ったあと、記者団に対し「われわれは、朝鮮半島の平和のため、しっかりと関与し、緊密に協力していく」と述べました。

ビーガン副長官は9日までの滞在中、韓国大統領府で外交や安全保障の司令塔を担う国家安保室長に6日就任した、ソ・フン(徐薫)氏などとも意見を交わし、米韓両国の連携を確認する見通しです。

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