https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

イエレン米財務長官は最近のインフレ高騰を引き起こした新型コロナウイルスパンデミック(世界的大流行)期のゆがみが消失して物価が沈静化すれば、持続的な低インフレが再び米経済の長期的課題になる可能性が高いとの見解を示した。

  イエレン氏は27日、訪問先のヨハネスブルクでインタビューに応じ、「われわれは異例で困難な時期を経験している」が、賃金・物価スパイラル上昇が発生した「1980年代や70年代の状況に戻ることは決してないと思う」と述べた。

  主要中央銀行が数十年ぶりの高インフレを抑え込むまでにはなお時間を要する見通しだが、物価上昇が鈍化する中で議論の中心はインフレとの闘いが終わった後に何が起こるかという問題へとシフトしつつある。

  経済・政治の両面でこの予測を誤るリスクは大きい。イエレン氏はパウエル連邦準備制度理事会FRB)議長や米経済界の権威と共に2021年の時点で、インフレ高騰は「一時的」なものにとどまるとの誤った見通しを示していた。しかしイエレン氏はその後、判断を間違ったと認め、金融当局の積極的な政策引き締めを通じた物価抑制の取り組みを支持した。

  イエレン氏はインタビューで、「インフレ期待は十分安定してきたし、なおしっかりと安定していると思う」とし、「従ってわれわれは賃金・物価スパイラルを予想していない。それは起こらないだろう」と話した。

  米消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は昨年6月に9.1%に達した後、12月には6.5%まで鈍化した。利上げに加え、サプライチェーンへの圧力緩和と石油の値下がりが寄与した。

   サマーズ元米財務長官や国際通貨基金IMF)の元チーフエコノミストで現ハーバード大学教授(経済学)のケネス・ロゴフ氏らは世界経済について、高インフレと高金利がより頻繁にもたらされる地政学的緊張と債務危機の時代に入りつつあると警告してきた。

  一方、元IMFチーフエコノミスト、オリビエ・ブランシャール氏はイエレン氏の立場に近く、現在のインフレ水準は持続せず、FRBを含む世界の中銀は金利がゼロ近辺となる環境への回帰に直面すると主張。これを防ぐため中銀はインフレ目標を2%から3%に引き上げるべきだと提案している。

  イエレン氏はインフレ率が目標の2%まで下がるのに要する時間について言及せず、また目標に到達した場合に当局がどう反応すべきかについてもコメントしなかった。

原題:Yellen Sees Low Inflation as More Likely Long-Term Challenge(抜粋)

#インフレ(アメリカ)
#経済予測(アメリカ・イエレン)