ベラルーシ大統領選 対立候補 “みずからが勝者だ” #nhk_news https://t.co/pHGdyzceAt
— NHKニュース (@nhk_news) 2020年8月14日
ベラルーシの選挙管理委員会は、今月9日行われた大統領選挙の最終結果を14日発表し、ルカシェンコ大統領の得票率が、80%に上り、10%にとどまった主婦のチハノフスカヤ氏などに圧勝したとしています。
隣国のリトアニアに出国したチハノフスカヤ氏は14日、動画のメッセージを配信し「選挙結果のコピーという証拠があり、選挙管理委員会が公正に数えていれば、私への支持は60%から70%になっているはずだ」と述べみずからが勝者だと訴えました。
また、チハノフスカヤ氏は、市民社会の代表や著名なベラルーシ人などで構成された調整会議を創設し、政権の移行に向けて、組織的な運動を始めることも明らかにし、ヨーロッパ各国に政権側との対話を仲介するなどの支援を求めました。
一方、有力候補とされながらも、立候補を却下され、現在はウクライナで、ルカシェンコ政権の打倒を目指す組織「救国戦線」を結成すると宣言した、元外交官のツェプカロ氏は、問題の解決に向けて、ロシアの関与にも期待を示し、プーチン政権の出方も焦点となっています。
ベラルーシでは、「選挙結果は不正だ」としてルカシェンコ大統領の退陣を求める声が一層強まっていて各地で抗議活動が繰り広げられています。
インターネットメディアなどによりますと、首都ミンスクでは14日数千人ともみられる人たちが大通りを行進し、「出て行け」などとシュプレヒコールを上げてルカシェンコ大統領の退陣を求めたり、「私たちの票は盗まれた」などと選挙の不正を訴えたりしていました。
また、政府の管理下にあるトラクターなどの製造工場に勤めているという従業員たちも「われわれは羊ではない」などと書かれた横断幕を掲げて通りを練り歩きこれまでの強権的な政治姿勢に反発しました。
人々は首都中心部の政府庁舎前に次々に詰めかけルカシェンコ大統領の退陣を求めました。
一方、抗議活動を行う人たちに対する警察の暴力が問題となるなか、現役の警察官の中には「市民の側に付く」としてSNS上で辞職する意向を示す人も出始めています。
抗議活動の広がりを受けてルカシェンコ大統領は、緊急の安全保障会議を開き、抗議活動はポーランドやウクライナなど外国の勢力が仕組んだものだと非難した一方、さらなる混乱を避けるためにも警察や治安部隊に対して市民には暴力は加えず冷静に対応するよう指示しました。
ロシアの最高検察庁は、ベラルーシの治安機関がロシアの民間軍事会社の武装警備員だとして先月下旬、首都ミンスクの郊外で拘束した32人が解放されたことを明らかにしました。
この民間軍事会社は、プーチン政権ともつながりがあると指摘され、ルカシェンコ大統領はロシアが大統領選挙を前にベラルーシ国内の不安定化をねらって武装警備員を派遣したと非難していました。
これに対してロシアは一刻も早く解放するよう求め、両国の関係悪化の要因の1つともなっていました。
ルカシェンコ大統領としては、ベラルーシ国内でみずからに対する抗議活動が広がりを見せ、ヨーロッパなどからも批判が高まるなか、ロシアとの関係をこれ以上悪化させるのは得策ではないとして武装警備員の解放に応じたものとみられます。
EUはベラルーシ当局が抗議活動の参加者に暴力を加え、不当に拘束しているほか、選挙結果そのものについても有権者の意思を反映していないなどとして非難していて、14日、緊急の外相会議をオンラインで開きベラルーシに対する制裁について協議しました。
その結果、各国は制裁に向けて具体的な検討を始めることで合意し、制裁の具体的な内容や対象者のリストなどについて今後、協議を進めることを決めました。
ベラルーシに対してEUはこれまでもルカシェンコ政権が野党支持者を拘束したりメディアを弾圧したりしたとして政府関係者に対する資産凍結や域内への渡航禁止などの制裁を科していましたが、4年前、人権状況に改善が見られるなどとして一部を解除していました。
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