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国連の衛星センターは、イスラエルイスラム組織ハマスの戦闘が去年10月7日に始まって以降、ガザ地区ではことし2月までに全体の建物の35%が被害を受け最も被害が大きい北部の地域では半分以上の建物が被害を受けたとする分析を明らかにしています。

専門家は「近年のガザ地区での戦闘と比べても桁違いの被害が出ている」と指摘しています。

国連の衛星センターは、ガザ地区の衛星画像を使って建物の被害の分析を行い、去年10月7日以降、その結果を5回、発表しています。

これらをもとにNHKが地図に可視化しました。

ピンク色で示したのが建物の被害が確認された場所で、濃い赤色ほど被害の程度がひどかった場所を示していて、建物の被害が戦線の拡大に伴って北部から南部に広がっていく様子が分かります。

ことし2月29日の画像に基づく最新の分析では、建物の被害は8万8000棟余りに上り、衛星センターは、ガザ地区全体の建物の35%に上ると指摘しています。

地区内の県別では、
▼北ガザ県で51%と建物の半数以上が被害を受けているほか
▼ガザ市を含むガザ県で45%
▼ハンユニス県で44%の建物に被害が出ているということです。

被害が急増したのは去年11月26日からことし1月上旬の1か月余りにかけてで、全体の3分の1余りの建物の被害が集中しています。

この時期、イスラエルは11月24日から7日間の戦闘休止のあとの12月1日に戦闘を再開し、南部ハンユニスへの激しい攻撃を行うとともに北部でも戦闘を続けていました。

イスラエルパレスチナ情勢に詳しい東京大学中東地域研究センター鈴木啓之特任准教授は「ガザ地区全域の建物を壊すような激しい戦闘だということがみてとれる。過去の2008年から2009年、2014年の戦闘と比べても桁違いの被害と言える。イスラエル軍が遮蔽物を嫌って、地域を一掃していることやハマスなどに圧力をかけるため地区全体に空爆を続けていることが被害につながっているとみられる」と指摘しています。

その上で「国際社会がイスラエル軍の行為を止められなかったことはガザの人々に大きな失望をもたらし、国際規範や国際法への信頼を大きく毀損したと言わざるをえない。パレスチナの人々は将来への希望や正義が実現される可能性があったからこそ、社会的道徳や秩序を保ってこられた側面は否めない。日本を含む国際社会は戦後復興にこれまで以上に主体的かつ大胆に関与していく必要がある」と強調しました。

イスラエルは7日、パレスチナ自治区ガザ南部から1部隊を除く大半の兵士を撤退させたと発表した。軍報道官は人数や理由など詳細を明らかにしていないが、ガラント国防相は兵士らがガザでの将来の作戦に備えることになると述べた。

一方、イスラエルイスラム組織ハマスはエジプトで行われる新たな停戦協議に代表団を派遣することを確認した。

イスラエル軍のハレビ参謀総長は部隊撤収に関する記者団の問いに対し、長期戦に備えた対応だと述べた。

ガラント国防相ハマスがもはやガザを支配せず、武装組織としてイスラエルを脅かすことがなくなるまで戦闘を続けると表明。軍当局者との会議で「軍は撤退し、次の任務の準備をしている」と述べ、ガザ最南部ラファでの将来の作戦も含まれるとした。

イスラエルのガラント国防相イスラム組織ハマスとの戦闘開始から半年となった7日、ガザ地区南部のハンユニスに展開する部隊を撤収させたと明らかにしました。

最も南にあるラファなどでの今後の作戦に備えるためだとしていますが、アメリカは引き続き、多くの避難者が身を寄せるラファでの大規模な地上作戦に反対する姿勢です。

イスラエルのガラント国防相は7日、ガザ地区南部のハンユニスに展開する部隊を撤収させたことを明らかにしました。

撤収の理由についてガラント国防相は「ラファを含む今後の作戦に備えるためだ」と述べ、ガザ地区の最も南にあるラファでの地上作戦の準備を進めていく考えを示しました。

一方、今回の撤収についてアメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は7日、ABCテレビのインタビューで「イスラエル側の発表から、これは4か月にわたって現地に配置されていた部隊の休息や再装備のためだと理解している」と述べました。

また、カービー補佐官はCBSテレビの番組で「休息と再装備のあとこれらの部隊が何をするのか語ることはできないが、アメリカがラファでの大規模な地上作戦を支持しないことに変わりはない」と述べました。

ガザ地区での状況の変化と並行して、イスラエルの一部メディアは戦闘の休止と人質の解放をめぐる交渉が7日夜にもエジプトの首都カイロで行われると伝えました。

交渉にはハマスも代表団を派遣すると明らかにしていますが、停戦を求めるハマスとあくまでハマスの壊滅を目指すイスラエルの立場の隔たりは大きく、妥協点を見いだせるかどうかは不透明です。

ガザ地区では7日も複数の場所でイスラエル軍による空爆があり、6人が死亡したと地元メディアが伝えていて、現地の保健当局は7日、これまでに3万3175人が死亡したと発表し、犠牲者が増え続けています。

専門家 “アメリカからの働きかけが影響したか”
イスラエルパレスチナの紛争に詳しいヘブライ大学トルーマン平和研究所のロニ・シャケッド氏は7日、NHKのオンラインインタビューに応じました。

このなかでイスラエル軍ガザ地区南部のハンユニスから部隊を撤収させたことについて「ここ最近、アメリカのイスラエルへの圧力はますます強まっている。ラファへの地上作戦を行えばアメリカの支持を失うだろう。イスラエルとしては孤立を避けるのが最も重要だ」と述べて、アメリカからの働きかけが影響したのではないかとの見方を示しました。

その上で、部隊を撤収させた後は、事前の情報に基づいた標的を絞った作戦に移行するという見方を示しました。

また今回の撤収によってガザ地区の住民への支援がより容易になるだろうとの見方を示した上で「ガザ地区から部隊が撤収することで、人質解放のための交渉がよりしやすくなるだろう」と期待を示しました。

一方で、シャケッド氏は「ネタニヤフ首相の考えていることは分からない。最終的には住民を避難させ、ハマスの壊滅を目指してラファへの地上作戦を承認するかも知れない」と述べました。

ホワイトハウス国家安全保障会議報道官ジョン・カービー氏は「フェイス・ザ・ネイション」に対し、イスラエルはバイデン政権に対し、ガザ南部から軍を突然撤退させる動きは主に「休息と再装備」のためだと示唆したと語った。

「明らかに、これは機能不全に陥った」と、ホワイトハウス国家安全保障会議の報道官ジョン・カービー氏は、イスラエル空爆によりワールド・セントラル・キッチンの援助活動家7人が死亡した経緯について語った。同氏は、バイデン政権はイスラエルに対し、「ガザの人々が食糧、水、医薬品、燃料を必要としている時だ」として、援助活動家を保護することに「もっと力を入れなければならない」と伝えたと述べている。

youtu.be

Israel has told White House that IDF troops will have "rest and refit," NSC's John Kirby says

www.cbsnews.com

www.deepl.com

マーガレット・ブレナン:ジョン・カービー氏はホワイトハウス国家安全保障会議の戦略広報調整官です。おかえりなさい。

NSCカービー戦略広報調整官:ありがとう、マーガレット。

マーガレット・ブレナン:ネタニヤフ首相はイスラエルが勝利まであと一歩だと言っていますが、彼らはまだラファに入るつもりです。ネタニヤフ首相はバイデン大統領の要求に同意したのでしょうか。

カービー:ラファでの地上作戦を支持するわけではないこと、ラファにいるハマスをどう追い詰めるかについては、他の方法、他の選択肢を検討する必要があることを。我々は先週、バーチャルな会議を行ったが、来週あたりにはイスラエル側と直接会談する予定だ。より詳細なプレゼンテーションができるよう、まだスケジュールを絞り込んでいるところだ。私たちが考えている代替案や、私たち自身の経験から学んでもらいたいこと、このような作戦のやり方についてです。

マーガレット・ブレンナン:あなたが聞いたように、IDFは、これはこれらの軍隊の一部を引き下げるための戦争の進化だと言っている。彼らはいったい何のために準備しているのでしょうか?この紛争における別の戦線のためですか?

カービー:まあ、私はIDFの作戦や計画について、一方的に話すことはできませんが......。

マーガレット・ブレンナン:米国には伝えていないのですか?

カービー:主権を持つ軍隊としてね。私たちが今朝、彼らから得た情報によれば、これは主に、4ヵ月間連続して現地に駐留していた部隊の休養と再整備であり、彼らには今、出てくるチャンスが必要なのだ。逮捕と休養の後、その部隊をどうするのかについては、私は話すことができない。私ができるのは、以前言ったように、大規模な地上作戦とラファを支持しないということだけだ。それは変わっていない。そのような作戦の代替案についてイスラエル側と話し合うことを楽しみにしている。

マーガレット・ブレンナン:先週、7人の人道主義者が死亡したことで、イスラエルがどのようにこの戦争を行っているのか、多くの批判と懐疑の声が上がっていますね。

カービー:はい。

マーガレット・ブレンナン:あなたは火曜日に、米国はイスラエル国際法に違反した事件を発見していないと言いました。米国のイスラエルに対する調査はどこまで及んでいるのでしょうか?

カービー:米国によるイスラエルの調査とは呼べない。私たちには国務省が管理する通常のプロセスがあり、そこでは事件、特に相手国が行っている作戦を調査する。そしてそれを見て、国際法に照らして評価する。マーガレット、彼らはそれをリアルタイムで行っている。だから、そのうちのいくつかは、まだ調査中かもしれない......。

マーガレット・ブレンナン:国際法に違反しているということですか?

カービー:今のところ......先日申し上げたように、彼らが国際人道法に違反した形跡は見られない。しかし、我々はこれを真剣に受け止めている。国務省でも真剣に受け止めている。私たちはこれを見守り続ける

マーガレット・ブレンナン:国境なき医師団事務局長は、ワールドセントラルキッチン襲撃事件に関するイスラエルの説明を否定しました。

カービー:ええ。

マーガレット・ブレンナン:彼はガザでスタッフを失った。お聞きください。

[START SOT]

国境なき医師団事務局長 クリス・ロックイヤー: ワールド・セントラル・キッチンやMSFの輸送隊や避難所で起きたことは、人道支援者、医療従事者、ジャーナリスト、国連職員、学校や家に対する意図的な攻撃と同じパターンの一部だからです。これは、単に効果的なデコンフリクト・メカニズムを導入するということではない。私たちの動きや場所はすでに共有され、調整され、特定されている。これは、戦争法を完全に無視した不処罰に関するものであり、今こそ説明責任を果たさなければならない。

[SOT終了]

マーガレット・ブレンナン:これはミスではない、と彼は言う。これは意図的なパターンであり、そう言っているのは援助団体だけではありません......」。

カービー:私たちは確かに理解しています--。

マーガレット・ブレンナン:説明責任はあるのでしょうか?

カービー:彼らのフラストレーションは理解できる。私たちはその不満を共有していますし、イスラエルの作戦によって殺害された援助関係者はあまりにも多いのです。だからこそ大統領は、ネタニヤフ首相と今週、彼らのやり方を変えなければならないと強く訴えたのです。デコンフリクション・プロセスは重要だ。なぜなら、援助隊員とイスラエル国防総省の間には、すでに意思の疎通が図られているからだ......。

マーガレット・ブレンナン:彼は無意味だ、うまくいっていないと......。

カービー:明らかに...明らかに...

マーガレット・ブレンナン:明らかに失敗している。

カービー:明らかに破綻している。破綻していないと主張しているわけではありません。私たちはイスラエルに対して、もっとやるべきだ、もっとうまくやるべきだ、と訴えているのです。というのも、ワールド・セントラル・キッチンだけでなく、他の援助団体もすでに撤退しているからです。ガザの人々は今、食料、水、医薬品を誰よりも必要としているのです。

マーガレット・ブレンナン:そうですね。大統領自身の国家安全保障覚書は、ご存知のように、援助提供に支障があってはならないと定めています。では、怠慢、重大な怠慢、連絡の不徹底、8人の労働者を守るためのフォローアップの不徹底は違反なのでしょうか?説明責任はあるのか?

カービー:確かに、そのようなことは許されません。繰り返しになりますが、これは首相が、失礼ですが大統領が首相と交わした会話の傾向であり、トーンでした。ワールド・セントラル・キッチンの直後、彼らは説明責任を果たすためにいくつかの措置をとりました。

マーガレット・ブレンナン:兵士が2人。

カービー:2人が撃たれた。私たちは、まず第一に、私たち自身が今捜査中であることを確認するつもりです。調査結果を見るまでは判断を保留したい。そして、これは重要なポイントだが、イスラエルが行った発表は歓迎すべき重要なものではあるが、それで終わりというわけにはいかない。我々は、イスラエルの現地での活動方法と、人道支援を妨害されずに受け入れる方法について、持続的な変化を見なければならない。

マーガレット・ブレンナン:ご存知のように、イスラエル政府は大統領の呼びかけとは無関係だと言っています。彼らはすでにこれらの措置をとることを計画していたのです。

カービー:大統領が具体的に要請した措置は、私たちが見たところでは、その日の夕方以降に発表されたものです。

マーガレット・ブレンナン:レオン・パネッタ前国防長官はCNNで次のように述べた。あなたがよく知っているレオン・パネッタ前国防長官はCNNで、「過去に、私の経験では、イスラエルは通常、発砲してから質問する」と述べた。バイデン政権の立場は、イスラエルへの援助、軍事援助にゼロ条件を課すべきだというものですか?

カービー:大統領や、大統領が今後下すかもしれない決断、あるいは下さないかもしれない決断を先取りするつもりはない。彼は首相との電話会談で、ガザでの彼らの政策や作戦遂行方法に何らかの変化が見られないのであれば、何らかの変更を迫られることになるだろうとはっきりと述べている。

マーガレット・ブレンナン:では、あなたは......これがイスラエルの政策だとお考えなのですね?

カービー:つまり...

マーガレット・ブレンナン:援助を妨害するということですか?

カービー:この戦争をどう進めるかは、彼らが決めることだ。彼らの作戦だ。部隊の撤退とその意味について話したばかりだ。どのように作戦を遂行するかは彼らが決めることだ。我々は、それに対してどう対応するか、ガザに関する自国の政策をどう運営するかを決めることができる。その決定を下すのは我々だ。そして大統領は首相に対して、変化がなければ、事態が好転しなければ、全体として変化させなければならないと明言した。

マーガレット・ブレンナン:つまり、大統領は、ここでの活動を差し控え、調整し、何もしないことを検討しているのです。なぜなら、この半年間、この番組で人道主義者からこのような苦情を聞き、何が起きているのかを伝えてきたからです。

カービー:いいですか、繰り返しますが、私たちは自分たちのことを見ているのであって、援助活動家たちが危険にさらされていることを見ていないわけではありませんし、ガザの人々が経験している苦しみを見ていないわけでもありません。そして大統領はまた、はっきりと言った。マーガレット、私は先回りするつもりはないし、彼の決断を予断するつもりもない--」。

マーガレット・ブレンナン: -- この件について、なぜ私たちは彼から話を聞かないのでしょう?彼はとても強く感じている。なぜ大統領はこの件について話さないのでしょうか?

カービー:彼の供述を見たのは...

マーガレット・ブレンナン:私は紙の声明を読みました。

カービー:首相は首相と電話し、われわれが何をしているか、何をしていないかについて、米国民と議会議員に話し続けるだろう。

マーガレット・ブレンナン:国家情報長官が言うように、現地で起きていることが世代を超えて影響を及ぼすということは、国家安全保障に直接かかわることですよね?

カービー:間違いなく......

マーガレット・ブレンナン:テロの新兵が長期的に影響を受ける可能性があるということですか?

カービー:

    • 疑問はありません...疑問はありません。つまり...

マーガレット・ブレナン:

    • では、米国の政策は様子見以外に何があるのですか?

カービー:様子見ではない。それはまったく政策ではない。同時に2つのことが言える。イスラエルの友人であり続けることと、イスラエルが自国を守るために必要なものを確保することだ。そして、彼らには必要なものがある。つまり、私たちはガザでの戦争について話しているのだが、それは当然であり、完全に理解している。彼らは厳しい地域に住んでいる。イランやイランの支援を受けたグループの脅威にさらされている。彼らには自衛の必要性がある。そう、彼らがどのように作戦を遂行するかが重要なのだ。それについて我々は彼らと話をしている。そして、その方法を変えるか、あるいは我々の支援を変える必要がある。

マーガレット・ブレンナン:いつまでに行動しなければならないのか、スケジュールはあるのでしょうか?

カービー:いま調べているところです。というのも......。翌日には横断歩道の開放についても発表があった。いずれも歓迎すべきことだ。しかし、我々はこの事態を注意深く見守るつもりだ。

マーガレット・ブレンナン:ジョン・カービーさん、ご出演ありがとうございました。

バイデン米大統領は4日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、パレスチナ自治区ガザでの人道状況を改善するとともに、停戦を支持するよう要求した。これに対し米議会では与野党双方から批判の声が上がっている。

バイデン氏は電話会談で、米国がガザにおけるイスラエルの攻撃を支持するには、イスラエル人道支援要員と民間人を保護するために全面的な措置を講じることが条件になると警告した。バイデン氏がイスラエルの軍事攻撃に影響を及ぼすための手段として米国の支援を利用しようと試みるのは初めて。

バイデン氏はこれまで、イスラエルの攻撃によるパレスチナ民間人の被害を食い止めるよう民主党左派から強い圧力を受けてきた。

上院外交委員会の委員であるバンホーレン議員(民主党)はイスラエルへの支援について「無条件の小切手であるべきではない」と指摘。ネタニヤフ政権が米大統領を無視しておきながら米国が追加の武器を提供するパターンはあってはならないと訴え、米国は国連安全保障理事会イスラエルに批判的な決議案を阻止するのではなく、新たな対応を取るべきだと主張した。

また民主党会派に属する無所属のサンダース上院議員は4日、ガザにおける人道状況を巡る懸念を表明しておきながらイスラエルに追加支援を提供するのは「偽善的だ」と述べた。

多くの民主党議員がバイデン氏は踏み込み不足と批判する一方、全般的にイスラエルへの軍事支援を支持する傾向が強い共和党議員の一部はバイデン氏の戦術変更を厳しく批判している。

コットン上院議員共和党)は5日、X(旧ツイッター)への投稿で、バイデン氏が大統領選での再選の可能性を高めるために戦術を変更したと指摘。「バイデン氏はミシガン州での選挙戦を優利にするため、ハマスの交渉力を強めた。彼は実質的に、ハマスに徹底抗戦して人質を開放しないよう奨励したのだ。けしからぬことだ」と記した。

共和党主導の下院規則委員会は5日、「ガザに関して即時停戦要求を含めて一方的にイスラエルに圧力をかける取り組みに反対する」決議案を検討すると表明した。国連安保理での停戦決議案に拒否権を行使しないとするバイデン政権の声明を踏まえた措置。

下院外交委員会の委員であるマスト議員(共和党)は声明で、バイデン氏が「テロリストとの停戦を受け入れるようイスラエルに要求することで、極左勢力をなだめようとしている」とした。

ホワイトハウスは、イスラエルがバイデン氏の要求に応じない場合に政策をどのように変更するかについて説明していない。

#ポンペイ

キャメロン英外相は、7日付の英紙サンデー・タイムズへの寄稿で、イスラエル支援は同国による国際人道法順守の状況次第だと述べた。

今月初めにイスラエル空爆で英国人3人を含む支援団体職員7人が死亡したが、キャメロン氏は「われわれの支援は無条件ではない。(イスラエルのような)誇り高く成功している民主主義国家には、困難の中でも国際人道法の順守を期待する」と述べた。

英国はこれまで、イスラム組織ハマスの奇襲を受けたイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃を支持してきた。しかしここ数カ月は、ガザの悲惨な人道状況についてキャメロン氏の発言が厳しくなっている。

キャメロン氏は、イスラエルがさらなる支援を許可しなければ大規模な飢餓の恐れがあると警告。英国は6日、国際的な取り組みの一環として支援物資輸送用に海軍の船舶を提供すると表明した。

スナク首相は奇襲から半年となった7日に声明を発表。「われわれは、ハマスのテロリストによる脅威を払拭するイスラエルの権利を引き続き支持する。しかし、英国全土が流血の惨事に衝撃を受け、困窮者に食料を届けていた勇気ある英国人の英雄たちが殺害されたことにがくぜんとしている」と述べた。

イスラエルイスラム組織ハマスの戦闘開始から半年となった7日、パレスチナ自治区ガザで現在も拘束されている約130人の人質の解放を求め、数千人がエルサレムの国会前で抗議集会に参加した。

人質解放や戦闘休止に向けた協議がこの日、エジプトで再開したが、過去の交渉が行き詰まり、拘束中に死亡する人質も出る中、一部の家族は慎重な見方を崩していない。

テルアビブから参加した39歳の女性は「世界が立ち上がって人質を取り戻す必要がある」とし、「政治や宗教を超えた人道的な問題だ」と訴えた。

一部の参加者はネタニヤフ首相に対し、人質を取り戻すためにさらに尽力するよう求めたが、多くの人は非政治的なメッセージにとどめた。

イスラエルのN12ニュースが7日に放送した調査によると、人質解放に向けて政府が十分な措置を講じているかとの問いに対し、56%が講じていない、39%が講じていると回答した。

政府に対する抗議活動はここ数週間で強まっており、ネタニヤフ氏がハマスとの合意を渋っているとの批判も一部で出ている。同氏は強く否定している。

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6日夜にはイスラエル各地で人質解放に向けたハマスとの合意の実現やネタニヤフ首相の辞任を求めて、大規模なデモが行われ、このうちテルアビブでは数千人が集まりました。

パレスチナ自治区ガザでの休戦を巡りエジプトの首都カイロで行われた協議で進展があり、基本的な項目について全関係者が合意したと、エジプト国営テレビ局アルカヘラ・ニュースが8日、同国高官筋の話として伝えた。

イスラエルイスラム組織ハマスは7日、休戦交渉を再開するため代表団をエジプトに派遣していた。

ハマスは現時点でコメントしておらず、カイロでの協議に参加したいずれの関係者もアルカヘラの報道を確認していない。

アルカヘラによると、ハマスカタールの代表団は既にカイロを離れ、最終合意の条件について一致を得るため2日以内に戻る予定。イスラエルと米国の代表団は数時間内にカイロを離れる見込み。今後48時間も意見交換は続けられるという。

イスラエルのカッツ外相は、カイロでの会談では、ハマスが数十人の人質を解放した昨年11月以降で最も合意に近づいたとし、「交渉は佳境に入っている。交渉がうまくいけば、多くの人質が帰還することになる」と軍ラジオに語った。

イスラエルのネタニヤフ首相は7日、人質の解放なしには停戦に同意しないと述べ、ハマス側は、恒久的な停戦とガザからのイスラエル軍撤退、避難民の帰還、ガザで拘束されている人質とイスラエルで収監されているパレスチナ人の交換を含む要求を改めて表明した。

イスラエルハマスの戦闘開始から半年となる7日、ガザで現在も拘束されている約130人の人質の解放を求め、数千人がエルサレムの国会前で抗議集会に参加した。 もっと見る

イスラエルのガラント国防相は7日、在シリアのイラン大使館周辺に対する1日の空爆にイランが報復を表明したことを受け、イスラエルはイランとの間で起こり得るいかなるシナリオにも対応の用意ができていると述べた。

イラン当局者は先に、イスラエル大使館は安全でないと警告。イラン政府系通信社はイスラエルを攻撃できるとする兵器を示すグラフィックを掲載した。

ガラント氏が軍幹部と「作戦状況評価」を行った後に出された声明によると、同氏はイランとの間で起こり得るいかなるシナリオにも対応できるよう国防組織が準備を終えたと強調した。

イスラエル軍のハレビ参謀総長「攻撃でも防衛でもイランに対処する方法を知っている」と強調。「近傍でも遠方でもイランに対し強力に対処する方法を知っている。米国や地域の戦略的パートナーと協力して行動している」とテレビで述べた。

一方、イラン最高指導者の上級顧問は7日、もはや安全なイスラエル大使館はないとし、イランはイスラエルとの対立を「正当かつ合法的な権利」と見なしていると述べた。

また、政府系のイラン学生通信(ISNA)は同日、イスラエルを攻撃できるとする9種類のイラン製ミサイルを紹介するグラフィックを掲載した。

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イスラエル軍が攻撃を続けるガザ地区で地区内を分断するように東西を横断する新たな道路が建設されていることが、衛星画像の分析から分かりました。専門家は、イスラエル軍が今後、ガザ地区を内部から南北に2分割して管理することを見据えている可能性を指摘し「その場合、この20年の管理政策が大きく転換したことになる」と分析しています。

目次

分断するように東西を横断する道路
専門家「管理政策が大きく転換」

分断するように東西を横断する道路

1/13の衛星画像

イスラエルイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから7日で半年となりましたが、イスラエル側は人質の奪還とハマスの排除を掲げて戦いを続ける構えを崩していません。

戦闘が長期化するなか、ガザ地区を撮影した衛星画像を分析したところ、ことし1月13日時点で一部の道路しか確認できなかった場所に、2月14日の画像では南北にのびる地区を分断するように、東西を横断する道路が整備され始めているのが確認できます。

2/14の衛星画像
3/12の衛星画像

そして3月12日の画像で、さらに道路は延伸していて、地区の西端の地中海まで伸びています。

赤枠が衛星画像を拡大した位置
横断道路とサラハディン通りが交差する場所
3/20の衛星画像

また、この東西を貫く新たな横断道路と地区内を南北に貫く主要道路「サラハディン通り」が交差するさら地に、3月20日の画像では、車が集まっている様子や構造物が建設されているのがわかります。

4/4の衛星画像
4月4日の画像ではさらに建設が進み、壁のような構造物が確認できるほか、2本の細長い工作物が整備されているように見えます。

専門家「管理政策が大きく転換」

東京大学中東地域研究センター 鈴木啓之特任准教授
イスラエル側が整備を進めている一連の道路や構造物についてイスラエルパレスチナ情勢に詳しい東京大学中東地域研究センター鈴木啓之特任准教授はヨルダン川西岸でも同じような施設がみられるとして「攻撃用のインフラというよりは戦後を見据えた治安維持のために建設していると考えられる。ガザ地区を南北に分割して機動性のある車両で抗議デモなどがあった際に迅速に対応するとともに、道路が交差する場所には人や物の行き来を管理する検問所のようなものが建設されている可能性がある。今後さらにコンクリート製の分離壁と呼ばれるようものや監視塔のようなものが建設されるのかどうかが注目される」と分析しています。

その上でイスラエルのネタニヤフ首相がことし2月に戦時内閣に戦後のプランを示し、ガザ地区の治安に関してはイスラエルが担うとしたと伝えられていることを挙げて「この道路を見るかぎり、ガザ地区を内部から分割して人や物の行き来を管理するインフラと考えるのが妥当だ。2005年以降、イスラエルガザ地区を外から封鎖する形で管理をしてきたが、この道路の建設によって地区内部に部隊が展開し、治安維持を担うことになれば、これまでの20年間のイスラエルによる管理政策が大きく転換したことになる」と指摘しています。

ラファ周辺では
イスラエル軍ガザ地区南部のハンユニスからの撤収が発表される中、イスラエル軍は、今後、どのような作戦に踏み切るのか。

その動向を不安な思いで見ているのが地区南部に避難を余儀なくされた多くのパレスチナの人たちです。

ハマスによる越境攻撃をうけて去年10月7日に始まったイスラエル軍の軍事作戦。イスラエル軍の攻撃は、当初の地区北部から一時的な戦闘休止が終わった12月からは南部のハンユニスや中部などにも広がりました。

戦線の拡大とともにガザ地区の南の端、エジプトとの境界に近いラファに多くの人が押し寄せました。

付近をとらえた衛星画像をみると、去年11月中旬の時点では国連施設の近くにテントが集まっていましたが、ことし1月上旬には周辺の土地に膨大な数のテントが立てられたことがわかります。

2023年11月のラファ周辺の衛星画像
1月のラファ周辺の衛星画像
4月1日の衛星画像(拡大)

4月1日の画像を詳しくみると、テントは市街地に隣接した250ヘクタール以上に及ぶ土地に立てられているほか、ラファの市街地でも住宅の間にある農地などを利用して隙間に入り込むように広がっています。

また、一部では道路を覆う形でテントがひしめいているのも衛星画像から見てとれます。

人口25万ほどのラファに、国連はガザ地区全体の人口の半数以上にあたる150万もの避難民が押し寄せ、施設に身を寄せたり、テントで暮らしたりしているという見方を示しています。

多くのテントがインフラのない場所に立ち、生活環境は劣悪で、感染症の拡大などが指摘されています。

専門家「避難生活そのものが非人道的な状態」
鈴木特任准教授は「収容できる人数の限界を超え、避難生活そのものが非人道的な状態にある」と述べ、テントなどで暮らす人たちはすでに命が危ぶまれる状況だと指摘しました。

今後の展開については「今回のガザ地区への軍事作戦が始まったときと同様イスラエル側が明確に宣言をせずに段階的に攻撃を強めることも想定される。ラファに地上部隊が展開されれば、避難している人々の命を直接危険にさらすことになる」と述べ、さらに危機が拡大することへの懸念を示しました。

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#1レスチナ(ガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・185目②)

ガザ地区ではイスラエル軍の南部ハンユニスからの撤収が明らかにされたあとも、8日にかけて各地でイスラエル軍空爆が続いていて、住民に複数の死傷者が出ているもようです。戦闘の休止などをめぐる交渉もイスラエルイスラム組織ハマス双方の立場の隔たりがあり、妥協点を見いだせるかどうかは依然、不透明な情勢です。

イスラエルのガラント国防相は、ハマスとの戦闘が始まってから半年となった7日、ガザ地区の最も南にあるラファでの地上作戦の準備を進めるためなどとして、南部ハンユニスに展開する部隊を撤収させたことを明らかにしました。

ただ、イスラエル軍は一部の部隊についてはガザ地区に残り、活動を続けているとしています。

一方、8日にかけてもガザ地区の各地でイスラエル軍による空爆などが続き、地元のメディアは少なくとも住民7人が死亡したなどと伝えています。

一方、ハマスは戦闘の休止と人質の解放などをめぐる交渉のため代表団が7日、エジプトの首都カイロに到着したと明らかにしていて、イスラエルアメリカ、それに仲介国による協議が断続的に続いているとみられます。

ただ、完全な停戦を求めるハマスハマスの壊滅を目指すイスラエルとでは立場の隔たりがあり、妥協点を見いだせるかどうかは依然、不透明な情勢です。

イスラエル軍は8日早く、レバノン南部の村を空爆し、親イラン武装組織ヒズボラの野戦司令官を殺害した。

イスラエル軍レバノン治安当局筋によると、殺害されたのはヒズボラの精鋭部隊「ラドワン部隊」に所属する野戦司令官。他に2人が死亡した。

イスラエル軍によると、同司令官はイスラエル攻撃の計画・実行責任者だった。

レバノン南部の国境地帯ではヒズボライスラエル軍の交戦が続いており、イスラエルは過去半年でヒズボラの戦闘約270人と民間人約50人を殺害。死者には子ども、医療関係者、記者も含まれている。ヒズボラもロケット攻撃でイスラエル兵12人前後、民間人6人前後を殺害しており、両国でそれぞれ数万人が避難を余儀なくされている。

国連レバノン特別調整官のジョアンナ・ブロネッカ氏と国連レバノン暫定軍のアロルド・ラザロ司令官は8日、暴力の停止を訴える共同声明を発表した。


#1レスチナ(ガザ地区ハマス大規模攻撃「アルアクサの洪水」・186目①)