「太平洋諸島フォーラム」年次総会 各国の足並みの乱れ懸念 #nhk_news https://t.co/MvjZU6RAAw
— NHKニュース (@nhk_news) 2022年7月13日
フィジーの首都スバで11日から始まった太平洋の島しょ国やオーストラリアなど18の国と地域で作る「太平洋諸島フォーラム」は、最終日の14日、各国の首脳が出席した全体会合が行われています。
会合は非公開で行われ、近年、地域で影響力を拡大する中国との経済や安全保障分野での関わり方や、気候変動問題などについて議論されるとみられています。
ただ、ことしの会合ではキリバスが去年の事務局長選挙で、キリバスを含む複数の国が推していた候補者が選出されなかったことを理由に脱退を表明し、マーマウ大統領が欠席したほか、マーシャル諸島やクック諸島などの首脳も地元の選挙などを理由に欠席しています。
太平洋諸島フォーラムは、広大な地域に位置する島々が地域の課題に連携して取り組むための枠組みとして位置づけられていますが、各国の足並みの乱れも懸念される中、中国のさらなる進出を招きかねないとの見方も出ていて、会合を通じて一致した姿勢を示すことができるかが焦点となります。
「太平洋諸島フォーラム」 気候変動や安全保障など連携で一致 #nhk_news https://t.co/5iHanYpypn
— NHKニュース (@nhk_news) 2022年7月14日
フィジーの首都スバで行われていた、太平洋の島しょ国やオーストラリアなど、18の国と地域で作る「太平洋諸島フォーラム」の年次総会で14日、加盟国の首脳らが出席した全体会合が非公開で行われました。
会合のあと議長国フィジーのバイニマラマ首相は「この地域はさまざまな複雑な課題に直面しているが、共通の課題にともに取り組むことが重要なことに疑いの余地はない」と述べ、気候変動などの分野で連携していくことで一致したことを明らかにしました。
また、この地域で影響力を拡大する中国を念頭に安全保障問題についても話し合われたということで、事務局によりますと、加盟国が他国と安全保障の協定を進める際などには事前に情報共有を行うなど連携を強化することを確認したということです。
今回の会合をめぐっては、キリバスが去年の事務局長選挙をめぐる意見の相違から脱退を表明したほか、6つの国と地域の首脳も地元の選挙などを理由に欠席するなど、加盟国の足並みの乱れも懸念され、中国のさらなる進出を招きかねないとの見方も出る中、太平洋諸島フォーラムとしての連携の在り方に課題を残す形となりました。
「太平洋諸島フォーラム」からキリバスが脱退を表明したことに中国が関係しているのではないかと報じられたことについて、中国外務省の汪文斌報道官は今月11日の記者会見で「報道は事実無根であり、全く根も葉もないことだ。強調したいのは、中国は一貫して太平洋島しょ国の内政に干渉しないということだ」と反論しました。
太平洋諸島フォーラムへの関与にとりわけ力を入れているのが、加盟国オーストラリアです。
アルバニージー首相は13日、フィジーで中国と安全保障に関する協定を結んだソロモン諸島のソガバレ首相と会談し、この地域で軍事化が進むことへの懸念を伝えたものとみられます。
今回の会合について、アルバニージー首相は「焦点の1つはこの地域で現在進行形で起きている戦略的な競争だ。オーストラリアは島しょ国との関係を尊重しながら進めていく」と述べ、影響力を拡大する中国を念頭に、各国との関係を強化していく考えを示しました。
オーストラリアとともに懸念を強めているのがアメリカです。
ことしは、ハリス副大統領が会合にオンラインで参加し、キリバスとトンガに大使館を開設する計画や、太平洋島しょ国の経済開発や違法漁業対策などへの支援を拡大させる方針を表明しました。
そのうえで「法の支配に基づく秩序を破壊しようとする悪質な国々を目の当たりにしている今、私たちは団結しなければならない」と述べ、バイデン政権としてこの地域への関与を深めていく方針を加盟国に伝えました。
南太平洋の島国フィジーでも経済分野を中心に中国の影響力が高まっているとみられます。
首都スバでは、中国による援助や投資で建設された商業施設やホテルなどが立ち並んでいます。
代表的なものは市内の2つの橋で、4年前、中国の援助で建設され「中国とフィジー友好の橋」と名付けられ、市民生活に不可欠なインフラとなっています。
また、スバの中心部では中国企業によって道路工事が進められ、中国資本のホテルも近く営業を始めます。
このホテルの警備員として働くという男性は「中国企業はフィジーの企業より高い給料を支払ってくれる」と中国資本の参入を歓迎していました。
フィジーには、中国の王毅外相がことし5月に訪問し、バイニマラマ首相と会い、親密さをアピールしたほか、滞在中、オンラインで国交のある島しょ国10か国との会議に臨み、安全保障や貿易の分野で協力を進める新たな構想を提案するなどこの地域で影響力を高める姿勢を鮮明にしました。
中国のフィジーへの接近に警戒感を強めるオーストラリアは、同じ5月、ウォン外相をフィジーに派遣し、連携を強化していくとのメッセージを伝えました。
太平洋島しょ国の情勢に詳しいオーストラリアのシンクタンク「ローウィー研究所」のミハイ・ソラ氏は、影響力を拡大する中国について、ことし4月にソロモン諸島と結んだ安全保障に関する協定をきっかけに、今後も太平洋の島しょ国と関係強化を進め、影響力をさらに強めていくと分析しています。
ソラ氏は「ソロモン諸島と中国が結んだ協定はこの地域すべての国に影響を与える可能性がある。中国は今後も太平洋諸島フォーラムの各国に安全保障や経済分野での働きかけを積極的に進めていくだろう」と述べました。
そのうえで、今回、キリバスが太平洋諸島フォーラムからの脱退を表明し、そのほかにも複数の国の首脳が欠席したことについて、ソラ氏は各国の足並みの乱れが懸念される中、中国につけいる隙を与える可能性があると指摘しました。
ソラ氏は一方で「この地域で影響力を拡大させようという大国間の地政学的な競争が、地域の優先課題から注意をそらす可能性がある。主要な課題は気候変動であるはずだ」とも述べ、海面上昇などの気候変動問題も各国が連携して取り組む喫緊の課題だという見方を示しました。
#反中国#対中露戦#習近平伏魔殿体制=旧体制