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ミャンマーで軍がクーデターを起こしてから1日で3年となります。
軍が非常事態宣言の延長を決め、民政移管にむけた選挙の見通しが立たないなか、民主派勢力が発足させた組織の外相がNHKの取材に応じ、あくまで武力で軍の打倒を目指す考えを示しました。

ミャンマーでは3年前の2月1日、軍がクーデターを起こし、実権を握り続けています。

軍は31日、治安の悪化などを理由にクーデター後続く非常事態宣言をことし8月まで延長すると決定し、民政移管に向けた選挙が実施される見通しは立っていません。

こうした中、軍に対抗して民主派勢力が発足させたNUG=国民統一政府で外相を務めるジン・マー・アウン氏がNHKの取材に応じました。

ジン・マー・アウン氏は民主派勢力と軍との戦闘について、去年10月に始まった少数民族勢と連携が成果をあげているとしたうえで「私たちはこれまで武器を取るだけではなく、軍政との平和的な対話も試みてきたが成果はなかった。非暴力路線の結果、私たちは投獄され多くの命が失われた。今回も同じ結果にならないよう教訓を学ばなければならない」と述べ、あくまで武力で軍の打倒を目指す考えを示しました。

また軍による弾圧や戦闘で、ミャンマー国内で多くの人が人道危機に直面しているとしたうえで「日本が危機の緩和を助けてくれれば、より幅広い支援となるだろう」と述べ、日本政府に対して人道分野での支援を求めました。

ジン・マー・アウン氏について
NUG=国民統一政府で外相を務めるジン・マー・アウン氏は、前の軍事政権時代に学生運動に参加して政権を批判したことから政治犯として11年間刑務所で服役しました。

2009年に出所して政治活動を始め、2015年の総選挙ではアウン・サン・スー・チー氏が率いる政党、NLD=国民民主連盟から立候補して当選しました。

クーデター後は、武力による軍の打倒を掲げるNUGの外相に任命され、現在は、アメリカなど各国を訪れて政府関係者に支持を訴えたり、海外のミャンマー人社会に財政支援を呼びかけたりする活動を続けています。

1月、NHKのインタビューに応じたジン・マー・アウン氏は、クーデターからの3年間を振り返り「軍との戦いで多くの犠牲を払ってきた。その犠牲をむだにすることはできない。多くの家族が、もう二度とお互いに会えないかもしれないという、厳しい状況を経験してきている」と時折、声を詰まらせながら、話しました。

そして、去年10月に東部シャン州で少数民族が一斉に攻撃を開始して以降、各地の民主派勢力が連携して軍への攻勢を強めていることについては「私たちは少数民族側と前例がないレベルの信頼を構築できた。連携には満足しており、成果といっていい」と述べ、成果を強調しました。

一方で、アウン・サン・スー・チー氏が掲げてきた非暴力の方針からの転換については「私たちはこれまで武器を取るだけではなく、軍政との平和的な対話も試みてきたが、成果はなかった。非暴力路線の結果、私たちは投獄され多くの命が失われた。今回も同じ結果にならないよう教訓を学ばなければならない」と述べ、武力で軍の打倒を目指す考えを示しました。

また、日本政府に対しては「日本はアジアのリーダーなのだから、指導力を発揮して、ミャンマー情勢をもっと積極的に発信できるはずだ」と述べ、さらなる関与への期待を示すとともに、軍による弾圧や戦闘で、ミャンマー国内で多くの人が人道危機に直面しているとして「日本がこうした危機の緩和を助けてくれれば、より幅広い支援となるだろう」と述べ、人道分野での支援を求めました。

軍司令官「抵抗勢力が不当な要求をしている」と主張
クーデターから3年になるのを前に、軍トップのミン・アウン・フライン司令官は先月26日に、首都ネピドーで開かれた会議で「ミャンマー民主化の道半ばで団結が弱い。軍は規律ある民主的なシステムと民主主義に基づく連邦制の強化を目標に掲げているが、現在の問題は抵抗勢力が不当な要求をしている」と主張しました。

軍は、非常事態宣言を解除したうえで民政移管に向けた選挙を行うとしていますが、民主派勢力や少数民族武装勢力との戦闘で治安が悪化していることなどを理由にさらに延長するものと見られていて、選挙の見通しは立っていません。

専門家 “抵抗側の協力関係深まる以上に軍の力落ちている”
ミャンマー情勢に詳しい京都大学東南アジア地域研究研究所の中西嘉宏准教授は、ミャンマー軍が置かれている状況について「軍が支配地域を失っているのは、抵抗側の協力関係が深まってきたこと以上に軍の力が落ちているからだ。しかし、軍の中枢でミン・アウン・フライン司令官の責任を問う声がすぐに出てくるとは思えない。独裁的にできている軍で責任を問われることはない」と分析しています。

また、軍が主張する民政移管に向けた選挙の実施の見通しについては、「国勢調査を行い、選挙を行うというシナリオが実現する可能性は現状ではほぼない。このまま時間がたっても治安がすぐに回復するとは思えない。長期的に先行きが見えない」と混乱が長引くことも予想されると指摘しました。

そして今後、日本が果たすべき役割については「軍に働きかけつつ、ミャンマー人道支援をして、紛争を終わらせるということをリーダーシップをとってやってほしい。もっと前面に出てミャンマーの問題を解決する努力を人とお金をかけてやってほしい」と述べました。

#ミャンマー(軍事クーデター3年・民主派勢力「武力で軍の打倒を」)

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#ASEAN(外相会議・2年以上欠席続いたミャンマー外務省高官参加)

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