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北朝鮮は4日午前、弾道ミサイル1発を発射し、青森県の上空を通過したあと、日本のEEZ排他的経済水域の外側の太平洋に落下したとみられています。

防衛省によりますと、最高高度はおよそ1000キロ、飛行距離はおよそ4600キロと北朝鮮が発射した弾道ミサイルのなかでは最も飛行距離が長く、IRBM=中距離弾道ミサイル級以上の射程があると考えられるとしています。

防衛省関係者によりますと、ミサイルは2000キロ余り飛行した地点で最高高度に達していたということで、今回の発射が中距離弾道ミサイル級だった場合最高高度や飛行距離などから、射程が最も長くなる「ミニマムエナジーと呼ばれる軌道で発射された可能性があるということです。

北朝鮮から4000キロの範囲には、アメリカ軍の拠点があるグアムなどがあることから、防衛省北朝鮮がグアムを射程に収めるミサイルの実用化などを進めているとみて詳しい分析を進めています。

韓国軍の合同参謀本部は、北朝鮮が4日、中距離弾道ミサイル1発を発射したことに対抗し、5日、アメリカ軍とともに地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」を4発、日本海に向けて発射したと発表しました。

合同参謀本部は「北がいかなる場所から挑発しても、それを無力化できる能力と態勢を示した」と強調し、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮をけん制しました。

韓国軍によりますと、北朝鮮は4日、北部のチャガン(慈江)道ムピョンリ(舞坪里)付近から東に向けて日本の上空を通過させる形で中距離弾道ミサイル1発を発射し、飛行距離はおよそ4500キロに達しました。

一夜明けた5日付けの朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、党の政策実現を呼びかける社説を1面に掲載するなど、北朝鮮のメディアは今回の発射について一切伝えていません。

北朝鮮は従来、弾道ミサイルの発射後、空中で爆発するなど明確に失敗したケースを除いて、翌日までに国営メディアを通じて発表していました。

しかし、ことし5月以降は弾道ミサイルの発射を発表しなくなり、今回で10回連続です。

新型コロナウイルスの感染が国内で拡大したことを受けて、国民感情に配慮して発表を控えているのではないかという観測も出ていましたが、新型コロナを抑え込んだとして「勝利宣言」を行った8月以降も発射の発表はないままです。

このため北朝鮮は発射実験や訓練の常態化を印象づけるねらいや、手の内を明かしたくない思惑などから、発射を内外に誇示する方針を転換した可能性が指摘されています。

北朝鮮が4日、日本の上空を通過する形で弾道ミサイルを発射したことについて、国連の安全保障理事会では、対応を協議する緊急会合が日本時間の6日朝に開催されることになりました。

会合の開催を要請したアメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は4日、自身のツイッターに「日本上空を飛んだ北朝鮮による危険な弾道ミサイル発射に対処するため安保理会合を要請した。北朝鮮が違法な弾道ミサイル大量破壊兵器の計画を推し進めるのを制限しなければならない」と投稿しました。

弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮をめぐって安保理では、欧米各国がいっそう圧力をかけるべきだとしていますが、中国とロシアは制裁を緩和すべきだと主張し、対立が続いています。

ことし5月には、北朝鮮への制裁を強化する決議案をアメリカが提出して採決が行われましたが、中国とロシアが拒否権を行使して決議案は否決されていて、今回の緊急会合でも安保理として一致した対応を示すのは難しいのではないかとみられています。

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