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韓国のユン・ソギョル次期大統領は先月、歴代の大統領が利用してきた青瓦台と呼ばれる大統領府の執務室は「帝王的権力の象徴」だとして、来月の就任までに国防省が入る庁舎に移転させると発表しました。

これについてムン・ジェイン政権側は新政権発足まで時間があまりないことなどから計画には無理があるとして難色を示していましたが、ユン氏がムン大統領と会談するなどして事態の打開を模索してきました。

こうした中、韓国政府は6日の臨時閣議で移転に向けた費用として360億ウォン、日本円で36億円余りを支出することを決め、実現に向けて協力していくことになりました。

ただ今回認められたのはユン氏の見積もり費用のおよそ70%で、残りの部分については引き続き協議していくと説明しています。

このためユン氏が目指していた就任までの移転は難しい状況で、ユン氏はあくまでも青瓦台には入らず別の場所を使うとしていることから大統領の業務をどこで始めるのかにも関心が集まっています。

韓国のユン・ソギョル次期大統領は7日、中部のピョンテク(平沢)にあるアメリカ軍基地を訪れました。

発表によりますと、ユン氏は基地の訪問を通じて、アメリカ軍と韓国軍による防衛態勢の状況を確認したということです。

また、在韓アメリカ軍の司令官と意見を交わし、北朝鮮によるICBM級の弾道ミサイル発射に触れたうえで、両国の同盟を通じて、核・ミサイルの脅威に対する抑止力と防衛態勢を強化する考えを示したということです。

韓国メディアによりますと、次期大統領が就任前にソウルにある米韓連合軍司令部を訪れたことはこれまでにありましたが、連合軍司令部とは別に、アメリカ軍の基地を訪れたのは異例だということです。

これに先立ってユン氏は、今月3日からアメリカに代表団を派遣してバイデン大統領に親書を渡しており、北朝鮮が核・ミサイル開発を進めるなか、アメリカとの同盟関係を重視する立場を強調しています。

北朝鮮ではキム・ジョンウン総書記の祖父、キム・イルソン主席の誕生日の今月15日は「民族最大の祝日」とされ、生誕から110年の節目のことしについて指導部は「盛大に祝う」としています。

これについてアメリ国務省北朝鮮問題を担当するソン・キム特別代表は6日、電話での記者会見で「北朝鮮が新たな挑発行為に出るのではないかと懸念している。新たなミサイル発射かもしれないし核実験かもしれない」と述べ、強い懸念を示しました。

そして北朝鮮への対応については「軍の同僚たちが日米韓の3か国で何ができるのか検討している」と述べ、日米韓で連携し抑止力を強化したいという考えを示しました。

一方、アメリカは北朝鮮による相次ぐミサイル発射を受けて国連安全保障理事会での北朝鮮に対する新たな制裁決議の採択を目指し、常任理事国の中国やロシアとも協議を続けています。

これについてキム特別代表は「残念ながら、これまでのところ生産的な議論が行われたと言うことはできない」と述べ、現時点では新たな制裁決議の採択は難しいという認識を示しました。

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