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#天皇家

スウェーデンストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、日本時間の5日午後7時前、ことしのノーベル化学賞の受賞者を発表しました。

受賞が決まったのは、▼アメリカ、スタンフォード大学のキャロリン・ベルトッツィ教授と▼デンマークコペンハーゲン大学のモーテン・メルダル教授、▼アメリカ、スクリプス研究所のバリー・シャープレス教授の3人です。

3人はさまざまな分子を効率的に結合させる手法の発見などが評価されました。

受賞が決まったアメリカ、スタンフォード大学のベルトッツィ教授は電話でインタビューに応じ「ありがとう。受賞にはとても驚いている。呼吸ができないほどだ。まだ現実だとは思えないが少しずつ実感している」などと喜びを語りました。

ノーベル化学賞の受賞が決まった3人の研究者のうちアメリカ、スクリプス研究所のバリー・シャープレス教授は、2001年に当時、名古屋大学大学院の教授だった野依良治さんと一緒にノーベル化学賞を受賞していて、今回が2回目の受賞となります。

このとき、野依さんとシャープレス教授らは特定の分子構造を持つ有機化合物を触媒を使って人工的に合成する方法について、それぞれの研究が評価され受賞しました。

スウェーデンストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は、日本時間の5日午後7時前、ことしのノーベル化学賞の受賞者を発表しました。

受賞が決まったのは▼アメリカ、スタンフォード大学のキャロリン・ベルトッツィ教授と▼デンマークコペンハーゲン大学のモーテン・メルダル教授、▼アメリカ、スクリプス研究所のバリー・シャープレス教授の3人です。

シャープレス教授はさまざまな分子の結合を、効率的でシンプルに行う「クリックケミストリー」と呼ばれる手法を提唱しました。

そして、シャープレス教授とメルダル教授はそれぞれ別々に、「クリックケミストリー」の柱となる反応を開発しました。

この手法では余分な生成物をほとんど作らずに求める合成物を効率的に生み出すことができ、さまざまな反応条件を探さなくてもねらった分子を結合させることができるようになりました。この手法によって作ることが出来る分子の種類が大幅に増え、医薬品や材料の開発など、幅広い分野で活用されています。

またベルトッツィ教授は、この手法を生きた細胞でも使えるようにしました。たとえば、特殊な化合物を細胞の表面に結合させることで細胞を光らせたり、印を付けたりすることができるようになり、がん細胞の分子の動きなどを観察することが可能になりました。

この研究をもとに新しいタイプのがんの治療薬の開発などが進められています。

受賞が決まったアメリカ、スタンフォード大学のベルトッツィ教授は電話でインタビューに応じ「ありがとう。受賞にはとても驚いている。呼吸ができないほどだ。まだ現実だとは思えないが少しずつ実感している」などと喜びを語りました。

ベルトッツィ教授は、名古屋大学の関係者が創設した国際賞「名古屋メダル」のゴールドメダルをことし3月に受賞していて、関係者からは喜びの声が聞かれました。

名古屋メダルは、ノーベル化学賞を受賞した名古屋大学特別教授の野依良治さんと中部大学の山本尚教授らが1995年に創設した国際賞で、特に有機化学の分野で国際的に偉大な業績をあげた研究者に毎年贈られています。

名古屋メダル受賞者の選考にあたった名古屋大学の伊丹健一郎教授は「うれしいかぎりです。キャロリンにはおめでとう、ありがとうと早速メールしました。名古屋メダルの受賞者にぜひノーベル賞を取ってほしいと思っていた。驚きと喜びでいっぱいです」と話していました。

伊丹教授によりますとベルトッツィ教授のほかに、これまでに名古屋メダルのゴールドメダルを受賞した4人がノーベル化学賞に輝いているということです。

ノーベル化学賞に選ばれた3人のうちの1人、スクリプス研究所のバリー・シャープレス教授は、2001年に当時、名古屋大学大学院の教授だった野依良治さんと一緒にノーベル化学賞を受賞していて、今回が2回目の受賞となります。

このとき、野依さんとシャープレス教授らは特定の分子構造を持つ有機化合物を触媒を使って人工的に合成する方法について、それぞれの研究が評価され受賞しました。

これまでにノーベル賞を2回受賞した人はラジウムを発見した科学者で、「キュリー夫人」として知られているマリー・キュリーさんを含めあわせて4人でシャープレス教授は5人目となります。

JST科学技術振興機構野依良治 研究開発戦略センター長は、2001年に、ことしのノーベル化学賞に選ばれた3人のうちの1人、アメリカ、スクリプス研究所のバリー・シャープレス教授とノーベル化学賞を共同で受賞しました。

野依さんはシャープレス教授の受賞決定について、「親友なのでとても喜んでいます。彼は夢を追い続ける青年のような気持ちを持ち続けた人で、それが花開いたことを心から祝福したいです」と喜びを語りました。

シャープレス教授との思い出については、「1969年に私は名古屋大学から、シャープレスはスタンフォード大学からともにハーバード大学に来てポスドク研究員を始めたころに出会い、教授は違いましたが非常に仲よくなり、家族どうしもつきあってきた間柄です。彼は話していても次に何を話し出すかわからないというような人で、いつも新しい夢を見ているような人です」と紹介しました。

そして、2度目となる今回の受賞が若い研究者に与えるメッセージについては、「一般的に研究者は良いテーマを見つけるとほかの研究をすることは難しいですが、シャープレス教授は2000年ごろにそれまでの成功体験を捨てて新しい分野に転身しました。自分の専門は大事にしつつ、それがどういう風な科学的な意味を持つかを常に考えて、展開をしていかなければいけないということだと思います。若い人には無限の可能性があり、それは高さと広さの両方がありますが、少し広く物事を見ることが大切ではないでしょうか。日本ではこの道一筋という生き方が非常に高く評価される傾向がありますが、たまには違う道に入ってみることも大事ではないでしょうか」と話していました。

ノーベル化学賞の受賞が決まった3人のうちの1人で、2度目の受賞となるアメリカ、スクリプス研究所のバリー・シャープレス教授は、2010年に福岡市の九州大学を訪問し、若手研究者や学生を前に特別講演を行っていました。

九州大学は、ノーベル賞級の受賞歴があり九州大学の教育や研究への貢献が見込まれる人に対し、「九州大学栄誉教授」の称号を授与しています。

名古屋大学大学院の教授だった野依良治さんとともにノーベル賞を受賞し、九州大学の研究者とも共同研究の実績があったシャープレス教授にこの称号を贈っていました。

九州大学によりますと2010年5月に行われた栄誉教授の称号授与式のあと、シャープレス教授は福岡市西区の伊都キャンパスで特別講演会を行い、若手研究者や学生などおよそ400人を前に自身の研究内容などを話したということです。

この講演会の運営を担当した九州大学広報室の満尾泰昭係長は「参加した学生や若手研究者との意見交換もあり、盛り上がった講演会になりました。遠い存在かと思いましたが、気配りをされる人で、物腰も柔らかく講演会のあと、直筆のサインをもらったのがたいへん印象的でした。九州大学栄誉教授が今回、再び受賞され、うれしい気持ちです」と話していました。

ことしのノーベル生理学・医学賞の受賞が決まったドイツの研究機関の研究者、スバンテ・ペーボ博士は、20年にわたって毎年のように広島県三次市の禅寺を訪れ、研究に関する本もここで執筆していました。寺の住職は「彼にとっては心を休め、自分を見つめる場であり、研究にもプラスになっていると思う」と話しています。

スウェーデン出身でドイツの研究機関の研究者、スバンテ・ペーボ博士は、絶滅した人類の遺伝情報を解析する技術を確立して人類の進化に関する研究に大きく貢献し、ことしのノーベル生理学・医学賞の受賞者に選ばれました。

ペーボ博士が20年にわたって毎年のように訪れているのが、三次市吉舎町にある禅寺、西光禅寺です。

きっかけは、25年ほど前にこの寺の住職、壇上宗謙さんと出会ったことです。

座禅に興味を持ったペーボ博士が広島県福山市の禅寺を訪れた際、2人は出会ったということで、それ以来、交流が続いています。

2013年には、ペーボ博士は西光禅寺に3か月滞在し、著書「ネアンデルタール人は私たちと交配した」を執筆しました。

先月上旬にも3日間滞在したといいます。

壇上さんによりますと、寺に滞在している間、ペーボ博士は毎朝、座禅を組んだり、精進料理を味わったりして研究への集中力を高めているということです。

壇上さんは、10年ほど前から「あなたは将来、ノーベル賞をとる」とペーボ博士に声をかけてきたということで「ずっと『ノーベル賞には全く興味はない』というような話をしていましたが、ことしの4月に『次はノーベル賞だよね』と言うと、にっこりしながら首を傾け『そうかもね』と言っていました。受賞が決まったときは飛び上がるくらいうれしかったです」と話していました。

そのうえで「彼にとっては、この寺が心を休める場であり、自分を見つめる場でもあります。20年以上、通い続けているということは、研究にもプラスになっているんだろうと思います」と話していました。

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