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ロシアで5年に1度となる議会の下院選挙は、小選挙区比例代表で合わせて450の議席が争われ、17日、全土で投票が始まりました。

プーチン政権を支える与党の統一ロシアは、前回の選挙で7割以上の議席を獲得して圧勝しましたが、経済の低迷などで国民の不満が高まり、政府系の世論調査でも、このところ支持率が20%台とかつてなく落ち込んでいます。

このためプーチン政権は、国民の間で比較的人気の高い閣僚を与党の比例代表候補に擁立したり、軍人や年金受給者に新型コロナウイルス対策として一時金を支払ったりして、支持の獲得に躍起になっています。

その一方で、野党勢力の選挙活動は著しく制限されていて、モスクワで1票を投じた野党支持の女性は「政権側は少しでも反対する人に圧力をかけている。とても腹立たしいです」と話していました。

今回の選挙は、ロシアで3年後に行われる大統領選挙の前哨戦と位置づけられていて、プーチン政権が議会で強力な権力基盤をどこまで維持できるかが焦点です。

投票は、新型コロナ対策を理由に3日間にわたって行われたあと19日に開票され、日本時間の20日未明には大勢が判明する見通しです。

ロシアの内政に詳しい「カーネギー国際平和財団モスクワセンター」のアンドレイ・コレスニコフ上級研究員はプーチン政権にとって今回の下院選挙は、この20年間で築いた体制に正統性を与える重要なものだ」と述べ、政権が下院選挙を重視していると指摘しました。

政権を支える与党「統一ロシア」は、事前の世論調査で支持率が20%台と低迷していますが、コレスニコフ氏は「いずれにしても与党は過半数を獲得する」と述べ、単独過半数議席を得て圧勝し、政権基盤は揺るがないという見方を示しました。

また、反体制派の指導者ナワリヌイ氏の団体が過激派組織と認定され、事実上、壊滅状態に追い込まれたことについて「政権側は市民社会を完全に管理することを目指している」と述べ、法的な手段などを通じて反対勢力への締めつけを一層強化していると指摘しました。

そして、プーチン政権は、彼らが『安定』と呼ぶ体制を構築しようとしている。反体制派がいなくなり、市民社会がなくなり、全員が従うようにすることだ」と述べる一方で、抑圧を強めれば、逆に国民の不満がうっせきすることになると懸念を示しました。

下院選挙は、2024年に行われる大統領選挙の前哨戦とも位置づけられる中でコレスニコフ氏はプーチン大統領が退任する理由は見当たらない」と述べ、プーチン大統領がその後も続投する可能性が高いという見方を示しました。

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