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2日のブラジル大統領選は複数の世論調査の事前予想を裏切って右派の現職ボルソナロ大統領が善戦し、第1回投票での左派ルラ元大統領勝利とはならず、両者の対決は30日の決選投票に持ち越されることになった。2016年米大統領選や同年の英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票で保守派の強さを見誤った世論調査の「失敗」が再び繰り返された形だ。

事前の各種世論調査では、ルラ氏は7ポイントから最大17ポイントのリードと予想されていたが、蓋を開けると差は5ポイントの接戦だった。

世論調査会社アトラスインテルの責任者アンドレイ・ロマーニ氏は3日、ツイッターで、謝罪が必要だと表明。同社が9ポイント差を予想していたことに言及し、「われわれはこの食い違いに真摯に向き合わなければならない」とした。

17ポイント差と予想していた世論調査IPECは、この予想数字は決選投票に進む可能性はほとんどないことを示していたと認め、最後の最後に他の見込み薄の候補者からボルソナロ氏に乗り換える動きが出たと分析。世論調査の手法を分析し直しているとした。

政治分析のダルマ・ポリティカル・リスクの責任者、コレオマール・デソウザ氏によると、ボルソナロ氏は女性や少数派向けの発言で批判されることの多い右翼の人物で、支持者の多くは物議を醸すそうした人物を支持していることを世論調査に明かしたがらない。トランプ前米大統領が勝利した16年米大統領選にもあてはまった現象だ。

デソウザ氏はブラジル特有の事情も指摘する。コロナ禍の影響で同国では2010年を最後に国勢調査が実施されておらず、世論調査会社の母集団無作為層化抽出がやりにくかったという。移民の多いブラジル社会の変化は早く、例えば右寄りの福音派キリスト教徒の票は急激に伸長している。

今回の選挙直前の数週間で一部の世論調査がルラ氏のリード拡大と1回目投票での当選確定を示す結果になったことで、保守派有権者がびっくりし、他のより中道な候補者の支持をやめてボルソナロ氏支持に回った可能性もある。ルラ氏はこうした展開を警戒し、あえて直前の世論調査結果にコメントするのを避けてきたが、その甲斐はなかったようだ。

政治アナリストらによれば、ブラジルの保守派が、これはブラジル以外でも言えることだが、単純に世論調査会社を信頼していないようにみえることもある。保守派が回答に応じないことで調査結果が保守派支持の候補者の強さを過小評価し、これが保守派有権者世論調査への不信をさらに強めるという悪循環になっている可能性がある。

特にボルソナロ氏は4年間の任期中のほとんどで主要世論調査機関叩きを続けてきた。同氏の最側近も2日、支持者らに対し、決選投票までの期間の世論調査には一切応じず、調査結果も無視するよう呼びかけた。ツイッターで「世論調査会社は今回、不祥事をやらかした。犯罪的な誤りだ。一体何が起きたのか明らかにするには大がかりな捜査が必要だ」とたきつけた。

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