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【次代への名言】温故知新編(58)

「ということは、魂は不死だね?」「おっしゃるとおりです」(プラトン著『パイドン』)

 プラトンは、ソクラテスより40年あまり後の紀元前427年ごろ、古代ギリシャの中心・アテネに生まれた。父の遠祖は伝説の最後のアテネ王につながり、母は民主制の基礎を築いた大政治家の子孫という名門の三男だった。

 「独立して一人前になるやいなや、ただちに国家の公事に携わろう」(山本光雄訳)。そんなプラトンの情熱は、ペロポネソス戦争におけるアテネの敗戦後の政治的混乱のなかで急速にしぼむ。彼の縁戚が一角をになった“戦後政権”は暴政化し、師のソクラテスを利用しようとして失敗したあと崩壊。復活した民主制はこともあろうに師を死刑に処す。プラトンがまだ20代後半のことだった。