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アメリ労働省が12日に発表した先月の消費者物価指数は、前の年の同じ月と比べて3.1%の上昇となりました。上昇率は10月から0.1ポイント低下し、2か月連続で前の月を下回りました。市場の予想と同じ水準で、インフレの鈍化傾向が改めて示された形です。

項目別では、いずれも前の年の同じ月と比べてガソリン価格が8.9%、中古車価格が3.8%それぞれ下落した一方、輸送費が10.1%、住居費が6.5%上昇しました。

また、変動の大きい食品やエネルギーを除いた物価指数は前の年の同じ月と比べて4.0%の上昇で、上昇率は10月と同じ水準でした。

FRB連邦準備制度理事会は12日から金融政策を決める会合を開きますが、市場では3回連続で利上げを見送るという見方が一段と強まりそうで、来年、いつ利下げに転じるかに関心が移っています。

#経済統計(アメリカ・消費者物価指数・11月・前年同月比3.1%上昇・上昇率10月から0.1ポイント低下2か月連続前月を下回る)

労働省が12日発表した11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.1%上昇した。伸びは前月の3.2%から鈍化し、ロイターのまとめた市場予想と一致した。

一方、前月比では0.1%上昇と、市場予想(横ばい)に反し上昇した。10月は横ばいだった。ガソリン価格が下落したものの、家賃の上昇に相殺された。

<コア指数、前年比4.0%上昇>

ガソリンは前月比6.0%下落。10月も5.0%下落していた。食品は0.2%上昇。前月は0.3%上昇だった。

持ち家の帰属家賃は0.5%上昇し、10月の0.4%上昇から加速した。家賃も0.5%上昇した。

変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比4.0%上昇と、伸びは前月と並んだ。住居費が前年比6.5%上昇し、コアCPIの前年比上昇分の約70%を占めた。

家賃の上昇を背景にコアCPIは前月比で0.3%上昇。10月は0.2%上昇だった。

PNCフィナンシャルのシニアエコノミスト、カート・ランキン氏は「継続中の住宅価格上昇圧力とインフレ全体に及ぼす大規模な影響は、早期かつ急速な金融政策緩和を求める声がなぜ十分に精査されるべきかの多くを物語っている」と指摘。「米連邦準備理事会(FRB)はインフレの要因がしっかりと、そして実際に抑制されるまで、利下げには着手しないだろう」と述べた。

CPIを受け、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、FRBが早ければ来年3月に利下げを開始するとの見方が後退し、5月に最初の利下げが実施されるとの見方が強まった。

12日から始まった米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利が据え置かれるという見方が優勢。シティグループエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏は「パウエルFRB議長は利下げはまだ検討されていないという認識を示し続けるだろうが、市場の観測を大幅に後退させることはないだろう」と述べた。

FHNフィナンシャル(ニューヨーク)のマクロ・ストラテジスト、ウィル・コンパーノール氏は「パウエルFRB議長が、追加利上げの可能性を決定的に排除する準備がまだできておらず、FRBは長期にわたり金利を高水準に維持すると改めて示唆するか注目している」と述べた。

<サービス・インフレ加速、財はデフレ>

家賃が上昇する中、サービス・インフレが粘り強さを増している。サービス価格は0.5%上昇と、前月の0.3%から加速。家賃を除くベースでも0.6%上昇と、前月の0.3%から加速した。

中古車・トラックは前月比1.6%上昇と、6カ月ぶりに上昇した。

医療費は0.6%上昇。自動車保険も上昇した。

一方、衣料品は1.3%下落したほか、リクリエーションや航空運賃なども下落した。

財のデフレは一段と加速し、財価格は0.7%下落。前月は0.4%下落していた。

11月の米消費者物価指数(CPI)が前月比で予想外に上昇したことを受け、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では12日、米連邦準備理事会(FRB)が早ければ来年3月に利下げを開始するとの見方が後退した。

FF金利先物市場が織り込む来年3月の利下げ確率は約40%。CPI発表前は約50%だった。また3月ではなく5月に最初の利下げが実施されるとの見方が強まった。

一方、インフレが鈍化するとの予想を背景に、来年4回程度の利下げが実施されるとの見方を引き続き織り込んでいる。

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#FF金利先物・来年3月利下げ確率低下・5月利下げ着手との見方強まる←11月CPI前月比予想外上昇)

イエレン米財務長官は12日、インフレ率は「有意に」低下しており、インフレ期待がコントロールされているため、物価上昇圧力緩和の「ラストマイル」を終えることは特に難しいことではないとの見解を示した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のCEOカウンシルサミットで「現在われわれが歩んでいる道筋では、インフレ率が連邦準備理事会(FRB)の2%目標に一致するレベルまで徐々に低下しない理由はない」と指摘。米経済は引き続き「ほぼ完全雇用」を維持していると述べた。

#経済認識(アメリカ・イエレン財務長官「インフレ率は『有意に』低下しており、インフレ期待がコントロールされているため、物価上昇圧力緩和の『ラストマイル』を終えることは特に難しいことではない」「現在われわれが歩んでいる道筋では、インフレ率がFRBの2%目標に一致するレベルまで徐々に低下しない理由はない」「米経済は引き続き「ほぼ完全雇用」を維持している」)

財務省が12日発表した11月の財政収支は3140億ドルの赤字だった。前年同月比で26%増加し、11月としては過去最大を記録。ロイターがまとめたエコノミスト予想の3010億5000万ドルも上回った。

歳入は9%増の2750億ドル。歳出は18%増の5890億ドルで、国債の利払い費が800億ドルに急増したことが響いた。

利払い費は昨年3月に米連邦準備理事会(FRB)が利上げを開始して以降、膨らみ続けており、11月は国防費の660億ドルよりも多くなった。

歳出のうち項目別で最も大きかったのは社会保障費の1220億ドル。

#経済統計(アメリカ・財政収支>財政赤字・11月・3140億ドル・過去最大・利払い費急増響く)