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労働省が2日発表した3月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が38万4000件減の959万件となり、2021年4月以来の低水準となった。減少は3カ月連続。市場予想は977万5000件だった。

2月の求人件数は997万4000万件と、従来の993万1000件から上方修正された。

求人数は昨年12月から合計160万件減少。労働市場の軟化が示唆され、連邦準備理事会(FRB)のインフレ対応が支援される可能性がある。

3月の失業者一人当たりの求人件数は1.6件で21年10月以来の低水準。2月は1.7件だった。この日から2日間の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開始したFRB労働市場の状況を見極めるためにこの比率に注目している。

ブリーン・キャピタル(ニューヨーク)のシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「失業者一人当たりの求人件数が過去3カ月低下していることで、労働力の過剰需要が低減している可能性があり、FRBはこれを歓迎するだろう」と指摘。ただ「21年11月以前のどの時期と比べてもまだも高い水準にあることを踏まえると、歴史的な基準から見れば労働市場は依然として引き締まった状態にある」と述べた。

求人件数の減少は従業員数1─49人の中小企業に集中した。業種別では、運輸・倉庫・公共事業で14万4000件減。専門・ビジネスサービス業では13万5000件減、小売業では8万4000件減となった。ヘルスケア・社会支援業での減少も目立った。一方、教育サービスでは2万8000件増加した。

地域別では4地域全てで減少。中西部・西部で急減した。

求人率は5.8%と前月の6.0%から低下し、21年3月以来の低水準となった。

採用件数は610万件と、前月からほぼ横ばい。採用率も4.0%と、横ばいだった。

レイオフ・解雇件数は24万8000件増の180万件と、20年12月以来の高水準。レイオフ・解雇率は1.2%と、1.0%から上昇し、20年12月以来の高水準となった。

業種別では、建設業で11万2000件。住宅ローン金利の上昇が住宅市場の重しになっていることが背景にあるとみられる。宿泊・飲食業は6万3000件、ヘルスケア・社会支援業は4万2000件だった。一方、専門・ビジネスサービス業は4万9000件増加した。

レイオフ・解雇件数の大半を中小企業が占めた。また4地域全てで増加した。

求人件数が減少する一方でレイオフ・解雇件数が増加する中、自発的な離職件数は減少。385万件と、前月の398万件から減少し、21年5月以来の低水準を付けた。

労働市場に対する信頼感の目安となる自発的な離職率は2.5%と、前月の2.6%から低下。多くの人が積極的に転職していた21年終盤から22年序盤にかけては2.9─3.0%だった。

JPモルガン(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は、求人率、離職率、解雇率の動向は労働市場が冷え込みつつあることを示しているとし、「労働市場に軟化の兆候が出ていることは2─3日のFOMCの決定を大きく変える要因にはならないものの、労働需要に対する金融引き締めの累積的な効果が出始めていることを示している」と述べた。

#経済統計(アメリカ・雇用動態調査)