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メキシコのロペスオブラドール大統領は9日、スペインとの外交関係を一時停止すべきだと述べた。自身の電力市場国家管理強化計画に対する批判を避けようと旧宗主国であるスペインに矛先を向けた形だ。

ロペスオブラドール氏は、民間企業よりも国営の電力会社を優先する自身の法案が再生可能エネルギーへの投資を阻害するとの懸念に対し、一部の人が利益を得ているとする業界の不正行為をなくすための提案だと説明した。

同氏は、過去の腐敗したメキシコ政府が民間の利益のためにエネルギー市場を不正に操作していたと主張。その政策によって最も利益を得ていた企業の中には特定のスペイン企業が含まれているとこれまで繰り返し訴えている。

記者団に対し「トップに陰謀があり、メキシコとスペインの政府のトップに経済的、政治的に乱れた行いがあったが、3つの政権があったように、メキシコが一番ひどく、彼らはわれわれから略奪した。そのため、最善の方法は(関係を)一休みすることだ」と述べた。

スペインのアルバレス外相は、この発言に驚きを示し、二国間関係は「突然の」宣言を超えた戦略的重要性を持っていると指摘。フランスのリヨン訪問中、「スペイン政府はこの種のいかなる宣言も正当化できるようなことは何もしていないと明確にしたい」と述べた。

その上で「両国のビジネス関係から明らかなのは、(両国関係は)一時停止からは程遠く、投資の流れはここ数年増加する一方ということだ」と語った。

その後、ロペスオブラドール氏は、スペインとの外交関係断絶を提案しているわけではないと強調。同氏はスペインについて、植民地時代の遺産をたびたび批判しており、それと同様にスペイン企業にも繰り返し矛先を向けている。

左派の資源ナショナリストである同氏は、過去のメキシコ政府から利益を得たスペイン企業として、電力会社のイベルドローラや石油会社のレプソルを挙げた。

これとは別に、バイデン米政権で気候変動問題を担当するケリー大統領特使は9日、ロペスオブラドール大統領に対して電力市場の国家管理強化計画が貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」に違反しないよう要請したことを明らかにした。

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