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ベラルーシで抗議活動を続ける反政権派の組織「調整評議会」の有力幹部、マリヤ・コレスニコワ氏が7日、首都ミンスクで覆面姿の数人に車で連れ去られたのが目撃されたと地元メディアが伝えました。

その後、連絡が途絶えていましたが、ベラルーシの国境警備当局は8日、コレスニコワ氏をベラルーシウクライナとの国境地帯で拘束したことを明らかにしました。

国境警備当局によりますと、コレスニコワ氏は8日未明、「調整評議会」のメンバー2人とともに車で国境を越えようとしたところ、国境警備隊に見つかり、速度を上げて通り過ぎようとしましたが、3人のうちコレスニコワ氏だけが車の外に出たため、拘束したということです。

現在は隣国のリトアニアで活動を続ける反政権派のチハノフスカヤ氏は、これについて8日、自身のSNS上で「政権は、コレスニコワ氏とほかのすべての政治犯を今すぐ釈放するべきだ。国民を人質に取ることなどあってはならない」と非難し、反政権派とルカシェンコ政権との対立が一層深まっています。

マリヤ・コレスニコワ氏(38)は、ベラルーシ楽家として活動していましたが、先月のベラルーシ大統領選挙に立候補する予定だった銀行の元頭取ババリコ氏の選挙対策責任者をつとめはじめて政治に関わりました。

しかし、ババリコ氏が政権側に拘束されて立候補を断念したことから野党勢力の事実上の統一候補となったチハノフスカヤ氏の支援に回り、強権的なルカシェンコ大統領に挑む女性の1人として注目を集めました。

選挙後はチハノフスカヤ氏が立ち上げた「調整評議会」の幹部メンバーとしてルカシェンコ大統領の退陣に向けて政権側との対話を求めるとともにババリコ氏と新たな政党を発足させることを明らかにするなど、精力的に活動していました。

ルカシェンコ政権が「調整評議会」に対する圧力を強め、国外に逃れるメンバーが相次ぐなかでも、コレスニコワ氏は首都ミンスクにとどまり、今月6日に行われた大規模な抗議活動にも参加して政権交代を訴えていました。

ベラルーシで続くルカシェンコ大統領の退陣を求める抗議活動は、およそ7000キロ離れたロシア極東で続くプーチン政権に反発する抗議活動にも影響を与えています。

ロシア極東のハバロフスクでは、ことし7月にプーチン政権と距離をおく知事が15年以上前の殺人事件などに関与した疑いで逮捕されたことを受けて、住民や野党勢力による抗議活動が続いています。

毎週土曜日には、大通りを数千人がデモ行進し、前知事の保釈を求めるとともに、「プーチン大統領は退陣しろ」などと声をあげていて、当局の許可のない抗議活動がおよそ2か月にわたって続く異例の事態となっています。

ベラルーシで大統領選挙の結果をめぐって抗議活動が始まると、ハバロフスクの抗議活動の参加者が、「われわれはベラルーシとともにある」「ベラルーシよ、永遠に」などのプラカードを掲げたりスローガンを叫んだりして、ベラルーシの抗議活動にエールを送る場面も見られます。

地元メディアによりますと、ハバロフスクの住民の間ではみずからが選挙で選んだ知事が「政治的な圧力によって排除された」という思いからベラルーシで抗議を続ける反政権派の支持者への共感が強いということで、抗議活動の参加者の1人は「ベラルーシの市民とお互いの状況に気を配り、支援しあう必要がある」と話していました。

ベラルーシで1か月近く反政府デモが続く中、ロシアがルカシェンコ政権を支持する姿勢を鮮明にしていることについてロシアの政治に詳しい東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠特任助教「抗議デモが盛り上がり、ルカシェンコ政権が倒れるとロシアは勢力圏を失うかもしれない。ベラルーシが親ロ政権でなくなったら、その先はNATO加盟国が控えているので、NATOと直接勢力圏が接するかもしれず、これはロシアにとって危険かつ安全保障上、許容しがたい」と述べ、ルカシェンコ政権が続くことをロシアは重視しているとの見方を示しました。

さらにロシア国内でも極東ハバロフスクプーチン政権を批判する抗議活動が続いていることを踏まえ、プーチン体制になって20年がたち、国民の中でも不満がうっせきしている。締めつけが厳しくなる一方、2000年代のように生活がよくなっていくわけでもなく、プーチン氏の言うことを聞き続ける理由は何なのだと国民は分からなくなっている。隣国ベラルーシでは、まさに同じような事態が起き、火がついたように公然と反体制デモに発展した。プーチン氏にとっては気が気でないのは当然」と述べ、ロシアはベラルーシ情勢を国内情勢と重ねて警戒していると分析しています。

一方、ルカシェンコ政権については、「国民からも、国営企業周辺諸国からもそっぽを向かれている。そこでもう1回ロシア、という感じになっている」としたうえで、「ロシアからするとベラルーシは八方塞がりになって、ロシアの言うことを聞くしかないというところにルカシェンコ氏が戻ってきたと見えている」と話し、これまで軍事や経済面などでロシアと協力することに反発してきたルカシェンコ大統領の弱体化をロシアはベラルーシを取り込む好機と捉えているとの見方を示しました。

ベラルーシで大統領の退陣を求める抗議活動の中心となってきた反政権派の組織の有力幹部、コレスニコワ氏が拘束されたことについて、ドイツのマース外相は「非常に心配している。対話の用意がある反政権派が次々と抑圧されるのは、受け入れられない」ツイッターに書き込み、ルカシェンコ大統領が方針を変えなければ、EU=ヨーロッパ連合として、制裁を科すなどの対応を取る考えを示しました。

#EU

ベラルーシでは、1か月前の大統領選挙をきっかけに、ルカシェンコ大統領の退陣を求める抗議活動が全国に拡大したのに対して、政権側は、反政権派の組織「調整評議会」の幹部を拘束したり国外追放したりして、圧力を強めてきました。

首都ミンスクでは9日、「調整評議会」の幹部で弁護士のマクシム・ズナーク氏の事務所と自宅に家宅捜索が入り、反政権派によりますと、ズナーク氏は拘束されたということです。

「調整評議会」はこれで幹部会を構成する7人のうち4人が拘束され、1人が国外追放となったほか、1人は弾圧を逃れて隣国のポーランドに脱出し、ベラルーシで活動する幹部はノーベル文学賞作家で72歳のアレクシェービッチ氏1人だけとなりました。

このうち、有力幹部のマリヤ・コレスニコワ氏は、7日、首都ミンスクで覆面姿の治安機関職員に拘束され8日、隣国のウクライナに追放されそうになりましたが、国境の検問所でみずからパスポートを破り捨てたため、越境できなくなり、再びベラルーシ側で拘束されたことが明らかになっています。

ルカシェンコ大統領は、早ければ来週にもロシアの首都モスクワを訪れプーチン大統領と会談する見通しで、ロシアを後ろ盾にして反政権派への圧力を一層強めるものと見られます。

ベラルーシでは先月の大統領選挙で、ルカシェンコ大統領が当選したとされたことに対する抗議活動が続いています。

これに対してルカシェンコ政権は、反政権派の組織「調整評議会」への圧力を強め、有力幹部の拘束や国外追放が相次いでいて、反政権派の支持者の間では、強権的な手法に対する非難が一層強まっています。

これについてアメリカのポンペイ国務長官は8日、声明を発表し「事態を深く懸念している。不当な弾圧に直面しながら、自由で公正な選挙を求めるベラルーシの人々の勇気をたたえる」として、拘束されている人を解放するよう求めました。

そのうえで、ルカシェンコ政権の当局者らに対する、制裁を検討していることを明らかにしました。

ルカシェンコ政権に対しては、EU=ヨーロッパ連合も制裁に向けた検討を始めていて、国際社会の圧力が強まっています。

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#旧ソ連