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【日本の未来を考える】東京大・大学院教授　伊藤元重

　次々に出てくる金融問題で、米国経済に強い懸念を持つ専門家は多い。しかし、皮肉な言い方かもしれないが、この状況の中でよく米国経済が今の所に踏みとどまっている、というのが私の実感である。

　さて、今後の展開はどうなるのだろうか。残念ながら、予想は非常に難しい。これまでの山の高さを考えれば、景気後退の圧力は相当深刻であるが、それにしてはよく今の状態に踏みとどまっている。この様々な安全弁が崩れて景気が大きく後退するのかどうかは、今後の動きを待つしかない。