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アゼルバイジャンアルメニアの係争地、ナゴルノカラバフをめぐる戦闘は先月、ロシアの仲介で停戦合意しました。

合意の発表から1か月となった10日、アゼルバイジャンは首都バクーで勝利を祝うとする軍事パレードを行いました。
パレードには3000人の兵士らが参加し、アリエフ大統領とともに、アゼルバイジャンを支持してきたトルコのエルドアン大統領も出席しました。

アリエフ大統領は、アルメニア側が事実上統治していた領土を取り戻したとしたうえで「トルコとの兄弟愛を示すことができた」と謝意を示したのに対し、エルドアン大統領も「われわれが協力すれば困難を乗り越え続け、成功を手にできる」と応じ、両国の連携を印象づけました。

一方、アルメニアでは、10日も、事実上の敗北となる停戦合意を受け入れたとして、パシニャン首相の辞任を求める抗議活動が行われました。

今回停戦は実現したものの、ロシアは、トルコがアゼルバイジャンに接近し影響力を拡大しようとしていると警戒していて、停戦がどこまで地域の安定化につながるかは、ロシアとトルコの動向も鍵になるとみられます。

トルコは、イスラム教徒が多数を占め、民族や言語も近いアゼルバイジャンとの間で「兄弟国」と称される親密な関係を築いてきました。

一方のアルメニアとの間では、オスマン帝国時代に大勢のキリスト教系のアルメニア人が殺害されたとされる歴史をめぐり対立し、いまだに国交がありません。

このため紛争の開始当初からエルドアン大統領は、アゼルバイジャンを全面的に支持する立場をとってきました。

紛争では、トルコが、シリア人の戦闘員をよう兵としてアゼルバイジャン側に送り込んだとされているほか、トルコ製の軍事用ドローンが戦場で使われたとも伝えられていて、トルコの支援がアゼルバイジャンの事実上の勝利に貢献したとみられています。

一方、アルメニアの後ろ盾となってきたロシアとの間では、シリア情勢や地対空ミサイルの導入などで連携してきましたが、今回は対立する構図となりました。

トルコにとってアゼルバイジャンロシアと並ぶ主な天然ガスの輸入相手国で、エルドアン大統領としては、戦勝記念と位置づけられているアゼルバイジャンでの式典に出席することで旧ソビエトの一部だったアゼルバイジャンとの関係強化を印象づけ、ロシア側をけん制するねらいもあるものとみられます。

トルコが周辺国で影響力を広げることで対立関係にあるアルメニアのほか、同じ地域大国としてライバル関係にある中東のサウジアラビアなどもトルコの動きに一層、警戒を強めることになりそうです。

ナゴルノカラバフの紛争をめぐって、ロシアは、アゼルバイジャンアルメニアの停戦を主導するとともに、停戦の合意を受けてすぐにおよそ2000人の平和維持部隊を派遣しました。

現地に軍を展開させたいとしてきた従来の考えが実現したもので、ロシアにとっては旧ソビエトのこの地域で影響力を強化するきっかけを得たとみられます。

軍事同盟を結ぶアルメニアとの関係では、ロシアは今回の戦闘でアルメニアを積極的に支援することはありませんでした。

しかし、アルメニア国内で今回の停戦合意を受け入れた責任を問う声は、ロシアよりむしろ、2018年の就任以来、欧米との関係強化に努めてきたパシニャン首相に向けられています。

ロシアで行われた世論調査でも、60%近い人が「ロシアはこの地域での立場を強めた」ととらえています。

一方、アゼルバイジャンを支持してきたトルコがこの地域で影響力を拡大しようとしていることについてプーチン大統領は先月ソビエト崩壊がもたらした地政学的な結果だ」と述べ、現状を受け入れざるをえないという認識を示しました。

ロシアにとってトルコは、武器やエネルギーの重要な輸出先で、シリアでも停戦と和平を実現させる取り組みでは協力しています。

ロシアは、対立を避けながらもこの地域でのトルコの動向に警戒しています。

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