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米連邦準備理事会(FRB)が29日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、前回10月の報告以来、多くの地区で経済活動は横ばいか小幅鈍化した。

4地区で控えめな成長、2地区で横ばいから小幅鈍化、6地区で小幅鈍化が報告された。今後6─12カ月間の経済見通しも後退した。

物価は引き続き上昇したものの、総じて上昇幅が緩やかになった。

報告は11月17日以前に収集された情報に基づき、アトランタ地区連銀が作成した。

ダラス、リッチモンドアトランタ、シカゴの4地区連銀は経済活動の拡大を報告した。

一方、カンザスシティー地区連銀は消費者が家計を管理するために「住居を共有し、食事を分かち合う」傾向が強まっていると報告し、サンフランシスコ地区連銀の調査先は経済見通しの弱まりと全体的な不確実性の高まりに懸念を示すなど、大部分の地区は成長の鈍化を報告した。

米商務省が29日発表した2023年第3・四半期の実質国内総生産(GDP)改定値は速報値から上方改定された。だが、金利上昇で雇用や支出が抑制され、その後経済の勢いは弱まったもようだ。

また、10月の米消費者物価指数(CPI)は前月から横ばいとなり、小売売上高は減少した。労働市場は依然として逼迫しているものの、賃金の伸びは緩やかに鈍化した。

ベージュブックによると、労働需要は引き続き軟化し、全体的な雇用は「横ばいまたは控えめな伸び」が示された。

一部の雇用主が業績が振るわない労働者の離職に抵抗がないとする一方、「いくつかの地区ではスキルのある労働者が不足し、労働市場は引き続き逼迫している」とした。賃金は引き続き大部分の地区で控えめから緩やかな伸びだったと報告された。

<物価上昇圧力>

インフレ率がFRB目標の2%に戻りつつあることや、利上げ効果が表れるのに時間がかかることを踏まえ、12月12─13日の連邦公開市場委員会(FOMC)では金利が据え置かれると投資家は予想している。

FRBが物価の指標として注目している個人消費支出(PCE)価格指数は9月に前年比3.4%上昇、6月に記録したピークの7.1%から大幅に低下した。 もっと見る

10月分のPCEは11月30日に発表される。

地区連銀経済報告では、企業が値上げをしにくくなっていることが示された。クリーブランド地区連銀は「需要鈍化や競争の沈静化により価格決定力が弱まっていると一部の企業は報告している」と説明した。

ダラス地区連銀は、価格圧力はサービス業では平均を上回ったが、その他の業種では低調だったとし「見通しは悪化した。多くの企業が地政学情勢の不安定化と高金利を逆風として挙げた」と指摘した。

#FRBベージュブック・景気減速・物価上昇緩やかに)

FRBは29日、全米12の地区連銀が各地域の企業への聞き取りなどをもとにまとめた最新の経済報告を公表しました。

それによりますと、経済活動は全体として前回10月の報告と比べ減速したとしています。

FRBは前回、緩やかな経済成長が続いているとしてきましたが今回、景気判断を下方修正しました。

また労働市場では、大半の地区で求職者が増えたと報告されるなどインフレの要因となっている人手不足の改善傾向が続いているという見方を示しました。

さらに物価は依然として高止まりしているものの上昇傾向は各地区で緩やかになっていると指摘しています。

FRBは記録的なインフレを抑えこむため去年3月以降、利上げなどの金融引き締めを続けてきましたが11月に入って雇用や物価などインフレの低下を示す経済指標が相次ぎ、今回の経済報告でも景気判断が下方修正されました。

市場ではFRBが12月に開く会合でも利上げを見送り、来年には利下げに転じるという観測が広がっていますが、パウエル議長が12月1日に参加するイベントで金融政策の方向性を示唆する発言を行うかどうか注目されています。

米商務省が29日発表した2023年第3・四半期の実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比5.2%増と、速報値の4.9%増から上方改定された。伸び率は21年10─12月期以来の高水準だった。ただ、金利上昇で雇用や支出が抑制され、その後経済の勢いは弱まったもよう。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は5.0%への上方修正だった。第2・四半期は2.1%だった。

FWDBONDSの首席エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は、第3・四半期のGDP改定値では「米経済に暗雲が立ち込める兆候はないが、成長は鈍化しつつある」と指摘。「第4・四半期は経済の追い風があまり吹いていない」と述べた。

第3・四半期の改定値は、企業による投資と州・地方政府支出の上方修正を反映した。住宅投資、民間在庫投資も上方修正された。在庫投資はGDP成長率を1.4%ポイント押し上げた。

一方、経済活動の3分の2以上を占める個人消費の伸び率は3.6%増と、依然として堅調ではあるものの下方修正された。速報値は4.0%増だった。金融サービスや保険、中古のライトトラックへの消費が下方修正された。米拠点の3大自動車メーカー(ビッグスリー)に対する全米自動車労働組合(UAW)のストライキが影響した可能性がある。

所得面から経済活動を把握する国内総所得(GDI)は1.5%増。第2・四半期は0.5%増だった。

米S&P総合500種指数採用企業の利益に相当する在庫評価・資本減耗調整を除く税引き後利益は4.3%増。第2・四半期は0.8%増だった。

経済活動を推し測る上でより的確な指標とされるGDPとGDIの平均は3.3%増。第2・四半期は1.3%増だった。

EYパルテノン(ニューヨーク)のチーフ・エコノミスト、グレゴリー・ダコ氏は「理論的にはGDPと同等のGDIの伸びが鈍化していることは、経済の勢いがGDPデータが示すよりも弱い可能性があることを示唆している」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目するコア個人消費支出(PCE)価格指数は前期比年率で2.3%上昇と速報値の2.4%上昇から小幅に下方修正された。

LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「インフレ率は低下傾向にあり、消費者は依然として支出を続けているものの、そのペースは鈍化している。FRBは経済に大きな痛みを与えることなく利上げを終了する可能性がある」と述べた。

#経済統計(アメリカ・GDP・2023年第3四半期・改定値+5.2%・速報値+4.9%から上方改定)