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ベラルーシでルカシェンコ大統領の退陣を求める反政権派は、全国の支持者に抗議デモやストライキを続けるよう呼びかける一方で、19日には政権側との対話を通じて事態打開を目指す考えを示しましたが、政権側はこれまでのところ、対話に応じるかどうかを明らかにしていません。

ベラルーシの地元メディアによりますと20日、首都ミンスク国営企業の工場では、労働者のグループがストライキを呼びかけるチラシを配っていたところ、数人の警察官がやって来て工場の敷地の外に出るよう命じたということです。

また、ルカシェンコ大統領が19日、内務省に対して首都の治安を回復し、政権寄りの労働者を保護するよう命じたことから、工場労働者の間では、ストライキに参加することで減給や解雇といった不利益をこうむるのではないかという不安が高まっているということです。

ルカシェンコ大統領としては、反政権派に歩み寄るよりも、警察や治安機関を使ってみずからの立場を強化することを優先しているものと見られ、両者の対話が近く実現するかは不透明な情勢です。

ベラルーシでは、今月9日の大統領選挙で不正があったとして、反政権派がルカシェンコ大統領の退陣を目指して新たな組織を結成し、活動を始めています。

この組織についてコニュク検事総長20日、「国家権力を奪い国の安全を損なおうとするものだ」として、捜査に乗り出したことを明らかにしました。この組織は、選挙のやり直しなどを通して政権交代を実現するため政権側に対話を求めていますが、ルカシェンコ政権としてはこれに応じず逆に圧力を強める姿勢を示したものです。

これに対して、ルカシェンコ大統領の対立候補だったチハノフスカヤ氏20日、国連安全保障理事会非常任理事国エストニアのレインサル外相と会談し、「国際社会はベラルーシの人たちを当局の脅迫から守る義務がある」として、安保理でこの問題を取り上げるよう訴えました。

チハノフスカヤ氏は、19日にはEUヨーロッパ連合の首脳に宛てたメッセージを発信して大統領選挙のやり直しに向けて協力を求めるなど、事態の打開に向けて国際社会と連携しようとする動きを強めています。

ベラルーシ情勢をめぐって反政権派が政権側に対話を求めているなか、20日に会談したフランスのマクロン大統領とドイツのメルケル首相は、事態の打開には双方の対話の実現が不可欠だという認識を示しました。

そのうえでマクロン大統領は「ベラルーシの人々が望むのであれば、EUヨーロッパ連合も、ロシアとともに仲介者として対話を支援する用意がある」と述べて、EUとしても、要請があればルカシェンコ政権に影響力のあるロシアとともに対話を仲介したいという考えを示しました。

またメルケル首相は「拘束された人たちの解放や非暴力、自由な意見の表明、デモをする権利などはベラルーシの勇気ある市民にとって譲れないものだ」と述べて、ベラルーシの市民と連帯する姿勢を示しました。

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