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中東イエメンの反政府勢力フーシ派のメディアは27日、イスラエル軍がWHO=世界保健機関のテドロス事務局長がいたイエメンの国際空港を空爆した際の映像を公開し、国連の高官は、多くの人道支援関係者が出入りする重要な場所だとして、イスラエル側を非難しました。

イスラエル軍は26日、イエメンの反政府勢力フーシ派に対する作戦だとして、首都サヌアにある国際空港などを空爆し、現地のメディアは、空港にいた3人が死亡したと報じました。

フーシ派のメディアは27日、イスラエル軍の攻撃により空港の管制塔で爆発が起き、炎があがるとともにがれきが飛び散る映像を公開しました。

【動画】公開された映像

画像をクリックすると動画が再生されます。(音声はありません)

※データ放送ではご覧になれません。

空港にはWHO=世界保健機関のテドロス事務局長もいて、映像では、いすに座っていたテドロス氏が、周囲の人に付き添われあわてた様子で避難する姿も確認できます。

テドロス氏のSNSへの投稿によりますと、テドロス氏はフーシ派に拘束されている国連職員の解放交渉などのために現地を訪れていて、本人や同行していたWHOと国連の職員は無事だったということです。

国連でイエメンを担当する人道調整官は27日、会見を開き「空港にはイエメン北部で活動する多くの人道支援の従事者が出入りしている。紛争の当事国には、民間人を攻撃の標的にしない義務がある」と指摘し、攻撃を行ったイスラエル側を非難しました。

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アメリカの有力紙は、去年10月にイスラエル軍イスラム組織ハマスとの戦闘を始めた際、パレスチナガザ地区に向けた攻撃の基準を従来より緩和し、巻き添えとなるおそれがある民間人の犠牲が20人までであれば、攻撃を許可していたと伝えました。

アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは26日、イスラエル軍の関係者らの話として去年10月にハマスからの大規模な奇襲攻撃を受けて戦闘を始めた際に、軍の指導者らがガザ地区に向けた攻撃の基準を、従来より緩和する指示を出していたと伝えました。

具体的には、部隊の指揮官らに対し、攻撃の巻き添えとなるおそれのある民間人の犠牲が20人までであれば、攻撃を実行する権限を与えていたとしています。

この指示によって、ハマスの一般の戦闘員が親戚や隣人とともに家にいるようなケースでも攻撃できるようになったと指摘しています。

それまでは、民間人の犠牲が10人以上に上るおそれがある場合には、攻撃が許可されることはほとんどなかったということです。

ニューヨーク・タイムズは軍の高官の話として、攻撃の基準が変更されたのはイスラエルが国の存続を脅かされる危機に直面したためだとしています。

イスラエル軍は、国際社会からの批判が高まる中で去年11月以降はこの基準を見直したものの、戦闘が始まる前と比べると緩い基準が許容されているということです。

ガザ地区の保健当局はこれまでにイスラエル軍の攻撃による死者は4万5000人を超え、多くの女性と子どもが犠牲になっていると訴えています。

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パレスチナ自治区ガザの保健当局によると、北部ベイトラヒヤのカマルアドワン病院が27日、イスラエル軍の攻撃を受けた。患者を含む数百人の人が避難を命じられたとしている。襲撃で病院の一部が焼失したほか、職員と連絡が取れない状態にあるという。

カマルアドワン病院はガザ地区北部でなお稼働している3つの医療施設の1つ。保健当局は、イスラエル軍が病院内に侵入し、火を放ったとしている。

ガザ地区の当局者も、イスラエル軍が研究室や倉庫などに火を放ったと指摘。イスラエル軍は、カマルアドワン病院から患者75人、医療関係者185人を含む350人に近隣の学校施設に避難するよう命じたという。

イスラエル軍は、イスラム組織ハマスの戦闘員がカマルアドワン病院を重要な活動拠点としていたと主張。民間人への被害を最小限に抑えるよう努め、「作戦開始前に民間人、患者、医療関係者が安全に避難できるよう支援した」とした。

また、病院内の空きビルで小規模な火災が発生したものの、その後鎮火したと説明。火災の原因がIDFの銃撃によるものだという主張については「現時点でそのような事件は把握していない」とした。

ハマスはカマルアドワン病院に戦闘員はいなかったとし、イスラエル軍の主張に反論している。

パレスチナの医療関係者によると、カマルアドワン病院はガザ北部のインドネシア病院とアルアウダ病院と共に、数週間にわたりイスラエル軍の攻撃を受けている。

イスラエル軍はこの日、ガザ地区の他の地域でも攻撃を行い、医療関係者などによると、少なくとも25人が死亡した。

パレスチナガザ地区の保健当局などは、イスラエル軍が北部にある病院に突入し、患者などを強制的に避難させたうえ、火災で病院が使えなくなっていると発表しました。WHO=世界保健機関は「医療を必要とするパレスチナ人にとっての死刑宣告だ」と強く非難しています。

パレスチナガザ地区の保健当局などは27日、イスラエル軍が北部にあるカマル・アドワン病院に突入し、施設で火災が発生して、手術室や救急車などが使えなくなったほか、患者や医療関係者が強制的な避難を余儀なくされたと発表しました。

カマル・アドワン病院は、ガザ地区北部で今も機能している数少ない医療機関で、WHOは声明で「ガザ地区の医療システムの計画的な破壊は、医療を必要とする数多くのパレスチナ人にとって死刑宣告だ」と強く非難しました。

イスラエル側は、この病院について「イスラム組織ハマスの拠点として機能している」と主張していて、イスラエル軍の報道官は、病院近くで軍事作戦を行ったものの、「イスラエル軍の活動と火災の関連はみられない」としています。

ガザ地区では戦闘が長期化する中、これまでに4万5000人以上が死亡していて、医療サービスも相次いで停止するなど、人道危機がいっそう深まっています。

日本が国連の安全保障理事会非常任理事国としての任期を今月末で終えるのを前に、日本の山崎国連大使NHKのインタビューに応じ、ガザ地区での停戦を実現できないまま任期を終えることに「心は重い」と振り返るとともに、核軍縮や平和構築に一層力を入れていく考えを示しました。

日本は去年とことしの2年間、12回目となる安保理非常任理事国を務め、ことし3月には、議長国としてガザ地区での即時停戦を求める初めての安保理決議の採択に尽力しました。

この決議ついてNHKとのインタビューで山崎和之国連大使は、アメリカが拒否権を行使しないとわかったのは会合が始まる「30秒前だった」と述べ、ぎりぎりまでの交渉で採択されたことを明かしました。

しかしその後、ガザ地区での停戦が実現していない現状に、「安保理の任期はもうすぐ終わるが心は非常に重い。現実に人が救われなければ価値はない」と述べ、安保理の一員として世界の平和と安全に対する責任を十分に果たせなかった無念さをにじませました。

また、日本が安保理から外れる来年については、広島・長崎への原爆投下から80年となることなどから、核軍縮や核の不拡散に一層力を入れるとともに、紛争後の復興や再発防止に関わる国連の平和構築委員会への貢献を、さらに強めていく考えを示しました。

日本は次は2032年に行われる非常任理事国の選挙に立候補することにしています。

#外交・安全保障

パレスチナガザ地区の停戦協議をめぐり、アメリカのニュースサイトは当局者の間でトランプ次期大統領が就任する1月20日までに合意に至るのは困難との見方が出ていると伝えました。

トランプ氏はイスラム組織ハマス側に対し、みずからの就任までに人質を解放しなければ何らかの報復を行う構えをみせていて、それまでに進展が見られるのか注目されます。

イスラエルイスラム組織ハマスとの間のガザ地区での停戦と人質の解放に向けては12月、アメリカのCIA=中央情報局のバーンズ長官も参加して仲介国のカタールで協議が行われました。

こうしたなか、アメリカのニュースサイト、アクシオスは27日、アメリカとイスラエルの当局者の間でトランプ次期大統領が来月20日に就任するまでに停戦や人質の解放で合意に至るのは困難との見方が出ていると伝えました。

トランプ氏は12月2日、SNSハマス側に対して、みずからが大統領に就任する1月20日までに人質を解放するよう呼びかけ、解放しなければハマスは「アメリカの歴史上、最も大きな打撃を受けるだろう」として何らかの報復を行う構えを見せています。

また、アクシオスはアメリカとイスラエルの当局者の話として、トランプ氏の就任までに交渉が実を結ばなければ、政権の移行によって数か月の遅れが出るおそれがあると伝えていて、それまでに進展が見られるのか注目されます。

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#中東(241228)