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「幸せの国」として知られるヒマラヤの王国、ブータンのトブゲイ首相がNHKの単独インタビューに応じ、「幸福は経済と切り離して手に入れることはできない」と述べ、国民の精神的な豊かさを重視しながらも、厳しい状況が続く経済の立て直しに最優先で取り組む姿勢を強調しました。

国民の精神的な豊かさを重視するGNH=国民総幸福という独自の理念に基づいた国づくりを進めてきたブータンでは、ことし1月の議会選挙で5年ぶりに政権が交代し、ツェリン・トブゲイ首相が新たに就任しました。

トブゲイ首相は今月9日首都ティンプーで、就任後海外メディアとしては初めてNHKの単独インタビューに応じました。

このなかでトブゲイ首相は、コロナ禍後も海外からの旅行客が戻らず、主要産業の観光が打撃を受けるなど厳しい経済状況が続いているという認識を示しました。

そのうえで「幸福は経済と切り離して手に入れることはできない。国民の繁栄と福祉のためには経済成長が必要だ」と述べ、国民の精神的な豊かさを重視しながらも、国内経済の立て直しに最優先で取り組む姿勢を強調しました。

具体的な政策として、ブータン南部で進めている国際空港や鉄道、水力発電用のダムなどを含む大規模な新都市の整備計画をあげ、海外からの投資を誘致する考えを示しました。

トブゲイ首相は「持続可能な発展のため、とりわけ日本企業の進出を歓迎したい」と述べ、再生可能エネルギーなどの分野で日本からの投資に期待を示しました。

インドでヒンズー教至上主義を掲げる与党・人民党(BJP)のモディ政権は11日、市民権改正法(CAA)の施行を発表した。

インド政府は施行の意義として、イスラム教徒が多数派のアフガニスタンパキスタンなどで迫害を受けてインドに逃れた人たちにとって「市民権を獲得する道」(首相官邸)と強調。インド以外に避難場所がない人が適用対象になると説明している。

ただ、市民権が認められるのはヒンドゥー教徒とパーリ教徒、シーク教徒、仏教徒ジャイナ教徒、キリスト教徒で、イスラム教徒は含まれないため、国内のイスラム教徒を差別する法律だとして改めて批判が吹き出した。一部の国境州では政府が書類なしにイスラム教徒の市民権を剥奪するのではないかとの懸念も出ている。

モディ政権は以前も施行を試みたものの、ニューデリーなど各地で抗議活動や宗派間衝突が発生。これを受け、モディ政権は2019年12月の同法制定後も同法を施行しなかった。

今回の施行決定に最大野党の国民会議派も猛反発している。総選挙が5月までに実施されることから「選挙直前というタイミング(の同法施行)は明らかに選挙の二極化が狙い。特に西ベンガル州とアッサム州だ」と述べた。

西ベンガル州とアッサム州にはイスラム教徒が多く住む。隣国バングラデシュからの不法移民と認定されてインド国籍を剥奪されるのに悪用されると懸念も広がり、抗議活動が起きている。
ケララ州で多数派のインド共産党は12日、同法は国民を分断するなどとして州全体での抗議活動を呼びかけた。

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