米8月求人件数961万件、予想外に増加し2年ぶり高水準 https://t.co/Lt3bHCKxef
— ロイター (@ReutersJapan) October 3, 2023
米労働省が3日発表した8月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が69万件増の961万件で、増加幅は約2年ぶりの高水準となった。労働市場の逼迫した状況が示され、米連邦準備理事会(FRB)が来月利上げに踏み切る可能性がある。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は880万件だった。7月分は882万7000件から892万件に上方修正された。
8月は専門職のほか、ビジネス・サービス部門で需要が急増。求人件数は4カ月ぶりに増加した。ただ、米国の労働市場は労働需要が供給に均衡する環境に着実に向かっており、8月の失業者1人当たりの求人件数は1.51件と、前月の1.53件からやや減少した。
LPLファイナンシャル(ノースカロライナ州シャーロット)のチーフ・グローバル・ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「今回のJOLTSで示された通りに米労働市場が力強いか見極めるたに、労働省が6日に発表する9月の雇用統計が役に立つ」とし、「FRBのインフレ対応は最終段階に入っており、こうした段階でFRBだけでなく金融市場も予想より力強い統計はあまり見たくないだろう」と述べた。
<採用の伸び抑制、自発的な離職率は横ばい>
8月は求人件数の増加は従業員10人未満の小規模企業に集中。大企業も増加したものの、わずかだった。
業種別では、専門職とビジネス・サービス業が50万9000件増、金融・保険業が9万6000件増、非耐久財製造業が5万9000件増。連邦政府は3万1000件増加した。
地域別では南部と中西部で減少した一方、北東部と西部で増加した。
求人率は5.8%と、前月の5.4%から上昇した。
求人件数が大幅に増加したものの、採用件数は585万7000件と、前月からの伸びは3万5000件にとどまった。労働者不足が大きな制約になっているとみられる。採用率は3.7%と、前月から横ばいだった。
レイオフ・解雇件数は168万件と、前月から1000件減少。レイオフ・解雇率は1.1%と、横ばいだった。
自発的な離職件数は363万8000件と、前月から1万9000件増加。増加は3カ月ぶりだった。
労働市場に対する信頼感の目安となる自発的な離職率は2.3%と、横ばい。ネーションワイド(オハイオ州コロンバス)のシニア・エコノミスト、ベン・エアーズ氏は「転職の機会が低減していることが示唆されており、労働市場が冷え込む初期の兆候といえる」としている。
#経済統計(アメリカ・雇用動態調査・8月求人件数961万件・予想外に増加し2年ぶり高水準)
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米経済見通しを楽観視、金利は中期的に正常な水準へ=財務長官 https://t.co/lMI7D3Hwo2
— ロイター (@ReutersJapan) October 4, 2023
イエレン米財務長官は3日、米国のインフレは短期的に低下し、労働市場は極めて強いとし、経済の見通しを極めて楽観視していると述べた。金利については、中期的に一段と正常な水準に戻るとの見方を示した。
イエレン長官は「米経済の見通しを極めて楽観視している。短期的には極めて力強い労働市場を背景にインフレは低下している。中期的にはわれわれは現在、経済を強化し、生産能力を高めるための極めて大規模な投資プログラムに取り組んでいる」と語った。
このほか人工知能(AI)について、信じられないほど急速に進歩しているとし、生産性を大きく変える可能性があると述べた。
また、米国はいくつかの重要な分野で中国に過度に依存していると指摘。米国は中国から完全に離脱することなく、リスクを軽減する必要があるとの考えを示した。
#経済予測(アメリカ・イエレン財務長官「米経済の見通しを極めて楽観視している。短期的には極めて力強い労働市場を背景にインフレは低下している。中期的にはわれわれは現在、経済を強化し、生産能力を高めるための極めて大規模な投資プログラムに取り組んでいる」)
#経済認識(アメリカ・イエレン財務長官「米経済は完全雇用の状態にあるため、インフレ率を目標水準に戻すには成長率を潜在成長率に見合うペースまで減速させる必要がある」)
#経済認識(アメリカ・イエレン財務長官「労働市場は引き続き堅調でインフレ率も低下している」「米経済の下降リスクの兆候は出ていない」)
FRB、物価安定の回復に焦点=パウエル議長 https://t.co/oUUbRGyQiC
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米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はペンシルベニア州ヨークで開かれた会合で、FRBは持続的で力強い労働市場の育成に努めているとし、そのためには物価の安定が必要との考えを示した。
パウエル議長はフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁らと共にペンシルベニア州ヨークを訪れ、地元の住民や企業の代表者らと経済状況について協議。「われわれは物価安定の回復に大きく焦点を当てている」と述べた。
これに先立ち議長は、米経済は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の余波にまだ対応していると指摘。医療分野における労働力不足や育児を巡る持続的な問題などコロナ禍を受けて高まった様々な問題に言及し、パンデミックを完全に乗り越えたわけではないと述べた。
会合冒頭の短い発言では現行の金融政策や経済見通しについてはコメントしなかった。