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【次代への名言】温故知新編(54)

「わたしが話をするときに念頭に置いているのは最も善(よ)きことなのです。喜ばせでもなく、耳に最も心地よいことばでもありません」(ソクラテス

 告発の理由は長年にわたる冒頭の信条(プラトン著『ゴルギアス』)ゆえに厭(いと)われたことであり、またかつての弟子だが師のもとを飛び出たアルキビアデスやクリチアスの不行跡にあるのであって、自分は無罪だとソクラテスは確信していた。だから彼はこんな主張を展開した。


 「わたしに死または追放、または公民権の剥奪(はくだつ)を科したところで、損失を被るのは告発者やみなさんなのです。なぜならそれは罪なき者の処罰であり、アテネは神から授けられたかけがえのない人物を失うからです。父親か年長の兄のようにあなたたちの世話を焼き、美徳を実践せよと説くわたしという者を」