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米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は8日、下院金融サービス委員会の公聴会で証言し、利上げペースが加速し、最終的な金利水準が想定以上に上昇する可能性を再確認しつつも、今月21─22日の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定する利上げ幅については議論が続いており、今後入手される指標次第と強調した。

パウエル議長は、今月の会合について「まだ何も決定していないと強調する」とした上で、7日に上院銀行委員会で行った証言を踏襲し、「入手される情報全体が引き締めペースの加速を正当化すれば、利上げペースを加速させる用意がある」と述べた。

さらに「われわれはあらかじめ設定された道筋にいるわけではない」とし、FOMCまでに発表される雇用統計やインフレ指標を注視し、利上げペースを再加速させる必要があるかどうか判断すると表明。前日に上院銀行委員会で行った証言の内容を踏襲した上で、慎重な姿勢を改めて示した。

その上で「物価安定の回復に失敗した場合のコストは極めて高く、成功した場合に伴うコストをはるかに上回る」と強調し、景気を減速させるために失業率が幾分上昇する必要があるという認識を改めて示した。

前日の上院銀行委員会の公聴会と同様に、議員らはパウエル氏に対し、FRBの政策が経済に及ぼす影響のほか、物価上昇を抑えようとするあまり景気後退(リセション)のリスクを冒していないかなどについて質問。

パウエル議長は、インフレは「一過性」の要因によるもので自然に緩和していくとFRBが当初見なしたことは誤りだったと改めて認めた上で、新型コロナウイルス禍からの回復を通して労働市場がどのように振る舞ってきたかについても驚いているとし、「初めてのことを多く経験した。またこのような『投球』を受けることがあれば、どのように(バットを)振ればいいのか分かるはずだ」と述べた。

景気後退を回避するために利上げを一時停止するかとの質問に対しては「イエスかノーか、答えることはしない。これは深刻な質問だ。全ての事実を承知しているわけではないため、答えることはできない」と回答した。

パウエル議長の今回の議会証言でFRBの金融政策の軌道に対する予測がリセットされ、金利先物市場ではFRBが月内のFOMCで0.5%ポイント利上げを実施するという観測が強まっている。

パウエル氏は、1年間にわたる急速な利上げを受け、経済の調整がまだ続いている可能性があると指摘。「今年の利上げペースを落とすことは、効果をより多く確認するための方法だと承知している」と述べた。

*3月会合前に重要なデータの発表がある

*(8日午前に発表された)米雇用動態調査(JOLTS)にまだ目を通していない

*3月会合についてまだ何も決定していない、データ次第

*ターミナルレート(最終到達点)は予想を上回る公算大きい

*非常に堅調な雇用統計とインフレ指標は同じ方向にある

*議会による債務上限引き上げが唯一の策、苦境から抜け出す策は存在しない

債務不履行となれば、FRBが経済を守ることができると誰も想定すべきでない

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行、議会の承認が必要

FRB、銀行が気候変動に絡むリスクの管理を確実にする役割を担うが、その役割は極めて限定的

*気候問題巡り、FRBの役割を注意深く守る

*米ドルは世界の基軸通貨として唯一の存在

*米、歳入がマイナスでも債務の支払い可能

*インフレ率は鈍化しつつあるが、非常に高い

労働市場の逼迫、高インフレの一因の公算大きい

*全ての予測、年内に家賃の伸び鈍化を見込む

*インフレ抑制に失敗した場合のコスト、制御するコストよりもはるかに大きくなるだろう

*物価押し下げにコミット

*中国の速いペースでの経済再開は商品価格に上昇圧力をかけるが、サプライチェーンの回復加速させる可能性

*中国に絡む影響、全体としては軽微と予想

*金融政策効果発現にはタイムラグがあると認識

*今年、金利上昇のペースを縮小しているのはタイムラグの影響をよりよく確認するため

*これまでに入手されたデータで、ターミナルレート(政策金利の最終到達点)が一段と高くなる必要があることが示されている

*気候変動は議会の課題であると強く感じている

FRBの独立性は重要

FRBが2%としているインフレ目標に変わりはない

*今はインフレ目標の変更を考える時期ではない

*レポ市場は最近、適度に機能

*インフレ抑制が極めて重要

*債務上限危機解決に向けた1兆ドルのプラチナコイン(法定通貨)発行案は手品で「帽子からウサギを取り出す」ようなもの、そのような策は存在せず

*供給不足とサプライチェーンの問題が改善すれば、企業のマージンは低下する見通しで、インフレ鈍化に一部寄与へ

*バランスシート縮小、順調に進んでいる

住宅ローン担保証券MBS)購入は深刻な状況においてのみ

#FRB#金融政策

全米の12の地区連銀がまとめた最新の経済報告によりますと、経済活動は前回、1月の時点から緩やかなペースで拡大している地区と、ほとんど変化がなかった地区がそれぞれ6つあり、全体としてわずかに増加したと判断しています。

このうち個人消費はおおむね堅調で、いくつかの地区では例年、小売の売り上げが低迷する年明け以降に緩やか、または強い伸びを示したということです。

一方、いくつかの地区は、高いインフレ率と金利の上昇が消費者の購買力などを低下させ続けていると指摘し、クレジットカードの負債が増加していることへの懸念も示しました。

ただ、旅行や観光関連がほとんどの地区で好調を維持し、雇用も堅調に推移するなどアメリカ経済の強さを示す形となっています。

FRBは異例の利上げによって景気を冷やすことでインフレを抑え込みたい考えですが、このところ発表されている経済指標はインフレの根強さを示すデータが相次いでいます。

このためFRBのパウエル議長はインフレの抑制に向けてさらに利上げを続ける方針を強調していますが、景気を冷やしすぎれば景気後退に陥るリスクを抱えていて難しい局面が続きます。

#FRB#経済統計#ベージュブック