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イスラム主義勢力タリバンが統治するアフガニスタンの情勢について話し合う国連の会議が、中東のカタールで始まります。しかし、初めて会議に招かれたタリバンが直前になって出席を見送る方針を明らかにし、女性の抑圧などを懸念する国際社会との立場の隔たりが浮き彫りになった形です。

アフガニスタンの人権状況の改善などを目指しカタールの首都ドーハで、18日から2日間にわたって行われる会議には国連のグテーレス事務総長や、欧米や日本など各国の担当者も参加する予定で、タリバンの暫定政権の代表も初めて招かれていました。

しかし、開催の前日になってタリバンの傘下の外務省が出席に難色を示す声明を発表し、その後、タリバンの幹部がNHKの取材に対し「出席の可能性はない」と明らかにしました。

今回の会議では女性の人権状況などの改善を求める国際社会と、これを「内政干渉だ」として反発するタリバンとの間で本格的な議論が始まるのか注目されていましたが、双方の隔たりが浮き彫りになった形です。

アフガニスタンでは、独自に解釈したイスラム法に基づく統治を行うタリバンのもと、女性は小学校までしか学校に通うことが出来なくなるなど、女性の抑圧が深刻で、状況の早期の改善が求められています。

タリバン側は今回の会議に女性グループなどアフガニスタンの市民も招かれたことや、アフガニスタン担当の国連特使の任命が検討されていることに反発しているとみられます。

会議は19日から本格的な議論が行われるとみられますが、実権を握るタリバンが出席を見送るなかで、国際社会がアフガニスタン情勢の改善にどう関与できるのかが焦点になります。

性教育の制限で 精神不安定な子どもも
アフガニスタンでは2021年のタリバン復権後、女性の教育の制限が徐々に強まり、現在は、女性は小学校しか通えない状況が続いていて、精神的に追い詰められる子どもたちが相次いでいます。

タリバン復権したときに小学校6年生だった、首都カブールに住むザハラさん(15)は、中学生になりましたが、もう2年間も学校に通えていません。

家で過ごす日々が続く中で、急に涙が流れたり、独り言がとまらなくなったりと、精神的に不安定になったといいます。

病院に通い治療を受け、料理や掃除などの家事をして気を紛らわせるようにしていて、最近では症状はほとんど出ることは無くなりましたが、今も時折、涙が流れることがあると言います。
2年間 同じ教科書を読み直して

ザハラさんは、「学ぶことが出来る場所がどこにもなくて、とてもつらいです。これまで2年間、退屈な日々を過ごしてきました。夢は医者になることですが、どうやって実現したらよいか分かりません」と話していました。

そんなザハラさんの1番の楽しみは、学校で使っていた教科書を読み返すことです。

学校に通えなくなってから2年間、同じ教科書を読み直しては、友達と学校に通っていた日々のことを思い返しています。

ザハラさんは「年齢が大きくなり、学校に行けないまま学ぶ機会が失われています。タリバンが学校を再開してくれるのか分からず、心配です」としたうえで、「国際社会には私たちが学校に通えるようにタリバンに働きかけを行ってほしいです」と話していました。

専門家「女性教育 いかに発展に必要か伝えるのが重要」
ドーハの国連の会議に、タリバンが招待されていたことについて、アフガニスタン情勢に詳しい中東調査会の青木健太研究主幹はこれまでの国際社会のタリバンへの働きかけは結果を出せていないとしたうえで、「女性の権利の保障を求める諸外国と、イスラム法にのっとって伝統に沿った国づくりをすると主張するタリバンの間で、議論が平行線をたどるおそれがある」と述べ、今後、国際社会との議論が本格化してもタリバン側の姿勢を変えるのは容易ではないとしています。

一方で、中国がタリバン暫定政権の派遣した大使を受け入れたことなどから、「人権の順守を要求する欧米よりも、つきあいやすい国々と関係を強化するのは自然の流れではないか」と述べ、タリバン側が国際社会からの承認を得ようと急いでいるという予断を持たないことが重要だと指摘しました。

そのうえで、「価値観を押しつけるのではなく、女性の教育がいかにアフガニスタンの発展にとって必要かを伝えるのが重要だ。タリバンの権力は、外国の要人とほとんど接触が無い最高指導者に集中し声が届かないという構造的な問題もあるが、しっかりタリバンの中枢に声を届けないと変化は生まれない」と述べ、粘り強い働きかけが必要だという考えを示しました。

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