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超過利潤課税を一部撤回
イタリア政府は銀行の「超過利潤」に課す新税の一部を撤回し、多くの銀行にとって影響を抑制する措置を導入すると説明した。新税の発表で同国主要銀行の株価が急落、時価総額が合計約100億ドル(約1兆4300億円)失われたこともあり、市場の混乱収拾を図った。同国財務省は、新税による徴収税額は対象企業の資産の0.1%を超えることはなく、預金者向けの金利をすでに引き上げている銀行には「この規則の結果、重大な影響が及ぶことはない」と発表した。

ガス価格40%急騰
欧州の天然ガス先物価格が一時40%高と、2022年3月以来の大幅上昇を記録。今年6月以降で初めて1メガワット時当たり40ユーロを上回った。オーストラリアの一部施設で労働者がストライキを起こす可能性があり、液化天然ガス(LNG)の供給リスクが強まった。シェブロンおよびウッドサイド・エナジー・グループの豪州施設で働く労働者がスト実施を決定。同国からのLNG輸出に影響が及び、LNG市場の需給が世界的に引き締まる恐れが出てきた。ストが決行される場合の時期は今のところ明らかではない。

FRB封じ込めに疑問符
債券市場が注目する長期の米インフレ期待指標が、9年ぶりの水準に向かって上昇している。米金融当局が長年にわたり物価上昇圧力と格闘せざるを得ないとの懸念を反映している可能性がある。2028年から始まる5年先5年物ブレークイーブンレートは2.5%前後まで上昇。今回の利上げサイクルのピークである22年4月の水準に迫った。昨年4月のこの水準は14年以来の高さだった。MUFGセキュリティーアメリカの米国マクロ戦略責任者、ジョージ・ゴンカルベス氏は、同ブレークイーブンレートで2.75%あるいは3%を目指すような動きとなれば市場のインフレ心理の変化を意味することになり、「米金融当局が2%のインフレ目標を維持できるかどうか疑問符がつくだろう」と指摘した。

当面は維持可能と判断
米アップルのアプリ市場「アップストア」を巡りゲームソフトメーカーのエピックゲームズが起こした訴訟で、米連邦最高裁判所は、アップルは当面、アップストアの課金制度を維持できるとの判断を示した。人気ゲーム「フォートナイト」を開発したエピックは、アプリの開発業者がiPhone(アイフォーン)ユーザーを他のシステムに誘導できるようにするべきだと訴えていた。最高裁のケーガン判事は連邦高裁の決定を即時発効させることはないと述べ、エピックの要求を退けた。

麻生氏の発言に警告
自民党麻生太郎副総裁が台湾訪問の際に日米や台湾は「戦う覚悟」を示す必要があると発言したことを受け、中国は日本に対し「再び道を誤ることがないよう」警告した。在日本中国大使館は、麻生氏の発言は「中国の内政に著しく干渉するものであり、台湾海峡の安定を損ねた」と主張。中国外務省もこの後、「海峡を巡る緊張をあおるだけでなく、反目と対立を図り、中国の内政に対するあからさまな干渉を狙った無責任な発言だ」との声明を発表した。

ニューヨーク原油市場ではこのところ原油価格の上昇傾向が続いていて9日は国際的な取り引きの指標となるWTI先物価格が去年11月以来、およそ9か月ぶりに1バレル=84ドル台まで上昇しことしの最高値を更新しました。

産油国サウジアラビアによる原油の自主的な追加減産が来月まで延長されることに加えて、ロシアとウクライナの攻防が激しくなっている影響でロシアの港からの原油の供給が滞るのではないかとの観測が出たことで需給が引き締まるとの見方が強まったことが主な要因です。

市場関係者は「世界経済の減速による需要の落ち込みへの懸念が和らいでいたところに供給への懸念が強まって、原油価格がじりじりと上がる展開となっている」と話しています。

経営の自由か、乱用か。東芝は7日、投資ファンド日本産業パートナーズ(JIP)連合が株式公開買い付け(TOB)を8日に開始すると発表した。戦後の混乱期だった1949年、東京証券取引所の再出発とともに上場した名門企業が株式市場から退場する。日本で今、非上場化を選ぶ企業が増えている。

  非上場化は「投資家(の圧力)が理由ではない」。6月26日、政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)のTOBによる買収受け入れを発表した半導体素材メーカーJSRのエリック・ジョンソン社長は、オンライン会見でアクティビストによる外圧からの脱却を意図していたのかと問われ、即座に否定してみせた。

  JSRには、米アクティビスト(物言う株主)のバリューアクト・キャピタル・マネジメントが投資、2021年から社外取締役も送り込んでいた。発表によると、この総額約9000億円の大型買収のTOB価格は1株4350円と、26日終値の3934円を11%上回る。バリューアクトは今回のTOBに賛成を表明。500億円程度の売却益を得るとみられる。

  8日現在、JICの提案に対する対抗TOBの動きはない。一方、複数の関係者によると、JSRについては、あるグローバルな医薬品メーカーが一部事業の買収を検討していた。買収の動きをどこまでJSR首脳陣が把握していたかは不明だが、結果的にアクティビストや買収提案といった「雑音」から離れた。非上場化の狙いについてジョンソン氏は「成長と市場価値向上」と説明している。

  買収提案の有無について、JSR広報担当者はコメントを控えた。

巨大企業の選択肢に

  米カーライル・グループの7月の調査リポートによると、22年に非上場化した日本企業は135社と15年(47件)の約3倍に増えた。

  日本市場に強気なプライベートエクイティー(PE、未公開株)ファンドの潤沢な資金が期待できる今、巨大企業にとっても非上場化は現実的な選択肢となりつつある。大株主のアクティビストらとの対立で経営が混乱した東芝のほか、関係者によると、ソフトバンクグループは何度も経営陣が参加する買収(MBO)の可能性を協議してきた。

  非上場化増の一因にアクティビストの日本市場での活動強化があると、カーライルのグローバル・リサーチ責任者のジェイソン・トーマス氏は指摘する。「株主還元などアクティビストにとっての成功を経営陣が常に歓迎するとは限らず、自分たちが選んだパートナーと共に非公開会社として再建する道を好むことがよくある」ためだという。

増える日本企業の非上場化
アクティビストの圧力も一因か

  トーマス氏によると、非上場化は米国や他の先進国市場ではすでに約20年前に始まっている傾向で、日本では15年のコーポレートガバナンス・コード導入など一連の企業統治改革で件数が急伸した。トーマス氏は日本の非上場化の増加について「非常に前向きな傾向だ」と受け止める。欧米先進諸国との資本効率の格差是正や実効性のある企業統治改革への大きな流れを示すものだからだという。

  一方で、アクティビスト側からは、こうした流れに懸念の声が上がる。米RMBキャピタルの細水政和ポートフォリオマネジャーは、特にMBOや独占交渉による買収について「少数株主に十分配慮がなされているのか疑問だ」と指摘する。

  「例えば直近の株価より30%と相応の上乗せ幅があるTOB価格であっても、実は60%高く買う価値があるのであれば適正とは言えない。複数の提案を競わせることで一定の透明性を確保する努力をしてほしい」と同氏は注文を付ける。

  厳しい要求を突き付けるアクティビストの干渉から逃れたいという考えが動機の場合、非上場化の大義はかすみがちだ。資金の出し手でもある欧州系投資ファンドEQTパートナーズジャパンの丸岡正会長は「経営陣の保身のために非公開化に逃げようとする場合もあり、慎重に見極めている」と明かす。案件の過程で経営陣の意図を理解し、経営陣が去ろうが残ろうが適正なパッケージ(金銭などの条件)で合意するのも、買収の成否を左右する重要なポイントになるという。

安易な再上場への批判も
  トーマス氏は「日本企業の非上場化のトレンドはしばらく続きそうだ」と見通す。日本の上場企業数(金融を除く)は1人当たりで見ると米国を41%上回るほど多く、逆に「プライベート市場に余裕がないわけではないことを示唆している」と指摘。他の先進国に比べ悪い資本効率を改善するためには、企業が抱える資産を新たな所有者に譲り渡す必要があり、プライベート(非公開)市場がその受け皿になり得ると述べた。

  とはいえ、退場に当たっては、市場関係者が納得する説明が欠かせない。実は過去にも、非上場化が増加傾向だったことがあった。そうした動きに対し、東証の斉藤惇社長(当時)は、11年2月の定例会見で「投資家への説明が面倒くさいから非上場化するというのでは、この国の資本市場は成り立たない」と強い言葉でけん制。その後、一時下火になっていた。

  細水氏は「成長を加速するために非上場化したいと言って株主を追い出しておきながら、再上場のシナリオが同じく成長のためではあまりに投資家、株式市場を愚弄(ぐろう)している」と憤る。東証はMBOを経て再上場する場合に追加審査を実施しているが「安易な再上場の動きをけん制するためにも、一定期間の再上場を原則禁止とするなど、さらに厳しい措置を導入すべきだと思う」と述べた。

#非上場化(経営の自由か乱用か)

楽天グループは10日、連結子会社楽天カードに決済事業を集約する組織再編を発表した。楽天カードは今後、他社との戦略的提携や独自の資本調達などを検討する。

楽天Gが手掛けるオンライン決済事業インターネット上のポイント事業を、11月1日付で連結子会社楽天ペイメントに移管。同時に、楽天ペイメントを楽天カードの傘下に置く。

楽天Gは携帯電話事業の赤字が続き、財務基盤の強化を急いでいる。4月に楽天銀行を上場し、現在は証券子会社の株式公開も準備中。5月には公募増資などで約3000億円を調達した。

楽天グループは、中核のクレジットカード事業とスマホ決済事業を一体的に運営するため、グループの再編を行うことを正式に発表しました。カード子会社の株式の上場を今後検討し、携帯電話事業が経営を圧迫する中、財務の強化を図るねらいがあるものとみられます。

発表によりますと、楽天グループは、クレジットカード事業を行う楽天カードの傘下に、スマホ決済事業を行う楽天ペイメント」を子会社として置き、ことし11月にグループの再編を行うことを10日の取締役会で決めました。

事業を一体的に進めることでいわゆる“ポイント経済圏”の競争力強化につなげるねらいです。

楽天は、携帯電話事業でおよそ1兆円に上る基地局の整備費用が経営を圧迫し、財務基盤の強化が課題となっています。

これまでも、▽傘下の銀行や証券会社の株式の上場や、▽3000億円規模の増資など資金の調達を急いできました。

今回のグループ再編について、会社は発表で「第三者との戦略的パートナーシップや、必要に応じた独自の資本調達などについて柔軟に検討する」としていて、中核となるカード子会社で株式の上場を今後検討するものとみられます。

こうした財務基盤の強化策を一段と進めるとともに、赤字が続く携帯電話事業の立て直しをどのように進めていくかがグループ全体の課題となります。

楽天カード」と「楽天ペイメント」とは

楽天カードが手がけるクレジットカード事業は、急速に利用者を伸ばし、グループの中核に成長しています。

ことし6月末時点のカードの発行枚数は2900万枚余りとなり、去年1年間の売り上げは2900億円余りに拡大しました。

楽天カードを使った決済を行うと、グループのECサイトで商品を購入する際などにポイントの還元率が増えるというメリットを利用者にアピールしています。

会社としてはクレジットカードをきっかけにグループ内のさまざまなサービスの利用拡大につなげるねらいがあり、カード事業は「ポイント経済圏」と呼ばれる顧客の囲い込みの中心的な役割を果たしてきました。

一方、楽天ペイメント」は、QRやバーコードでのスマートフォン決済などの事業を手がけ、専用のアプリを使って加盟店舗で買い物の決済のほかポイント還元のサービスを提供しています。

ただ、この分野では別のグループの傘下にある「PayPay」が5800万人以上の登録者を集めて先行するなど競争が激しくなっていて、「楽天ペイメント」の去年1年間の決算は、最終的な損益が69億円の赤字となっています。

このため楽天はグループのポイントカードとスマホ決済を同時に使った場合のポイント還元率を引き上げるなど、さらなる利用者拡大に向けた動きを加速させていました。

各社 スマホ決済と自社クレカ連携強化の動き激しさ増す

各社の間では、利用が拡大するスマートフォン決済と自社のクレジットカードを結び付けることで、「ポイント経済圏」と呼ばれる顧客の囲い込みを強化する動きが激しくなっています。

スマホ決済のPayPayは、このところ急速に利用者を拡大し、存在感を高めています。

去年10月には、クレジットカード事業を子会社化したうえで、スマホ決済の支払い元を今後、自社のクレジットカードに限定する方針を打ち出しています。

スマホ決済の利用者をクレジットカードの発行に促すことで自社の経済圏に囲い込もうというねらいです。

カルチュア・コンビニエンス・クラブが運営するTポイントは、来年春、クレジットカードも扱う三井住友フィナンシャルグループのポイントサービスと統合することで合意し、陣営としての会員数を一気に広げる戦略を進めています。

各社ともさまざまな決済手段を結び付けることで利用者を囲い込むねらいがあり、その戦略の中心としてスマホ決済とクレジットカードとの連携を強化する動きはさらに激しさを増しそうです。

#楽天スマホ決済事業/クレジットカード事業・連携強化)

楽天グループのことし1月から6月まで半年間の決算は、ネット通販や金融事業が好調で、売り上げが9728億円と去年の同じ時期よりも9.5%増えました。

一方、最終的な損益は1399億円の赤字となりました。

赤字幅は前の年の同じ時期と比べて300億円余り縮小したものの、この時期としては4期連続の赤字です。

携帯電話事業で基地局の整備などの負担から赤字が続いていることが主な要因となっています。

会社は、ことし6月から高速のデータ通信を無制限に低価格で利用できる新プランの運用を始めるなど契約者数の拡大を目指しています。

三木谷浩史社長はオンラインで行った会見で「携帯電話事業は、1週間、2週間のうちに500万回線が実現するのではないかと思っている。黒字化したうえで、国内ナンバーワンのモバイルキャリアへの道を突き進んでいこうということだ」と述べました。

基地局の整備のために発行した多額の社債の償還を来年以降に控えるなか、財務基盤の強化と携帯電話事業の早期の黒字化が経営課題となっています。

#決算(サービス・楽天

楽天グループが発表したことし1月から6月まで半年間の決算は、最終的な損益がおよそ1300億円の赤字となりました。携帯電話事業で赤字が続いていることが要因で、この時期としては4期連続の赤字となりました。

楽天グループの三木谷浩史社長は決算会見で今後の会社の経営についてみずからの考えを説明し「絶対的な自信を持っている」と述べました。

1399億円の最終赤字 主な要因は携帯電話事業に

楽天グループのことし1月から6月まで半年間の決算は、ネット通販や金融事業が好調で、売り上げが9728億円と去年の同じ時期よりも9.5%増えました。

一方、最終的な損益は1399億円の赤字となりました。

赤字幅は前の年の同じ時期と比べて300億円余り縮小したものの、この時期としては4期連続の赤字です。

携帯電話事業で基地局の整備などの負担から赤字が続いていることが主な要因となっています。

会社は、ことし6月から高速のデータ通信を無制限に低価格で利用できる新プランの運用を始めるなど契約者数の拡大を目指しています。

基地局の整備のために発行した多額の社債の償還を来年以降に控えるなか、財務基盤の強化と携帯電話事業の早期の黒字化が経営課題となっています。

楽天グループの三木谷浩史社長は10日に開いた決算会見で今後の会社の経営についてみずからの考えを説明しました。

三木谷社長「黒字化し国内ナンバーワンへ」

三木谷社長
「携帯電話事業は、1週間、2週間のうちに500万回線が実現するのではないかと思っている。黒字化したうえで、国内ナンバーワンのモバイルキャリアへの道を突き進んでいこうということだ」

クレジットカード事業などグループ再編で財務強化図るねらいか

また、中核のクレジットカード事業とスマホ決済事業を一体的に運営するため、グループの再編を行うことを正式に発表しました。

カード子会社の株式の上場を今後検討し、携帯電話事業が経営を圧迫するなか、財務の強化を図るねらいがあるものとみられます。

楽天の会見より

発表によりますと、楽天グループは、クレジットカード事業を行う「楽天カード」の傘下に、スマホ決済事業を行う「楽天ペイメント」を子会社として置き、ことし11月にグループの再編を行うことを10日の取締役会で決めました。

事業を一体的に進めることでいわゆる“ポイント経済圏”の競争力強化につなげるねらいです。

楽天はこれまでも、▽傘下の銀行や証券会社の株式の上場や、▽3000億円規模の増資など資金の調達を急いできました。

今回のグループ再編について、会社は発表で「第三者との戦略的パートナーシップや、必要に応じた独自の資本調達などについて柔軟に検討する」としていて、中核となるカード子会社で株式の上場を今後検討するものとみられます。

こうした財務基盤の強化策を一段と進めるとともに、赤字が続く携帯電話事業の立て直しをどのように進めていくかがグループ全体の課題となります。

総合キャッシュレス決済カンパニーへ進化させていく

三木谷社長
「オンラインとオフラインにマーケティングデータをどうやって組み合わせていくかということが大変重要なポイントだ。カード、ペイ、ポイントなどを一元化し、総合キャッシュレス決済カンパニーへ進化させていく」

4期連続の赤字経営への懸念については

一方、三木谷社長は4期連続で赤字となったことに関連し、ネット上で経営状況に懸念の声があることについてはー

「経営に絶対的な自信」

三木谷社長
「僕はインターネットとかニュースとか見ないので、よくわからないです。正直言って。経営に絶対的な自信を持っているということしか言えない。楽天モバイルは巨大なネットワークを3年でつくるという未曽有のプロジェクトだ。そこに果敢に挑んでいる理由は利益を上げることと、世の中のニーズと社会的な要求があるからだ」

「財務的にもまもなくグループ全体で黒字化が復活し、それによる実際のキャッシュフローもポジティブになっていくことが見えてくる。銀行、証券、そして今回のカードやペイメント事業に関しても言い方は悪いがやろうと思ったらいつでもマネタイズできるというメッセージをマーケットに送っているというのも多少ある」

楽天の財務支えるクレジットカード事業とは

楽天カード」が手がけるクレジットカード事業は、急速に利用者を伸ばし、グループの中核に成長しています。

ことし6月末時点のカードの発行枚数は2900万枚余りとなり、去年1年間の売り上げは2900億円余りに拡大しました。

楽天カードを使った決済を行うと、グループのECサイトで商品を購入する際などにポイントの還元率が増えるというメリットを利用者にアピールしています。

会社としてはクレジットカードをきっかけにグループ内のさまざまなサービスの利用拡大につなげるねらいがあり、カード事業は「ポイント経済圏」と呼ばれる顧客の囲い込みの中心的な役割を果たしてきました。

一方、「楽天ペイメント」は、QRやバーコードでのスマートフォン決済などの事業を手がけ、専用のアプリを使って加盟店舗で買い物の決済のほかポイント還元のサービスを提供しています。

ただ、この分野では別のグループの傘下にある「PayPay」が5800万人以上の登録者を集めて先行するなど競争が激しくなっていて、「楽天ペイメント」の去年1年間の決算は、最終的な損益が69億円の赤字となっています。

このため楽天はグループのポイントカードとスマホ決済を同時に使った場合のポイント還元率を引き上げるなど、さらなる利用者拡大に向けた動きを加速させていました。

「ポイント経済圏」で顧客囲い込み 各社で競争激化
各社の間では、利用が拡大するスマートフォン決済と自社のクレジットカードを結び付けることで、「ポイント経済圏」と呼ばれる顧客の囲い込みを強化する動きが激しくなっています。

スマホ決済のPayPayは、このところ急速に利用者を拡大し、存在感を高めています。

去年10月には、クレジットカード事業を子会社化したうえで、スマホ決済の支払い元を今後、自社のクレジットカードに限定する方針を打ち出しています。

スマホ決済の利用者をクレジットカードの発行に促すことで自社の経済圏に囲い込もうというねらいです。

カルチュア・コンビニエンス・クラブが運営するTポイントは、来年春、クレジットカードも扱う三井住友フィナンシャルグループのポイントサービスと統合することで合意し、陣営としての会員数を一気に広げる戦略を進めています。

各社ともさまざまな決済手段を結び付けることで利用者を囲い込むねらいがあり、その戦略の中心としてスマホ決済とクレジットカードとの連携を強化する動きはさらに激しさを増しそうです。

日本郵政は10日、2023年4―6月期の連結純損益が85億円の損失(前年同期は1185億円の純利益)となったと発表した。楽天グループ株の有価証券評価損850億円を特別損失に計上したことが要因。4―6月期決算において純損失となったのは、四半期開示を始めた2013年6月期以降初めて。

このほか、ゆうちょ銀行株式の売却に伴う持分比率低下や日本郵便の減益も影響した。日本郵便は、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業のすべてが前年同期比で減収減益となった。

ただ、7―9月期以降の時価の状況次第では、有価証券評価損を計上しない場合もあり、通期の純利益見通し2400億円は変更していない。IBESがまとめたアナリスト7人の予想平均値は2367億円となっている。

日本郵政は21年に楽天Gと提携し、約1500億円出資した。郵便局内に楽天モバイルの申し込みカウンターを設置、楽天から日本郵政にデジタルに精通した人材の派遣を行うなどとしていた。

日本郵政は、トール社ののれんの減損処理を行った2017年3月期に通期で289億円の純損失を計上している。

日本郵政のことし4月から6月まで3か月間のグループ全体の決算は、最終的な損益が85億円の赤字となりました。

会社はおととし3月、物流事業の強化などを目的に楽天グループと資本・業務提携を結び、およそ1500億円を出資しましたが、その後、楽天の株価が大幅に下落したことでおよそ850億円の特別損失を計上したことが大きく影響しました。

日本郵政は、2016年度の決算でオーストラリアの物流大手の業績悪化に伴って4000億円の損失を計上し、最終赤字となりましたが、大幅な業績の悪化はこの時以来となります。

一方、会社は、今年度1年間の業績見通しについては、来年3月末時点での楽天の株価に基づいて損失を確定させるとして、最終的な利益を2400億円と見込む従来の予想は修正していません。

#決算(サービス・日本郵政

米共有オフィス大手ウィーワークの事業アイデアは悪くなかったが、同社はそれをおかしな内容に変えてしまった。空いているオフィススペースを借り上げてサブリースするという事業は、慎重に行えばうまくいくはずだ。だが創業者のアダム・ニューマン氏と、最大の支援者であるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長の辞書に「慎重」の文字は無い。

ウィーワークはこのほど、「事業継続の前提」に疑義があることを認めた。同社が、もっと保守的な競合企業に比べて困難な仕事に手を出してきたことだけは確かだ。

経営難の兆候は至るところに現れている。8日発表の第2・四半期決算は、またしても悲惨だった。稼働率は下がり、さらに3000億ドルを食いつぶした。流動性は6億8000万ドルに減少。新たな最高経営責任者(CEO)探しの指揮を執っていたダニエル・ハーウィッツ会長は辞任した。

発行済み株式数は過去1年間で約3倍に増えた。これは5月に実施した12億ドルの株式・債務交換によるところが大きい。わずか4年前には資金調達ラウンドで企業価値を470億ドルと評価されたのに、現在の株式時価総額は5億ドルに満たない。

事業運営は下手だ。ウィーワークは主に誇大宣伝によってのし上がり、不動産会社というよりもIT企業並みの企業価値評価を享受した。学校から人工的に波を立てる「ウェーブプール」に至るまで、多方面に手を出したことで中核事業に専念できなくなった。多くのオフィススペースを買収したのは、売上高が毎年倍増し、料金が今よりずっと高かった時期だ。そのため今では29億ドルの債務を抱え、高金利が不動産市場全体を直撃する中で長期リースが130億ドルを超えている。現在のリース料は安すぎて債務返済を賄えない。

スイスに本社がある同業のIWGは、もっと慎重なアプローチによってサブリース事業で成功している。同社が今週発表した上期の利払い・税・償却前利益(EBITDA)は前年同期比14%増で、好調な需要と料金の回復によって債務も着実に減らすことができている。

在宅勤務を象徴するビデオ会議サービスのズーム・ビデオ・コミュニケーションズでさえ、従業員に職場勤務再開を呼びかけている昨今、共有オフィス事業は再び盛り上がる可能性を秘めている。バランスシートを膨らませるのには慎重であるべきだ、という肝心な点を忘れさえしなければ。

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#ウィーワーク「事業継続の前提に相当な疑義がある」

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#マーケット