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トンガの海底火山「フンガ・トンガフンガ・ハアパイ」では、ことし1月に大規模な噴火が発生し、日本各地の沿岸で数センチから1メートル余りの潮位変化が観測され、船や養殖施設などに被害が出ました。

当初、気象庁は「多少の潮位の変化があるかもしれないものの被害の心配はない」と発表しましたが、深夜になって北海道から沖縄の広い範囲に津波警報や注意報を発表し、混乱もあったことから、専門家の会合でメカニズムを検討しました。

今回まとまった報告書では、地震によって起きる津波が伝わるより4時間程度も早く潮位変化が観測された要因について、噴火の衝撃によって生じた気圧波が速く伝わり、気圧が急激に変化したためだと結論づけました。

「ラム波」と呼ばれる気圧波の一種で、秒速およそ300メートルと音速に近く、このラム波が伝わる過程で潮位が変化したということです。

気象衛星「ひまわり」で大気中の水蒸気の変化を解析したところ、気圧波が伝わっていく様子が確認できたということです。

こうした現象によって起きる潮位変化は「気象津波」とも呼ばれていますが、今回、最大で1メートルを超える高さになったことが被害につながりました。

その理由について報告書では、水深の深い場所で気圧波による影響が大きくなる「プラウドマン共鳴」と呼ばれる現象が起きたり、湾などの地形で局地的に増幅されたりといった複合的なものだと考えられるものの、現段階では何がどの程度影響したのかは特定できず、今後も調査・研究が必要だとしています。

報告書を取りまとめた、会合の座長で東京大学地震研究所の佐竹健治教授は「今回のように海外で起きる火山性の津波でも影響が出ることがある。地震の揺れを感じないのに津波警報などが出る可能性があることも覚えておいてほしい」と話しています。

報告書を受けて、気象庁は、海外で規模の大きな噴火が起きた際、潮位変化の具体的な予測はできないものの、変化が始まると予想される時間や地域を伝えることになりました。

潮位変化が観測され、基準に達した場合は、津波警報津波注意報を発表するとしています。

#気象・災害