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労働省が8日に発表した3日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は4000件増の23万件となり、市場予想に一致した。リセッション(景気後退)懸念が高まっているにもかかわらず、労働市場はなお逼迫し堅調なことが示唆された。

ハイフリークエンシー・エコノミクス(ニューヨーク州ホワイトプレーンズ)の米国チーフエコノミスト、ルベーラ・ファルーキ氏は「全体的に労働市場は依然として逼迫しており、労働需要は強い」と指摘。「ただ、申請件数は解雇が非常に緩やかに増加していることを示唆している」と述べた。

ホリデーシーズンの序盤は、企業が一時的に休業したり採用を控えたりするため、申請件数は不安定になりやすく、労働市場の動向を明確に読み取ることが難しくなる。申請件数は感謝祭の1週間前に3カ月ぶりの高水準を付けたが、翌週には減少した。

調整前の新規失業保険申請件数は8万7113件増の28万6436件。カリフォルニア州ニューヨーク州ジョージア州テキサス州で大幅に増加したほか、イリノイ州ペンシルベニア州ワシントン州でも増加した。

ツイッターやアマゾン、フェイスブック親会社のメタが11月に数千人規模の人員削減を発表するなどテクノロジーセクターで解雇が増加しているものの、労働市場の動向を大きく変化させるまでには至っていない。

11月26日までの1週間の継続受給件数は前週比6万2000件増の167万1000件と2月以降で最高となった。

被保険失業率は前の週の1.1%から1.2%に上昇し3月以来の高水準となった。これは失業者が再雇用されるまでにやや時間がかかっていることを意味する。

ブリーン・キャピタル(ニューヨーク)のシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「これは労働市場の逼迫が緩やかになる兆しかも知れず、これが続けば先行きに対する警告音になる」と指摘。「ただし、申請件数は感謝祭前後の季節調整が難しく、継続需給件数の増加が続くのか、2020年や21年のように12月第1週に被保険失業率が緩やかに低下するのか様子を見る必要がある」とした。

シティグループ(ニューヨーク)のエコノミスト、イスファー・ムニール氏も、継続受給件数の増加について「労働市場に緩みが出ている兆候と解釈するのは尚早」とし、「ホリデーシーズンは新たな仕事を始めるには最適の時期ではないことに加え、多くの企業がホリデーシーズンに一時的に休業することも背景にある」と述べた。

ただ、主にホワイトカラーの解雇を背景に、失業保険申請件数は新規と継続が共に増加すると予想されている。オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)のリード米国エコノミスト、ナンシー・バンデン・ホーテン氏は「低技能労働者の確保が困難になっているため、企業は解雇を控えているが、ホワイトカラーの間では労働供給の制約が少ないため、レイオフが増える可能性が高い」との見方を示した。

米金融当局は高水準のインフレを引き下げることに、これまでのところあまり成功していない。だが、その金融引き締め策は、新型コロナ禍で膨張した資産バブルの縮小に大きな効果を発揮している。

  暗号資産(仮想通貨)市場は一時、時価総額が3兆ドル(約410兆円)に上っていたが、今では3分の2以上縮小した。投資家が好むテクノロジー株は50%余り下落し、高騰していた住宅価格はこの10年で初めて下げている。

  最も重要かつ意外なのは、これら全てが金融システムに大打撃を与えることなく起きていることだ。

  ハーバード大学教授のジェレミー・スタイン氏は「驚くべきことだ」とし、「1年前に『0.75ポイントの利上げが何度も行われることになる』と言ったら、『頭がおかしいんじゃないか。金融システムを壊してしまう』という話になっていただろう」と述べた。同氏は2012年から14年に、米連邦準備制度理事会FRB)理事として金融安定に関する問題に取り組んだ経歴を持つ。

  米金融当局者は、資産バブルに対処するために金融政策を用いることを長い間避けてきた。そうした狙いで行うには、政策金利引き上げは経済全般に作用し過ぎるとの主張だ。しかし、現在の資産デフレは、パウエルFRB議長らが求める経済のソフトランディング(軟着陸)実現に寄与する可能性がある。

  より広範囲に金融危機が起きる可能性は排除できない。それでも現在の情勢は、米国の不動産バブルが崩壊し深刻な景気悪化を引き起こした07年から09年にかけての状況とは好対照だ。テクノロジー株が大きく売り込まれ、比較的浅いリセッション(景気後退)に陥った01年当時とも異なる。

原題:Fed Gets a Win Deflating Asset Bubbles Without Financial Crash(抜粋)

イエレン米財務長官は8日、賃金スパイラルが見られず、供給網のボトルネックも緩和されつつあることを踏まえると、米国は景気後退(リセッション)を回避できるとの見方を示した。

イエレン長官はテキサス州フォートワースで開催されたイベントでの講演後に、労働市場の過熱は収束し始めているとの見方を記者団に示し、「インフレ低下という点では正しい軌道に乗っており、景気後退は避けられないものではない」と述べた。

また、このところのドル相場の動きはファンダメンタルズをほぼ反映していると指摘。ただ、ドルが他の通貨に対してピークを付けたかについては言及を避けた。