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シリア北西部では、アサド政権の攻撃から逃れた人たちが避難民キャンプなどで生活していて、国連安保理は、隣国のトルコから陸路で食料や医薬品などを運び込む「支援ルート」を定めています。

しかし、アサド政権の後ろ盾のロシアは、人道支援はトルコ経由のルートではなく、アサド政権を通じて行われるべきだと主張してきました。

こうした中、国連安保理では11日、前日の10日で設置期限が切れた支援ルートの期限を来年4月までの9か月間、延長するとした決議案が採決にかけられました。

その結果、
▽13か国が賛成しましたが、
▽ロシアが拒否権を行使して否決されました。
▽中国は棄権しました。

安保理でロシアが拒否権を行使したのは、去年9月以来です。

続いてロシアが提出した延長を6か月に限る決議案については、
▽ロシアと中国が賛成したのに対し、
アメリカ、イギリス、フランスが反対、
▽日本を含む非常任理事国10か国が棄権し、否決されました。

欧米側は、冬に支援が途絶えないようにするためには6か月の延長では不十分だなどと主張しました。

安保理での協議は続けられますが、ロシアと欧米の対立によって、国連機関やNGOなどによる人道支援活動が十分にできなくなる懸念が高まっています。

「もし援助止められたら、子どもたちは飢えて死んでしまう」

シリア北西部は反政府勢力が支配する地域で、アサド政権の攻撃から逃れた人たちが避難民キャンプなどで暮らしていて、国連によりますと、「支援ルート」を通じ、400万人以上が人道支援を受けてきました。

「支援ルート」の設置期限を迎えた今月10日、北西部イドリブ県のキャンプでは援助が途絶えるのではないかという不安の声が上がっていました。

このうち、内戦で夫を失ったという35歳の女性は、「もし援助が止められたら、子どもたちは飢えて死んでしまいます。援助を止めないでほしいです」と訴えていました。

また、4年前からキャンプで3人の子どもと暮らす45歳の男性は、「援助が止まれば、私たちにはもう居場所はない」と話していました。

この日、キャンプの近くにある倉庫では、期限前、最後となる搬入作業が行われ、国連の支援物資を積んだトラックが隣国トルコから次々と到着していました。

野国連次席大使「非常に残念に思う」継続へ働きかけ

安保理の会合のあと、日本の志野国連次席大使はNHKの取材に対し「シリアは悲惨な人道状況にあり、何らかの決議で支援を継続する必要があったため、この結果を非常に残念に思う」と述べました。

また、支援ルートの設置期限の延長について「人道支援は準備に時間がかかり、6か月では短い。一方で9か月あれば来年の冬を乗り越えることができ、この違いは大きい」と説明しました。

そして、ことし2月の大地震によってシリアで大きな被害が出たことについて言及し「地震のあと、どのような状況にあるのか、われわれは身にしみてわかっている。なんとかして支援を継続できるようにしていきたい」と述べた上で今後、安保理の議論をまとめられるよう、各国への働きかけに力を入れる考えを強調しました。

一方、国連のグテーレス事務総長は11日、報道官を通じて声明を出し「失望している」とした上で、人道支援ルートについて「シリア北西部の何百万人もの人たちにとってライフラインだ」として、支援の継続に向けて努力するよう安保理のすべての理事国に呼びかけました。

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