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首都カブールでは4日、数十人の女性が街頭で「女性の権利を守らない政権に正当性はない」などと声をあげながらデモ行進しました。

女性たちは「私たちは恐れない」などと書かれた紙を持って、タリバンに対して教育や働く権利を侵害しないよう訴えました。

女性たちは武装したタリバンの戦闘員に囲まれて小競り合いになり殴られたと訴える女性もいました。

参加者の1人は「仕事や学校に行けない女性たちの声をタリバンに訴えに来た」と話していました。

女性がタリバンの戦闘員と対じしてみずからの主張を訴えるのは異例のことです。

アフガニスタンではタリバンが近く新たな政権の樹立を宣言するため、国内のほかの勢力などと協議を進めています。

タリバンの幹部はイスラムの規範の範囲内で女性の権利は認められると説明していますが、旧タリバン政権が女性の教育や就労の機会を厳しく制限したことから女性たちの不信感は強く、国際社会も新たな政権が実際にどのように女性の権利保護などの政策を実行するのか注視しています。

アフガニスタンで女性の権利保護に取り組む活動家のマハブーバ・セラジさん(73)はNHKの取材に対し「タリバンに家にいるように言われ仕事に行けない女性もいるが、今は女性たちの命を危険にさらさないためにも何が起きているのかを慎重に見ていく必要がある」と述べました。

女性によるデモが相次いでいることについては「タリバンが女性は政府の要職につけないなどと言っているため女性たちは街頭に出始めた」と述べ、多くの女性がタリバンに不信感を抱いているとしています。

タリバンが包括的な政権を作ると説明していることについては「男性も女性も、すべての民族の代表も含まれなければ包括的とは言えない」と述べ、女性も政権に含めるよう求めました。

セラジさんは「アフガニスタンでやるべき仕事がある。生きているかぎり活動を続けたい」と述べ、タリバンが主導する新たな政権下でも女性の権利を守る活動を続けていきたいとしています。

アフガニスタンでは武装勢力タリバンがほぼ全土を制圧し、新たな政権の樹立を目指して国内のさまざまな勢力との間で調整を進めています。

一方で、長年タリバンと対立してきた北部同盟の勢力が拠点を置く北東部のパンジシール渓谷では、この地域を制圧しようとするタリバンとの間で激しい戦闘が続いています。

いずれも、自分たちが優勢であると主張していますが、詳しいことは分かっていません。

新政権の主要なポストをめぐってタリバン内部の主導権争いも伝えられています。

隣国パキスタンの有力紙ザ・ニュースは5日の紙面で財務や国防を担当する閣僚ポストの人選でタリバン内部で立場の違いがあり、協議が続いていると報じています。

また、アメリカや国連の制裁対象になっている人物を入閣させるか、タリバン内の要職のみにとどまらせるかについて議論が続いているとしています。

新政権については、旧タリバン政権で抑圧された女性や少数民族などの代表も参加する包括的なものを求める声が高まっていて、国民や国際社会の理解を得られる政権になるかどうかに関心が集まっています。

武装勢力タリバンが権力を掌握して以降、新政権の樹立を宣言していないことについて、アフガニスタン情勢に詳しい慶應義塾大学の田中浩一郎教授は、タリバンの内部には武力による問題の解決を訴える武闘派と呼ばれる勢力が影響力を強めていると指摘しました。

そのうえで、「武闘派の意見をどこまで抑えて、より包摂的な政府を発足させるのかということで苦労が生じていると思う」と話し、内部での意見の調整に時間がかかっているとの見方を示しました。

また、北東部のパンジシール渓谷でタリバン抵抗勢力との戦闘が続いていることについて、「パンジシールはかつてタリバンに抵抗した勢力の拠点で、いまもその勢力が残っている。タリバンは、軍事的に完全に全土を制覇しているということを示すために抵抗勢力を根絶やしにしておきたい。これを達成することにこだわっている」と分析しました。

タリバン抵抗勢力はともにパンジシール州を掌握したと主張しているが、いずれも確かな証拠は示していない。タリバンは1996─2001年にアフガンを統治した際、首都カブールの北にあるパンジシール渓谷を支配できなかった。

タリバンの報道官は、パンジシール州の7地域のうち4地域を制圧したと主張。ツイッターで、タリバン兵士が州中心部に向けて進軍していると述べた。

だが、国民的英雄マスード司令官の息子で同地域を率いるアフマド・マスード氏に忠実なアフガニスタン民族抵抗戦線(NRFA)は、「数千人のテロリスト」を包囲し、タリバンが車両や機材を放棄したと主張。マスード氏はフェイスブックへの投稿で、パンジシール州は「強い抵抗を続けている」と強調した。

米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長はFOXニュースで「内戦に発展する可能性が高い状況というのが私の軍事的な見立てだ。タリバンが権力基盤を固め、統治を確立できるか分からない」と述べた。その上で、タリバンが統治を確立できなければ、今後3年で「アルカイダの復活やイスラム国(IS)もしくは他のさまざまなテロ集団の拡大につながる」との見方を示した。

こうした中、パキスタンの軍情報機関、3軍統合情報局(ISI)のハミード長官が4日、カブール入りした。目的は明らかになっていないが、パキスタン政府高官は数日前に、タリバンによるアフガン軍再編成をハミード氏が支援する可能性があると述べていた。

<女性が権利尊重求めデモ>

現地メディアのトロ・ニュースによると、首都カブールでは、十数人の女性がタリバンに女性の権利尊重を求める抗議デモを行ったが、タリバンはこれを排除した。

女性らが口を覆い、咳をしながら武装した兵士と衝突するのが映像で確認できる。デモ参加者の1人は、タリバン催涙ガスやテーザー銃を使用したと語った。タリバンが女性らの頭を弾倉で殴り、出血したと話す参加者もいた。

<新政権は「あらゆる勢力」で構成>

タリバン関係筋は、新政権の発表が5日からの週に先送りされるとの見方を示した。

タリバン共同創設者のバラダル師は中東のテレビ局アルジャジーラで、新政権はアフガンのあらゆる勢力によって構成されると述べた。複数のタリバン関係者はこれまでに、バラダル師が新政権を率いるとの見方を示している。

アルジャジーラによると、カタールの駐アフガン大使は、技術チームによりカブールの空港が再開され、支援物資などの受け取りが可能になったと明らかにした。アルジャジーラの記者は、アフガンの国内線運航も再開されたとしている。

国連は、人道危機の回避に向けてアフガン支援拡大を呼び掛ける国際会合を13日に開く。

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