ゴーン元会長の逃亡を手助け 米国人2人 犯人隠避の罪で起訴 #nhk_news https://t.co/MnqvVCpKKv
— NHKニュース (@nhk_news) 2021年3月22日
日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン容疑者の中東レバノンへの逃亡を手助けしたとして東京地検特捜部は22日、アメリカ軍特殊部隊の元隊員ら2人を犯人隠避の罪で起訴しました。
関係者によりますと2人は起訴された内容を認め、ゴーン元会長の妻から逃亡の支援を依頼されたなどと説明しているということです。
起訴されたのはアメリカ軍の特殊部隊「グリーンベレー」の元隊員マイケル・テイラー被告(60)と、息子のピーター・テイラー被告(28)です。
東京地検特捜部によりますと、2人はおととし12月、特別背任などの罪で逮捕・起訴され、保釈中だった日産のゴーン元会長を大型のケースの中に隠してプライベートジェットに乗せ、レバノンへの逃亡を手助けしたとして犯人隠避の罪に問われています。
2人は去年5月、アメリカ東部のマサチューセッツ州で身柄を拘束され、今月2日、容疑者の身柄引き渡し条約に基づいて日本に移送されました。
関係者によりますと、2人は起訴された内容を認め、偽証の疑いで逮捕状が出ているゴーン元会長の妻のキャロル容疑者から逃亡の支援を依頼されたなどと説明しているということです。
またアメリカの裁判所に提出された捜査資料によりますと、ピーター被告は逃亡当日に、都内の高級ホテルの駐車場でゴーン元会長の三女と接触し荷物を受け取っていた疑いがあるほか、逃亡後にはピーター被告に元会長の息子からいわゆる仮想通貨=「暗号資産」で5300万円相当が送られていたということです。
今後、開かれる裁判では、ゴーン元会長の家族の関与など逃亡に至る経緯がどこまで明らかになるかが焦点になります。
おととし12月29日、関西空港からプライベートジェットでレバノンに逃亡した日産のゴーン元会長。この日、関西空港で何があったのか。
アメリカの裁判所に提出された空港の複数の従業員の供述調書から、当時の詳しい状況が分かってきました。《 “私たちはバイオリニスト” 》
ゴーン元会長の逃亡を手助けしたとして起訴されたマイケル・テイラー被告(60)と共犯として逮捕状が出ているジョージ・ザイエク容疑者(61)は、逃亡当日の午前10時すぎに中東のドバイからプライベートジェットで関西空港に到着しました。供述調書によりますと、この際、2人は黒い大型のケースを持って入国し、マイケル被告は空港の従業員の1人に「私たちはバイオリニストで、きょう、大阪市内で演奏する予定だ。しかし、あしたどうしても遅れてはならない会議があるため、できるだけ早く出国したい」などと話していたということです。
《 “ギターのアンプ壊れる” X線検査警戒か 》
またザイエク容疑者は別の従業員に声をかけ「黒いケースはX線検査はしていないよね。ケースの中には磁石を使ったギターのアンプが入っているから、X線検査をすると壊れるんだ」などと話していたということです。マイケル被告は、日本に移送される前の去年7月、アメリカのメディアのインタビューに対し、関西空港を選んだ理由について「日本国内の5か所の空港を調べたところ、関西空港には逃亡に使われた大きさの箱をスキャン検査できる機械がない「重大な欠陥」があることがわかったからだ」と説明していますが、従業員の供述からは、2人が大型ケースがX線検査の対象にならないよう警戒していた様子がうかがえます。
《 “箱の中に女性が入ってるんじゃないか?” 》。
2人は、東京でゴーン元会長と合流したあと、再び関西空港に戻り、午後11時すぎに経由地のトルコに向けて出国しました。空港の従業員は、出国の際に黒い大型のケースをプライベートジェットに積み込む時の状況についても供述しています。ケースは、幅と高さが60センチ、奥行きが150センチほどの大きさで、「到着したときは、私と、もう1人のスタッフの2人で黒いケースを機内から下ろすことができたが、出発の前にはとても重くなっていた。4人から5人がかりで機内に積み込んだ」と説明しています。
さらに「積み込む際には、『箱の中に若い美女が入っているんじゃないか』と冗談を言うスタッフもいたので逃亡のニュースを見たときは、本当に驚いた。そのときはゴーン元会長が中に隠れているとは全く想像できなかった」と心境を明らかにしています。