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アメリ労働省が10日発表した先月の消費者物価指数は、前の年の同じ月と比べて8.6%の上昇と、1981年12月以来40年5か月ぶりの記録的な水準となりました。

消費者物価の上昇率は前の月にいったん縮小していましたが、今回再び拡大しました。

内訳ではウクライナ情勢を受けた原油価格の高騰で「ガソリン」が48.7%の大幅な上昇となったほか、「食品」が10.1%上昇しました。

変動の大きいエネルギーと食品を除いた物価指数でも、前の月と比べた上昇率が0.6%と縮小の兆しはみられず、幅広い品目で値上がりが続いています。

中央銀行にあたるFRB連邦準備制度理事会はインフレを抑え込むため、来週、先月の会合に続いて0.5%の大幅な利上げを決める見通しです。

一方で、エネルギー価格の高騰や人手不足を背景にした賃金の引き上げなどがインフレ圧力を強めていることからその抑制は容易ではないという指摘が出ていて、金融引き締めがさらに加速するとの観測が高まる可能性もありそうです。

ミシガン大学が10日発表した6月の消費者信頼感指数(速報値)は50.2と、過去最低を更新した。ガソリン価格が過去最高水準に上昇する中インフレ懸念が高まったことで、5月確報値の58.4から低下したほか、予想の58.0も大きく下回った。

現況指数は55.4と、前月の63.3から低下し、過去最低を更新。予想は62.5だった。

期待指数は46.8と、前月の55.2から低下し、1980年5月以来の低水準。予想は54.5だった。

1年先の期待インフレ率は5.4%、5年先の期待インフレ率は3.3%。5年先の期待インフレ率は08年6月以来の高水準を付けた。

財務省が10日に発表した5月の財政収支は660億ドルの赤字と、赤字額は予想の1200億ドルより小幅にとどまった。経済が新型コロナウイルス感染の影響から回復し歳入が堅調となる一方、医療関連の支出が一段と減少した。

財務省によると、5月の赤字額としては2016年以来最小で、前年同月の1320億ドルの赤字に比べ半額となった。4月は3080億ドルと過去最高の黒字を計上していた。

5月の歳入は前年同月比16%減の3890億ドル。昨年の個人所得税の申告期限が1カ月延長され、5月中旬までとなったことが影響したという。

歳出は24%減の4550億ドル。コロナ関連の歳出が減少した。

2022会計年度(21年10月1日から)の累計では4260億ドルの赤字。前年同期の赤字額2兆0640億ドルから79%減少した。

累計の歳入は29%増の3兆3750億ドルで、この期間としては過去最高。歳出は19%減の3兆8010億ドルだった。

#経済統計

サマーズ元米財務長官は、5月の消費者物価指数(CPI)がインフレのピーク説を打ち砕いたと指摘した上で、連邦準備制度理事会FRB)は犯した過ちについて説明できておらず、信頼を傷つけたことにも気付いていないと断じた。

米CPI、前年比8.6%上昇に加速-FRBとバイデン政権に圧力 (3)

  5月のCPI発表後、サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンで「インフレのピーク説は『一過性』説と同様、間違いの類いであることがはっきりした」と指摘。「3月時点の予想で金融当局は年末までにインフレ率が2%台に下がるだろうとしていたが、率直に言って、その時点で妄想だったし、今となってはさらにばかげたものにさえ見える」と語った。

  さらに「金融当局はうまい言葉を並べている」ものの、昨年から今年初めにかけて犯した過ちのダメージが「どれほどかを理解していないのではないか」と発言。「それらのミスは、当局が根本的に信頼を得ていないことを意味する」と述べた。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は来週の会合と7月会合での0.5ポイントずつの利上げを示唆している。しかし、サマーズ氏は「これまでは今後2カ月間に25-50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の幅で利上げすることが議論がされてきたが、より実りある議論は50-75bpだと考える」と述べた。

FRB、大幅利上げ9月まで継続観測-0.75ポイントとの見方も強まる

  ハーバード大学教授でブルームバーグテレビジョン寄稿者であるサマーズ氏は金融当局に対し、当局者の予測がなぜ「こうも劇的に」かつ何度も間違っていたのか調査するように促した。

原題:

Summers Says Fed Forecasts Look Ridiculous, Warns on Rate Delay(抜粋)

米大統領経済諮問委員会(CEA)のセシリア・ラウズ委員長は10日、バイデン大統領がエネルギー価格の抑制に向け、石油精製能力拡大など供給増加策を検討していることを明らかにした。CNNのインタビューに答えた。

同委員長は、バイデン大統領が石油会社などど協力して課題に取り組み、行政面での支援策を模索していると述べた。

11月の中間選挙を控え、バイデン大統領には特にガソリン価格の上昇圧力を緩和するよう強い圧力がかかっている。

JPモルガンやゴールドマン・サックスといったウォール街の首脳は従業員の大半が職場に戻ってくるのを望んでいる。だが、ニューヨークの企業経営者としては、むしろ少数派に属する。

これは、職場とリモートを組み合わせた「ハイブリッド勤務」を志向する働き手にとって朗報と言える。しかし、企業のオフィス需要に依存するニューヨークの商業地保有者から見ればそうではない。

企業経営者の大半は、毎週5日きっちり出社して働くというスタイルはもはや過去の話だという現実を受け入れている。パートナーシップ・フォー・ニューヨーク・シティが実施した調査では、8割近くの企業が、柔軟な働き方が可能なハイブリッド勤務こそ「新常態」だと認めている。4月下旬時点で、マンハッタンで働く人々の平日の平均出社率は約4割にとどまったという。

オフィスの規模縮小に踏み切る企業も出てきた。HSBCは、5番街ブライアントパークというマンハッタンのど真ん中に位置する米国本社をハドソン・ヤード地区に移転しようとしており、スペースは半分弱になる。

現在パークアベニューに新本社を建設中のJPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)でさえ、必要なデスクのスペースは従業員の75%分で十分との考えを示唆した。

総合不動産サービスのクシュマン・アンド・ウェイクフィールドによると、マンハッタンのオフィス空室率は今年第1・四半期で既に21%に達した。同社は、マンハッタンの空室物件数が、首都ワシントンとシカゴを除く米国内の全ビジネス中心地帯の在庫規模を上回ったと指摘した。

そうなると、コストに応じて賃料を上げるのは難しくなりかねない。例えば、不動産投資信託(REIT)のボルネード・リアルティー・トラストは、昨年のニューヨークにおける既存物件からの純営業利益が2019年比で8%減少したと発表した。ボルネードやニューヨークに投資物件が集中している同業のSLグリーン・リアルティーの株価は、過去3年間でそれぞれ約45%と30%の下落となっている。

パートナーシップ・フォー・ニューヨーク・シティの集計に基づくと、マンハッタンの雇用水準自体は100万人とコロナ禍前に戻った。この8割にハイブリッド勤務が提示され、平日に半分が出社しているとすれば、必要な座席数は約60万席となり、2年余り前の需要より40%少なくて済む。どうやらニューヨークで今ひしめき合っているのは、比喩的にも文字通りの意味でも、働く人々ではなく高層ビルだけのようだ。